のげし (野芥子) 

学名  Sonchus oleraceus
日本名  ノゲシ
科名(日本名)  キク科
  日本語別名  ハルノノゲシ(春の野芥子)、ウサギグサ、チチクサ・チチグサ(乳草)、フタダラ、ウマゴヤシ、ウマンモチ、タンポポチグサ、フウクウ、タンポコ、ケシ、ホゴドリヤ、ケシアザミ(芥子薊)
漢名  苦苣菜(クキョサイ,kujucai)
科名(漢名)  菊科 
  漢語別名  荼(ト,tu)、苦菜(クサイ,kucai)
英名  Sowthistle
2007/02/15 八王子市裏高尾町
2007/04/29 調布市

2006/05/01 新座市中野

 見た目がオニノゲシと似ているが、葉は柔らかく 触れても痛くない。
 ノゲシ属 Sonchus(苦苣菜屬)には、次のようなものがある。
   オニノゲシ S. asper(續斷菊・石白頭・大葉苣蕒菜)『中国雑草原色図鑑』270
   ハチジョウナ S. brachyotus(苣蕒菜・野苦菜・取麻菜・苦蕒菜・野苦蕒・苦葛菜・敗醬草)
       
『中薬志Ⅲ』pp.141-147、『中国本草図録』Ⅵ/2910・『中国雑草原色図鑑』270
   ノゲシ S. oleraceus(苦苣菜・苦蕒菜)『中国雑草原色図鑑』271
   S. palustris(沼生苦苣菜)
   S. wightianus(南苣蕒菜) 『中国本草図録』Ⅷ/3907 
 キク科 Compositae(菊科)の植物については、キク科を見よ。
 和名は、
   1.切れ込みのある葉の形、
   2.全体が白っぽいこと、
   3.茎を切ると白い汁が出ること
などの点で、ケシに似ることから。
 アキノノゲシ(秋の野芥子)に対して ハルノノゲシ(春の野芥子)と呼んだことがあるが、夏秋に開花する個体もあり、今は単にノゲシと呼ぶ。
 荼(ト,tu)とは、体をリラックスさせてくれる薬草の意といい、ニガナ・ノゲシ・チガヤの穂・オギの穂・チャなどを、この名で呼んだ。
 漢名を苦菜(クサイ,kucai)というものは、普通はノゲシを指すが、ほかに タカサゴソウ Ixeris chinensis(山苦蕒・小苦苣。
若菜を食用にし、全草を薬用にする)、オトコエシバイモイヌホオズキなどをもこの名で呼んだ。
 深江輔仁『本草和名』(ca.918)苦菜(一名荼草)に、「和名尓加奈、一名都波比良久々佐」と。
 源順『倭名類聚抄』
(ca.934)荼に、「和名於保都知」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』23(1806)苦菜に、「ケシアザミ ノゲシ キツネノタバコ
和州 タンポポ筑前 ウマゴヤシ讃州 コマシダケ江州 コマビヤシ信州 ゴアジ佐州 ケシナグサ和漢三才図絵」と。
 ユーラシア大陸の熱帯・温帯に分布。裸地を好む放浪植物。
 日本のものは、史前帰化植物である可能性がある。
 嫩葉を食用・飼料用にする。また冠毛を朱肉の綿にすることがある。
 中国では、全草を薬用に用いる。
 『詩経』国風・邶風(はいふう)・谷風に、「誰か荼を苦しと謂ふ、その甘きこと(なづな)の如し」と。
 『大戴礼』「夏小正」四月に、「荼を取る。
〔荼なる者は、以て君の薦将(敷物)と為すなり。〕」と。ノゲシから敷物を織ることはできないので、ここではチガヤか。或いは荼は■{竹冠に余}(と。割り竹・竹を割いたもの)の誤りか、ともいう。
 『詩経』国風・豳風「七月」に、「九月は苴(しょ。アサの実)を叔(ひろ)ひ、荼を采(と)り樗(ちょ。オウチあるいはニワウルシ)を薪にし、我が農夫を食(やしな)ふ」と。
旧暦の九月にはノゲシは枯れているので、ここでは何か別のものであろう。
 『礼記』「内則(だいそく)に、豚肉を煮るのには「苦に包み (たで)を実(みた)す」と。
 『爾雅』釋草に、「荼(ト,tu)、苦菜(クサイ,kucai)」と、郭璞注に「『詩』曰、誰謂荼苦。苦菜、可食」と。

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