辨 |
ショウガ科 Zingiberaceae(薑 jiāng 科)には、約50属 約1100-1200種がある。
Aframomum(椒蔻屬) 熱帯アフリカ・マダガスカル産
キフゲットウ(ハナミョウガ)属 Alpinia(山薑屬)
アモムム属 Amomum(豆蔲屬・砂仁屬)
A. dealbatum(長果砂仁) 雲南・ヒマラヤ・インドシナ産
A. dolichanthum(長花豆蔲) 広西産
A. gagnepainii(A.thyrsoideum;長序砂仁) 廣西・ベトナム産
A. kwangsiensis(廣西豆蔲・廣西砂仁) 廣西・貴州産
A. longipetiolatum(Elettariopsis longipetiolata;長柄豆蔲) 廣西・ベトナム産
マラプー A. maximum(Cardamomum maximum;九翅豆蔲・九翅砂仁) インドシナ産
A. odontocarpum(波翅豆蔲) 廣西・インドシナ産
A. maximum(九翅豆蔲)
兩廣・雲南・チベット・ヒマラヤ・インド・インドシナ・ジャワ・ニューギニア産
A. mengtzense(蒙自砂仁) 雲南産
A. odontocarpum(波翅豆蔲) 廣西・インドシナ産
A. putrescens(腐花豆蔲) 廣西産
A. sericeum(銀葉豆蔲) 雲南産
A. subulatum(Cardamomum subulatum;香豆蔲・尼泊爾豆蔲)
廣西・雲南・チベット・ヒマラヤ産 『週刊朝日百科 植物の世界』10-179
Aulotandra 熱帯アフリカ・マダガスカル産
Boesenbergia(Curcumorpha; 凹唇薑 āochúnjiāng 屬) 東南アジア・マレーシアに約50種
Burbidgea(短唇薑屬) ボルネオ産
Camptandra(彎葯薑屬) マレー半島・ボルネオ産
Caulokaempferia(Pyrgophyllum; 大苞薑屬) 漢土(東部・南部)・東南アジア・東インドに分布
C. coenobialis(Monolophus coenobialis;黄花大苞薑) 兩廣産
Cautleya(距葯薑屬) 四川・貴州・雲南・マレーシア・ヒマラヤ・インドに約2-5種
C. gracilis(Roscea gracilis;距葯薑) 雲南・四川・チベット・シッキム・インドに分布。
『週刊朝日百科 植物の世界』10-186
C. spicata(C.petiolata, C.robusta, Roscea spicata)
四川・貴州・雲南・シッキム・ネパールに分布
Cornukaempferia(角山柰屬) インドシナに5種
ウコン属 Curcuma(Paracautleya; 薑黃屬) 熱帯アジアに約40種が分布
Cyphostigma(折花薑屬)
Distichochlamys(岐苞薑屬)
ショウズク属 Elettaria(綠豆蔲屬)
Elettariopsis(地豆蔻屬)
トーチジンジャー属 Etlingera(茴香砂仁屬) 約70種
Achasma, Geanthus, Nicolaia 3属を統合。
トーチジンジャー E. elatior(火炬薑 huǒjùjiāng) タイ・マレーシア産
E. littoralis(Achasma megalocgelios,Amomum littorale;紅茴砂 hónghuíshā)
E. yunnanensis(Achasma yunnanense; 茴香砂仁 huíxiāng shārén)
中国の雲南省西雙版納特産、『中国本草図録』Ⅴ/2429・『週刊朝日百科 植物の世界』10-179
Gagnepainia(玉鳳薑屬)
Geocharis(齒絲薑屬)
Geostachys(地穗薑屬)
Globba(舞花薑屬) インド・東南アジアに約70種が分布
Haniffia(馬來薑屬)
Haplochorema(展唇薑屬)
ハナシュクシャ属 Hedychium(Brachychilum; 薑花屬)
Hemiorchis(蘭花薑屬)
Hitchenia(薑黃花屬)
Hornstedtia(大豆蔲屬)
H. hainanensis(大豆蔲 dàdòukòu) 広東産
H. scyphifera マレーシア産
H. tibetica(西藏大豆蔲) チベット産
バンウコン属 Kaempferia(山奈屬)
Kedhalia
ソウカ(草果)属 Lanxangia(草果 căoguŏ 屬)
L. scarlatina(Amomum Scarlatinum;紅花砂仁) 雲南・ミャンマー産
ソウカ L. tsao-ko(Amomum tsao-ko, A.hongtsaoko; 草果)
『中国本草図録』Ⅹ/4952・『週刊朝日百科 植物の世界』10-176
廣西・貴州・雲南・インドシナ産 『中薬志Ⅱ』365-367 『全国中草葯匯編』上/611-612
L. tuberculata(Amomum tuberculatum;德保豆蔲) 廣西産
Laosanthus(禾葉薑屬)
Leptosolena(細管薑屬)
トゲミシュクシャ属 Meisteria
トゲミシュクシャ M. aculeata(Amomum aculeatum, A.aurantiacum;)
M. chinensis(Amomum chinensis;海南假砂仁・海南土砂仁) 海南島・インドシナ産
M. gagnepainii(Amomum gagnepainii;長序砂仁) 廣西・ベトナム産
M. koenigii(Amomum koenigii;野草果 yěcăoguŏ) 廣西・雲南・アッサム・インドシナ産
M. muricarpa(Amomum muricarpum;疣果豆蔲・疣果砂仁)
兩廣・インドシナ・フィリピン産 『中国本草図録』Ⅱ/0937
Myxochlamys
Nanochilus(矮唇薑屬)
Newmania
Parakaempferia(腎葯薑屬)
Plagiostachys(偏穗薑屬)
P. austrosinensis(偏穗薑)
Pleuranthodium(垂序薑屬)
Pommereschea(直唇薑屬)
P. lackneri(直唇薑)
P. spectabilis(短柄直唇薑)
Renealmia(艶苞薑屬)
Rhyncanthus(喙花薑屬)
R. beesianus(喙花薑・岩薑・滇高良薑) 雲南・ビルマ産 『中国本草図録』Ⅲ/1445
Riederia
Roscoea(象牙參屬) 四川・雲南・ヒマラヤに約18種
R. alpina(高山象牙參) 雲南・インド(北部)産、『中国本草図録』Ⅷ/3948
R. auriculata(耳葉象牙參)
R. capitata(頭花象牙參)
R. cautleyoides(早花象牙參) 雲南産、『雲南の植物』44
R. humeana 中国(四川・雲南)産
R. purpurea(象牙參) 雲南・チベット・シッキム・ビルマ産
『中国本草図録』Ⅸ/4441・『雲南の植物』47・『週刊朝日百科 植物の世界』10-186
R. schneideriana 四川・雲南・チベット産、『雲南の植物』45
R. scillifolia 雲南産、『雲南の植物』45
R. tibetica(藏象牙參・土中聞) 四川・雲南・チベット産
『中国本草図録』Ⅷ/3949・『雲南の植物』46
R. yunnanensis(滇象牙參・雲南象牙參)
Scaphochlamys(紋山柰屬)
Siamanthus(角果薑屬)
Siliquamomum(長果薑屬)
S. tonkinense(長果薑)
Siphonochilus(管唇薑屬)
Smithatris(叉唇薑屬)
Stadiochilus(圍絲薑屬)
Tamijia(貼蕊薑屬)
Vanoverbergia
ビャクズク属 Wurfbainia(砂仁屬)
ショウガ属 Zingiber(薑屬)
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ショウガ属 Zingiber(薑 jiāng 屬)には、熱帯アジアに約100種がある。
Z. atrorubens(川東薑)
Z. cammuner(野薑)
Z. cochleriforme(匙苞薑・地蓮花) 廣西産 『中国本草図録』Ⅶ/3437
Z. corallinum(珊瑚薑) 漢土(南部)産
Z. emeiense(峨嵋薑・累心花) 『中国本草図録』Ⅶ/3438
アカホオオショウガ Z. fairchildii
タイワンミョウガ Z. kawagoii(Z.koshunense;毛薑) 臺灣産
Z. letorrhizum(細根薑)
Z. lingynense(烏薑)
ミョウガ Z. mioga(蘘荷)
Z. nudicarpum(光果薑)
ショウガ Z. officinale(薑・生薑) 『中国本草図録』Ⅱ/0942
Z. roseum(紅冠薑)
オオヤマショウガ Z. spectabile 熱帯アジア産
Z. striolatum(陽荷・野薑・陰藿) 江西・兩湖・兩廣・四川・貴州産 『中国本草図録』Ⅹ/4953
Z. tuanjunm(團聚薑)
ハナショウガ Z. zerumbet(紅球薑) インド原産、広く観賞用に栽培。
『中国本草図録』Ⅱ/0943
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訓 |
和名ハジカミについては、サンショウを見よ。 |
漢名は薑(キョウ, jiāng)。薑を姜(キョウ, jiāng)と書くのは、現代中国における簡体字(発音が共通することに基づく)。
ただし、姜の字自体は歴とした正字として存在し、地名・人名に用いる(ショウガとは無関係)。 |
漢語で生薑(セイキョウ,shēngjiāng)とは 乾薑(カンキョウ,gānjiāng)に対する語で、漢語では「なまショウガ」、乾薑は「干しショウガ」の意であるが、日本では生薑(しょうが)の語を以てその植物そのものを指す。
生薑の漢音はセイキョウだが、平安初の音写によりショウガと読み慣わす。ただし漢方では、ショウキョウと読む。 |
『本草和名』乾薑に、「和名久礼乃波之加美」と。
『倭名類聚抄』に、薑は「和名久礼乃波之加美」と、生薑は「久礼乃波之加三、俗云阿奈波之加美」と、乾薑は「和名保之波之加美」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』22(1806)生薑に「クレノハジカミ和名鈔 ハジカミ セウガ ハナハジカミ和名鈔」、乾薑に「ツチハジカミ古歌 今ハ通名」と。 |
属名 Zinziber は、サンスクリット語「角形の sringaver」に起源、根茎の形から、という。
一説に、漢名薑 zing と、アラビア語「袋 bila」の合成語、という。 |
説 |
熱帯アジアド原産、ただし野生種は見出されていない。
古くから東アジア(中国では長江流域以南)・東南アジアで栽培されている。中国では、『論語』『史記』に載る。 |
日本へ伝来した時期は不明だが、平安時代初には利用されていた。 |
ヨーロッパには、1世紀初に入る。 |
誌 |
根茎を母薑と呼んで薬用・調味料・食用にし、嫩葉を子薑・紫薑と呼び、蔬菜として食用にする。 |
根茎は薬用品にし、中国では乾燥品を干薑、新鮮なものを生薑と区別する。『中薬志Ⅰ』pp.361-362 『全国中草葯匯編』上/567-588
日本では、生薬カンキョウ(乾姜)は ショウガの根茎を湯通し又は蒸したものである。生薬ショウキョウ(生姜)は ショウガの根茎で、ときに周皮を除いたものである(第十八改正日本薬局方)。 |
『礼記』「内則」に、周代の君主の日常の食物の一として薑を記す。 |
日本でも中国でも、臭いの強いものとして五辛の一。
五辛とは、韮(ニラ)・葱(ネギ)・蒜(ニンニク)・薤(ラッキョウ)・薑(ショウガ)を指す。
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賈思勰『斉民要術』(530-550)に、「種薑」が載る。 |
日本では、『古事記』『日本書紀』に、神武天皇「久米の歌」に、「かきもと(垣下)に う(植)ゑしはじかみ(椒)」と詠われているはじかみは、一説にショウガ、一説にサンショウ。 |