モクセイ(木犀)の仲間、桂の仲間

 モクセイ科 OLEACEAE(木犀科)には、次のような属がある。
   ウチワノキ属 Abeliophyllum
   ヒトツバタゴ属 Chionanthus(流蘇樹屬)
   Fontanesia(雪柳屬) 次の2種
     F. fortunei(雪柳・五穀樹)
 中国中部に分布。『週刊朝日百科 植物の世界』2-196
     F. phillyreoides
シチリア・シリアに分布
   レンギョウ属 Forsythia(連翹屬)
   トネリコ属 Fraxinus(梣屬)
   ソケイ属 Jasminum(茉莉屬)
   イボタノキ属 Ligustrum(Parasyringa;女貞屬)
   Linociera(插柚紫屬) 
広義のヒトツバタゴ属 Chionanthus に含むことがある
     L. ramiflora(Chionanthus ramiflorus;黑皮插柚紫)
   Myxopyrum(膠核木屬)
     M. nervosum 
マレー・インドネシア産
     M. pierrei(膠核木)
   Nyctanthes(夜花屬)
     N. arbor-tristis(夜花)
 インド産
   オリーブ属 Olea(木犀欖屬)
   モクセイ属 Osmanthus(Siphonosmanthus;木犀屬)
   ハシドイ属 Syringa(丁香屬) 
 モクセイ属 Osmanthus(木犀屬)には、次のようなものがある。
   O. aquifolium → O. heterophyllus
   O. armatus(紅柄木犀)
   O. cooperi(寧波木犀) 『中国本草図録』Ⅲ/1327
   O. delavayi(山桂花・管花木犀) 『雲南の植物Ⅰ』202
   O. didymapetalus(離瓣木犀)
   ナンゴクモクセイ O. enervius 
臺灣に分布
   ヒイラギモクセイ O.×fortunei
   モクセイ O. fragrans
     ギンモクセイ var.fragrans(var.latifolius;木犀桂花;E.Fragrant olive)
     キンモクセイ var. aurantiacus(var.aurantiacus f.aurantiacus;丹桂)
       シロモクセイ f. leucanthus
       ウスギモクセイ f. thunbergii(O.intermedius, O.aurantiacus var.thunbergii,
          O.fragrans var.thunbergii;銀桂) 
花色は淡黄色、熊本・鹿児島産
       一に、ウスギモクセイを O.fragrans、ギンモクセイを O.asiaticus とする。
   ヒイラギ O. heterophyllus(O.ilicifolius,O.aquifolium;柊樹)
   O. ilicifolius → O. heterophyllus
   シマモクセイ
(ナタオレノキ) O. insularis(O.hachijoensis, O.zentaroanus)
     ヤナギバモクセイ var. okinawensis(O.okinawensis)
   ヤエヤマヒイラギ O. iriomotensis
   リュウキュウモクセイ O. marginatus(O.sinensis,O.bracteatus;月桂)
   O. matsumuranus(牛矢果)
   オオモクセイ O. rigidus
   O. yunnanensis(O.forrestii;野桂花・雲南山桂花) 『雲南の植物Ⅱ』209 
 
 ヨーロッパでクリスマスに飾るセイヨウヒイラギ Ilex aquifolium は、モチノキ科モチノキ属 Ilex(冬靑屬;E.holly)の植物であり、モクセイの仲間とは関係が無い。
 中国では、歴史的に桂(ケイ,gui)と呼ばれてきた植物は、香りのある樹木の、ある一群である。すなわち、
   *モクセイ科モクセイ属
(上述)、及び
   *クスノキ科クスノキ属 Cinnamomum
(樟 zhang 属)
の樹木の一部を指す。
 
(日本産のカツラや、ヨーロッパ産のゲッケイジュ(ローレル・ローリエ)は、漢語の桂とは関係ない。) 
 このほか、中国の伝説では、月に桂の木があると伝え、これを歴史的に月桂(ゲッケイ,yuegui)と呼んできた。伝説上の空想であり、植物学的には意味が無い。
 しかし唐代ころから、地上に現実に存在する、香り高いある種の樹木を 月桂と呼ぶようになった。その習慣が今日に及んだものが、月桂 Osmanthus marghinatus や細葉月桂 Cinamomum chingii などの名である。
 李時珍『本草綱目』
(ca.1596)木34 月桂を見よ。
 近代になってから、ヨーロッパのハーブとしてベイリーフ Bay leaf(E.laurel;F.laurier) Laurus nobilis が伝えられると、本来の桂とは関係ない(同じクスノキ科だが 属が異なる)にもかかわらず、これに月桂(ゲッケイ,yuegui)の名を附した。日本でも、漢名によってこれをゲッケイジュ(月桂樹)と呼ぶ。
 
(このように、今日の中国では、月桂の名に三つの植物、Osmanthus marginatus、Cinnamomum chingii 及び Laurus nobilis があてられている。)
 日本でかつら(桂)と呼ばれてきた植物は、カツラ科のカツラ(オカツラ) Cercidiphyllum japonicum(及びヤブニッケイ(メカツラ) Cinnamomum japonicum)。中国の桂(ケイ,gui)とは関係ない。
 日本のカツラについては、カツラの訓を見よ。
 
 漢方・日本薬局方でケイヒ(桂皮,guipi)と呼ばれるものは、トンキンニッケイ Cinamomum cassia の樹皮。
 『礼記』「内則」に、周代の君主の日常の食物の一として桂を記す。


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