さんしょう (山椒) 

学名  Zanthoxylum piperitum
日本名  サンショウ (山椒)
科名(日本名)  ミカン(蜜柑)科
  日本語別名  ハジカミ(椒)
漢名  蜀椒(ショクショウ,shujiao)
科名(漢名)  芸香(ウンコウ,yunxiang)科
  漢語別名  山椒
英名  Japanese pepper, Japanese prickly ash
2009/04/16 入間市宮寺

雄株  2007/05/03 薬用植物園

2004/05/24 跡見学園女子大学新座キャンパス

2004/08/07 同上 2004/09/21 同左

新座市中野  2004/09/13


 変種が多い。
 アサクラザンショウ f. inerme は、刺がほとんど無く、果実が大きく、芳香が強い。和名は、但馬の朝倉山で発見されたことから。
 ブドウサンショウは、アサクラザンショウから派生したもので、果実・果穂が大型。
 ヤマアサクラザンショウ f. brevispinosum は、刺が短い。
 リュウジンサンショウ f. ovalifoliolatum は、葉が広卵形で先がやや丸い。
 サンショウ属 Zanthoxylum(花椒屬)には、世界に約250種がある。
   Z. acanthopodium(刺花椒・野花椒)
     var. villosum(毛刺花椒・巖椒)
 『雲南の植物Ⅱ』172
   Z. ailanthoides
     カラスザンショウ
 var. ailanthoides(Fagara ailanthoides;樗葉花椒・食茱萸)
        
本草綱目啓蒙28。茱萸についてはサンシュユの項を見よ
       トゲナシカラスザンショウ f. espinosum(Z.ailanthoides var.inermis)
     アコウザンショウ var. inerma(var. bininshimae, Z.inerme)
   アマミサンショウ Z. amamiense
   アメリカサンショウ Z. americana
北アメリカ産
   Z. armatum(竹葉椒)
     フユザンショウ
(フダンザンショウ) var. subtrifoliatum(Z.planispinum;竹葉椒・秦椒)
   Z. austrosinense(嶺南花椒根・搜山虎)
     var.stenophyllum(狹葉嶺南花椒)
   Z. avicennae(Fagara avicennae;{竹冠に勒}{木偏に黨}・勒■
・犬花椒・鷹不泊・鳥不宿)
        
『中国本草図録』Ⅰ/0155
   イワザンショウ Z. beecheyanuum(Z.arnottianum)
小笠原・沖縄の岩地に分布
     ヒレザンショウ var. alatum
琉球の海岸の岩地に分布
   カホクザンショウ Z. bungeanum(椒・花椒・申椒・川椒・蜀椒)
        
『雲南の植物Ⅱ』172・『中国本草図録』Ⅶ/3196
     var. pubescens(毛葉川椒)
   Z. cuspidatum(Fagara cuspidata;花椒◆
{竹冠に勒})
   Z. dimorphophyllum(Fagara dimorphophylla;異葉花椒・羊山刺)
      var. spinifolium (刺異葉花椒・靑椒皮・見血飛)
   Z. dissitoides(擬蜆殻花椒・單面針)『中国本草図録』Ⅹ/4681
   Z. dissitum (Fagara dissita;大葉花椒・單面針・山枇杷・蚌殻椒)
        『中国本草図録』Ⅶ/3197
   Z. echinocarpum(刺殻花椒・見血飛)『中国本草図録』Ⅹ/4682
   Z. esquirollii(岩椒・雲貴花椒)『雲南の植物Ⅱ』172
   コカラスザンショウ Z. fauriei(Fagara fauriei, F.shikokiana)
   Z. molle(Fagara mollis;朶椒)
   Z. multijugum(Z. multifoliolatum; 多葉花椒)
   テリバサンショウ Z. nitidum(Fagara nitida; 崖椒・光葉花椒・兩面針・入地金牛・山胡椒)
        『中国本草図録』Ⅹ/4683
     f. fastuosum(疏刺花椒・毛兩面針) 『中国本草図録』Ⅹ/4684
   Z. piasezkii(川陝花椒)
『中国本草図録』Ⅵ/2699
   サンショウ Z. piperitum(Fagara piperita)
     ヤマアサクラザンショウ f. brevispinosum
     アサクラザンショウ f. inerme
     アラゲザンショウ f. hispidum
   ヒメハゼサンショウ Z. pistaciiflorum(三葉花椒)
臺灣産 
   フユザンショウ(フダンザンショウ) Z. planispinum(竹葉椒・秦椒)
   Z. podocarpum(柄果花椒)
   Z. rhetsoides(驅風通・大葉臭椒)
   ツルザンショウ Z. scandens
   イヌザンショウ Z. schinifolium(Fagara schinifolia, Z.mantchuricum,
        Fagara mantchurica; 香椒子・崖椒・野椒・靑椒・土花椒)
     シマイヌザンショウ var. okinawense(Z.okinawense)
   トゲザンショウ Z. setosum(Fagara setosa;刺花椒)
   トウザンショウ Z. simulans(Z.coreanum; 野花椒)
        
『中国本草図録』Ⅰ/0156
      var. podocarpum(柄果花椒・麻口皮子藥)
『中国本草図録』Ⅲ/1241
   Z. stenophyllum(Fagara stenophylla;狹葉花椒)
   Z. tibetanum(西藏花椒・野花椒)
   ヤクシマカラスザンショウ Z. yakumontanum(Z.ailanthoides var.yakumontanum)

 イヌザンショウ属 Fagara を独立させることがある。
 ミカン科 Rutaceae(芸香科)については、ミカン科を見よ。
 和名ハジカミの語源についてはいくつかの説があるが、いずれにせよ、裂開したサンショウの実を指したもの。
 後に、味が似ていることからショウガをも指すようになったことば。
 深江輔仁『本草和名』(ca.918)に、蜀椒は「和名布佐波之加美」と。
 源順『倭名類聚抄』
(ca.934)に、蜀椒は「奈留波之加美、一云不佐波之加美」と、蔓椒は「和名以多知波之加美、一云保曽木」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』
(1806)28に、秦椒は「サンシヤウ」、蜀椒は「ナルハジカミ和名鈔 フサハジカミ同上 アサクラザンシヤウ」、崖椒は「イヌザンシヤウ」、蔓椒は「イタチハジカミ和名鈔 ホソギ同上」と。
 漢語の椒(ショウ,jiao)は、刺激的な味のする実をつける植物の総称だが、たんに椒という場合はカホクザンショウ(花椒)を指す。
 日本(北海道・本州・四国・九州)・朝鮮(南部)に分布。日本ではよく人家に栽培する。
 株は、普通接木により増やす。台木には、自生のサンショウまたはイヌザンショウの2年木を用い、3-4年で開花結実を始め、7-8年で成木となり、12-13年が最盛期。
 中国では、サンショウ属 Zanthoxylum(花椒屬)の幾つかの種の種子を、花椒と呼び、薬用にする。『中薬志Ⅱ』pp.195-201 
 花椒(山椒)は、屠蘇散(とそさん)に調合する。屠蘇散とは、中国の魏の名医 華陀(かだ)が処方したと伝えられる漢方薬、肉桂・山椒・白朮桔梗防風陳皮などを調合したもの。これを清酒または味醂につけたものを屠蘇酒と呼び、正月に飲む。
 日本では、古来代表的な香辛料。
 嫩葉を「木の芽」と呼び、香づけに用いる。また、花を半山椒、未熟な青い果実を実山椒、熟した果実を粉末にしたものを粉山椒と呼び、香辛料として用いる。なお、材は、堅いので擂粉木にする。
 唐辛子・胡麻・山椒・芥子の実・麻の実・菜種・陳皮をあわせた香辛料を、七味唐辛子という。
 漢方では、果皮を蜀椒、種子を椒目と呼び、薬用にする。日本薬局方でサンショウと呼ぶものは、その果皮。
 日本薬局方では、成熟した果実の、種子を除いた果皮を、山椒として薬用にする。近年では、ブドウサンショウのものが利用されている。
 
(中国では、サンショウを産しないので、花椒を用いる。) 
 『古事記』『日本書紀』に、神武天皇「久米の歌」に、「かきもと(垣下)に う(植)ゑしはじかみ(椒)」と詠われている。 
 『花壇地錦抄』(1695)巻三「山椒(さんせう)るひ」に、「朝倉 大つぶなり。木も葉も異有。木ニとげなし」、「柚(ゆ)さんせう 葉四季共ニあり。自然にゆの香あり」、「日向(ひなた)さんせう こつぶなれ共味よし」と。
 近世には生垣にも用いる。いけがきを見よ。
 「昆布に山椒」とは、お茶を飲むのに、取り合わせのよいものの例。ふさわしいことのたとえ。狂言『釣狐』に「愚僧が事なれば別に振舞ふ物もない、昆布に山椒、茶ばかり申さう」と見える、と(平野雅章『食物ことわざ事典』1978)


跡見群芳譜 Top ↑Page Top
Copyright (C) 2006- SHIMADA Hidemasa.  All Rights reserved.
跡見群芳譜トップ モクゲンジ イチイ アブラチャン タチバナ イロハカエデ 樹木譜index