ばいも (貝母)
学名 |
Fritillaria thunbergii (F.verticillata var.thunbergii) |
日本名 |
バイモ |
科名(日本名) |
ユリ科 |
日本語別名 |
アミガサユリ(編笠百合)、ハハクリ・ハハグサ、ハルユリ |
漢名 |
浙貝母(セツバイボ,zhèbèimŭ,せつばいも) |
科名(漢名) |
百合(ヒャクゴウ,băihé)科 |
漢語別名 |
貝母、象貝、苦菜(クサイ,kŭcài)、莔(ボウ,méng) |
英名 |
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2023/03/16 小石川植物園 |
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2006/04/02 小平市 (栽培) |
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2009/03/23 明治薬科大学 |
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2008/03/23 薬用植物園 |
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辨 |
バイモ属 Fritillaria(貝母 bèimŭ 屬)には、北半球の温帯に約130-140種がある。
ホソバナコバイモ F. amabilis 日本の本州兵庫県以西・九州中部以北に分布
イズモコバイモ F. ayakoana 島根県産
クロユリ(広義) F. camtschatcensis
エゾクロユリ(クロユリ) var. camtschatcensis
ミヤマクロユリ var. alpina(var.keiskei)
キバナクロユリ f. flavescens
F. cirrhoza(卷葉貝母・川貝母)四川・雲南・チベット産 『全國中草藥匯編 上』pp.127-128,
『中薬志Ⅰ』pp.217-228,『雲南の植物Ⅰ』257,『雲南の植物』16,『中国本草図録』Ⅴ/2408
var. ecirrhosa(烏花貝母・靑貝母・尖貝)
var. paohsinensis (冲松貝母) 四川産『全國中草藥匯編 上』p.129
F. crassicaulis(粗莖貝母)
F. davidii (米貝母)『中国本草図録』Ⅴ/2409
F. delavayi (稜砂貝母・雪山貝)四川・雲南・チベット産
『全國中草藥匯編 上』p.129,『中薬志Ⅰ』pp.217-228
F. ferganensis (新疆貝母・烏恰貝母)『全國中草藥匯編 上』p.129
F. hupehensis(湖北貝母・板貝・窑貝) 湖北・四川産
ヨウラクユリ F. imperialis(花貝母)
西アジア乃至パキスタン原産。『週刊朝日百科 植物の世界』10-21
ミノコバイモ(コバイモ) F. japonica 本州(愛知県~岡山県)産
カイコバイモ F. kaiensis(F.japonica f.alba) 東京・山梨・静岡産
F. karelinii (灘貝母・沙貝母)『全國中草藥匯編 上』p.129
コシノコバイモ F. koidzumiana(F.japonica var.koidzumiana) 本州(山形~岐阜)産
F. maximowiczii (輪葉貝母・一輪貝母) 『全國中草藥匯編 上』p.129,『中国本草図録』Ⅵ/2932
F. meleagris(阿爾泰貝母)
イギリス・ヨーロッパ・カスピ海沿岸・カザフスタン・アルタイ山・中国(新疆)に分布。
『中国本草図録』Ⅸ/4414・『週刊朝日百科 植物の世界』10-20
アワコバイモ F. muraiana 徳島・高知産
F. pallidiflora (伊貝母)『中薬志Ⅰ』pp.217-228 『全國中草藥匯編 上』p.129 『中国本草図録』V/2410
F. persica
F. przewalskii (西北貝母・甘肅貝母) 『全國中草藥匯編 上』p.129,『中薬志Ⅰ』pp.217-228
F. roylei チベット西部・カシミールに分布、F,cirrhoza の原種という。『中薬志Ⅰ』pp.217-228
トサコバイモ F. shikokiana 四国・九州産
F. sichuansis(華西貝母) 『中国本草図録』Ⅸ/4415
F. sungbei (松貝母・川貝母) 甘肅・青海・四川産 『全國中草藥匯編 上』pp.127-128
F. taipaiensis (太白貝母) 『中国本草図録』Ⅴ/2411 『全國中草藥匯編 上』p.129
バイモ F. thunbergii(F.verticillata var.thunbergii;浙貝母)
var. chekiangensis(東貝母) 浙江で栽培
F. tortifolia var. citrina(托里黄花貝母) 『中国本草図録』Ⅸ/4416
F. unibracteata(暗紫貝母・松貝・川貝母) 『中国本草図録』Ⅵ/2933
F. ussuriensis (平貝母)
『中薬志Ⅰ』pp.217-228 『全國中草藥匯編 上』pp.230-231 『中国本草図録』Ⅲ/1427
F. verticillata(輪葉貝母・黃花貝母) 『中国本草図録』Ⅸ/4417
F. walujewii(新疆貝母) 『中国本草図録』Ⅴ/2412 |
ユリ科 Liliaceae(百合 băihé 科)については、ユリ科を見よ。 |
訓 |
今日の和名は、漢名の音。 |
『本草和名』貝母に、「和名波々久利」と。
『倭名類聚抄』貝母に、「和名波々久里」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』9 に、「貝母 ハゝクリ延喜式 ハゝグサ古歌 ハルユリ種樹家 アミガサユリ」と。 |
漢名は、「(鱗茎の)形 貝子を聚むるに似る。故に貝母と名づく」と(李時珍『本草綱目』)。
漢名を苦菜(クサイ,kŭcài)というものについては、ノゲシを見よ。 |
説 |
中国原産、浙江北部・江蘇南部・湖南に分布、浙江省寧波で大量に栽培。
日本には享保(1716-1736)年間に渡来。観賞用にも栽培。 |
誌 |
中国では、バイモ属 Fritillaria(貝母 bèimŭ 屬)の次のような植物の鱗茎を貝母(バイボ,bèimŭ,ばいも)と呼び薬用にする。
『全國中草藥匯編 上』pp.127-129,230-231,642-643
『中葯志 』I/217-228 『(修訂)中葯志 』I/93-115
浙貝母:バイモ(アミガサユリ) F. thunbergii(浙貝母)
var. chekiangensis(東貝母)
川貝母:F. cirrhoza (川貝母・冲松貝母)
F. unibracteata(F.sungbei;暗紫貝母・松貝・川貝母)
F. przewalskii (甘肅貝母・西北貝母)
F. delavayi (稜砂貝母・雪山貝)
F. hupehensis(湖北貝母・板貝・窑貝)
F. taipaiensis (太白貝母)
F. maximowiczii (輪葉貝母・一輪貝母)
平貝母:F. ussuriensis (平貝母)
伊貝母:F. pallidiflora (伊貝母)
F. walujewii(新疆貝母)
F. karelinii (灘貝母・沙貝母)
F. ferganensis (新疆貝母・烏恰貝母)
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日本では、生薬バイモは アミガサユリの鱗茎である(第十八改正日本薬局方)。 |
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