辨 |
クスノキ科クスノキ属 Cinnamomum(桂 guì 屬)の植物については、クスノキ属を見よ。 |
訓 |
漢名を肉桂(ニクケイ,ròuguì)と呼ぶものは、トンキンニッケイ C. cassia。
漢名を桂(ケイ,guì)という植物については、モクセイ属 Osmanthus を見よ。 |
説 |
中国南部・インドシナ原産という。 |
日本では、暖地(和歌山・高知・熊本・鹿児島など)で桂皮を採るために栽培するが、最近は減少。 |
近年(1976)、沖縄の山地に産するもの C. okinawense が見出され、内地で栽培するものと同種とされた。 |
誌 |
日本では、本種の幹・根の皮を干したものを桂皮・日本桂皮と呼び、芳香があるので薬用・香料にする(ニッケイの名で局方外品)。
中国では、桂皮はトンキンニッケイの皮、日本薬局方では これをケイヒという。 |
桂皮は、屠蘇散(とそさん)に調合する。屠蘇散とは、中国の魏の名医 華陀(かだ)が処方したと伝えられる漢方薬、肉桂・山椒・白朮・桔梗・防風・陳皮などを調合したもの。これを清酒または味醂につけたものを屠蘇酒と呼び、正月に飲む。 |
『花壇地錦抄』(1695)巻三「冬木之分」に、「肉桂(につけい) しばの葉ニにたり。葉も木も香味有」と。 |
細い根を駄菓子として「にっき」という。 |