なずな 

学名  Capsella bursa-pastoris
日本名  ナズナ 
科名(日本名)  アブラナ科
  日本語別名  ペンペングサ・ピンピングサ、シャミセングサ・バチグサ、スモトリグサ、ムシツリグサ・カニトリグサ、オムスビグサ、スズメノダラコ・ヂヂノキンチャク・ババノキンチャク、カラナズナ、コチナ(東風菜)
漢名  薺(セイ,ji4)
科名(漢名)  十字花(ジュウジカ,shizihua)科
  漢語別名  薺菜(セイサイ,jicai)、菱角菜、護生草(ゴセイソウ,hushengcao)、地米菜
英名  Shepherds purse

2006/02/27 新座市大和田
2010/04/09 入間市宮寺

 ナズナ属 Capsella(薺屬)には、地中海地方・ヨーロッパ・西アジアを中心に約5種がある。
 日本・中国には、そのうち1種を産する。 
 ハクセンナズナ属 Macropodium(長柄芥屬・古芥屬)・イヌナズナ属 Draba(葶藶屬)・マメグンバイナズナ属 Lepidium(獨行菜屬)・グンバイナズナ属 Thlaspi(菥蓂屬・遏藍菜屬)は、いずれも別属。
 アブラナ科 Brassicaceae(Cruciferae;十字花科)については、アブラナ科を見よ。
 和名のは、撫で菜の転、撫でたいほどに可愛いことから、という。別の説に、夏無(なつな)の転訛、夏には枯れて無くなるので、という。
 ペンペングサは、果実が三角形で長い柄があり、三味線の撥に似ていることから(一説に、風に揺れたときの音から)。
 漢名の薺は、セイ ji4 と読めばナズナ、シ ci2 と読めばハマビシ
 
なお、薺苨(セイデイ,jini)とはツリガネニンジンの仲間、薺薴(セイネイ,ji'ning)とはイヌコウジュの仲間。 
 深江輔仁『本草和名』(ca.918)薺に、「和名奈都奈」と。
 源順『倭名類聚抄』
(ca.934)薺に、「和名奈都那」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』23(1806)薺に、「ナヅナ バチグサ
古歌 メナヅナ奥州 シヤミセングサ スモトリグサ越後 ペンペングサ江戸 ピンピングサ讃州 ムシツリグサ仙台 カニトリグサ豊後」と。
 広く全世界の温帯に分布。
 中国では、今日まで若い茎葉を蔬菜として食う。
 また、全草を薺菜と呼び、花序を薺菜花と呼び、種子を薺菜子と呼び、薬用にする。
 『詩経』国風・邶風(はいふう)・谷風に、「誰か(と)を苦しと謂ふ、その甘きこと薺(なづな)の如し」と。
 日本では、春の七草の一。
 
「羹(あつもの)とし、あへ物、ひたし物に用ひてよし。・・・種子を取り蒔きたるは殊更うるはしく味もよし」(宮崎安貞『農業全書』1697)。

   ふるきいも
(妹)が その(園)にうゑたる からなづな
     たれ
(誰)なづさへと おほ(生)したつらん
         
(西行(1118-1190)『山家集』恋百首)

   よくみれば薺
(なづな)花さく垣ねかな (芭蕉,1644-1694)
   古畑に薺摘行
(つみゆく)男ども (同)
   よもに打
(うつ)薺もしどろもどろ哉 (同。「人日」)
   一とせに一度つまるゝ菜づなかな 
(同)

   宵の月西になつなのきこゆ也 (如行,『猿蓑』1691)
     
(宵の月は6日の月。7日は人日。なづなは薺を叩く音)

   妹が垣根さみせん草の花咲ぬ 
(蕪村,1716-1783)
 

跡見群芳譜 Top ↑Page Top
Copyright (C) 2006- SHIMADA Hidemasa.  All Rights reserved.
クサコアカソウ シュロソウ スハマソウ イワチドリ チダケサシ 跡見群芳譜トップ 野草譜index