とうがらし (唐辛子) 

学名  Capsicum annuum (=C. frutescens)
日本名  トウガラシ
科名(日本名)  ナス科
  日本語別名  ナンバンゴショウ・ナンバンガラシ・ナンバン(南蛮)、コウライゴショウ・コウライガラシ・コショウ、ソラミトウガラシ
漢名  辣椒(ラツショウ,lajiao)
科名(漢名)  茄(カ,qie)科
  漢語別名  海椒(カイショウ,haijiao)、紅海椒、蕃椒(バンショウ,fanjiao)、秦椒、辣子(ラツシ,lazi)・辣茄・辣角(ラツカク,lajiao)、牛角椒(ギュウカクショウ,niujiaojiao)、
英名  Red pepper, Hot pepper
2004/07/10 薬用植物園
2004/08/01 同上 2006/11/26 同上(鷹の爪)

 さまざまな変種・品種がある。
  var. conoides (朝天椒・指天椒;E. Cone pepper):
辛味が強く、小さな果実を上向きにつける。
     日本の鷹の爪(たかのつめ)など。 『中国本草図録』Ⅹ/4831
  var. fasciculatum (簇生椒:E. Red cluster):
辛く、房成りの果実をつける。
     日本の八房(やつふさ)など。 『中国本草図録』Ⅹ/4832
  var. longum (長角椒;E. Long pepper):
細長く大型の果実をつけ、辛みのあるもの・ないものがあり、
     果菜として若葉も利用。日本では、葉唐辛子用の伏見辛など。
  var. grossum (甜柿椒;E. Bell pepper,Sweet pepper):
辛みはなく、果菜として利用。
     アマトウガラシ。シシトウやピーマンなど。
  var. cerasiforme (櫻桃椒;E. Cherry pepper):
小さく上向の果実をつける。観賞用の五色。
     榎実(えのみ)など。 
 トウガラシ属 Capsicum(辣椒屬)は、中央・南アメリカに十数種乃至35種があ。
   トウガラシ C. annuum(辣椒)
   キダチトウガラシ C. frutescens 
 ナス科 SOLANACEAE(茄科)については、ナス科を見よ。
 和名は、外国から来たからし。これに対して従来のからしを、和がらしと呼ぶ。
 別名をコウライガラシなどというのは、豊臣秀吉の朝鮮出兵に際して、朝鮮から持ち込まれたと考えられたことから。
 仏名は piment(ピマン)。日本では辛味のない var. grossum をピーマンと呼ぶが、フランス語では piment は、辛いものも甘いものも含めて、トウガラシの通称。
 熱帯アメリカ原産、今は広く世界の熱帯・温帯地方で栽培されている。
 果実にカプサイシン capsaicin などを含んでおり、辛い。
 1493年コロンブスによってスペインに持ち込まれ、ヨーロッパに広まった。
 中国には、16-17世紀に中国に入る。
 日本には、豊臣秀吉の朝鮮出兵
(文禄・慶長の役、1592-98)のとき種子を持ち帰った、とする説が強い(そのほかに、1542・1605説などがある)
 果実を香辛料とし。また嫩葉嫩茎は食用にする。
 中国では、根を辣椒頭と呼び、茎を辣椒梗と呼び、果実を辣椒と呼び、薬用にする。日本薬局方にも載る。
 「其実 赤きあり、紫色なるあり、黄なるあり、天に向ふあり、地にむかふあり、大あり、小あり、長き、短き、丸き、角なるあり。其品さまざまおほし」(宮崎安貞『農業全書』1697)。
 七味唐辛子とは、唐辛子・胡麻山椒芥子の実・の実・菜種陳皮をあわせたもの。
 安永
(1772‐81)・天明(1781‐89)のころ(一説に 寛永(1624-1643)年間)、江戸で七色唐辛子として売り出されてはやった。七味唐辛子は、その京都での称謂。

   此たねとおもひこなさじとうがらし 
(芭蕉,1644-1694)
   草の戸をしれや穂蓼に唐がらし 
(同)
   かくさぬぞ宿は菜汁に唐がらし (同)
   青くても有
(ある)べきものを唐辛子 (同)

   うつくしや野分のあとのとうがらし 
(蕪村,1716-1783)
 
 
   武蔵野のだんだん畑の唐辛子いまあかあかと刈り干しにけれ
   あかあかと胡椒刈り干せとめどなく涙ながるる胡椒刈り干せ
   わかき日は赤き胡椒の実のごとくかなしや雪にうづもれにけり
     
(北原白秋『桐の花』1913)

  唐辛子の中に繭こもる微かなる虫とりいだし見てゐる吾は
    
(1934,斎藤茂吉『白桃』)
  しづかなる生のまにまにゆふぐれのひと時かかり唐辛子煮ぬ
    
(1943,齋藤茂吉『小園』)
 
鷹の爪  2004/08/04 東大農園
日光とうがらし  2004/08/04 東大農園
八房   2006/12/14 薬用植物園



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