らっきょう (辣韮・辣韭)
学名 |
Allium chinense (A. bakeri) |
日本名 |
ラッキョウ |
科名(日本名) |
ヒガンバナ科 |
日本語別名 |
ナメミラ、オオミラ |
漢名 |
藠頭(キョウトウ,jiàotóu) |
科名(漢名) |
石蒜(セキサン,shísuàn)科 |
漢語別名 |
蕎頭(キョウトウ,jiaotou)・蕎菜・蕎子・藠子、薤(カイ,xiè)・薤頭、火葱(カソウ,huocong)・野葱、野蒜 |
英名 |
Rakkyo, Chiaotou |
2007/04/19 薬用植物園 |
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2006/10/28 同上 |
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2023/11/09 同上 |
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辨 |
似た野生品に、ヤマラッキョウ A. thunbergii がある。 |
ネギ属 Allium(葱 cōng 屬)については、ネギ属を見よ。 |
訓 |
和名ラッキョウは、漢名辣韭・辣韮(ラツキュウ,làjiŭ)の音の転訛。韭・韮は、ニラ。
また別名オオミラのミラは、ニラ。
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『本草和名』及び『倭名類聚抄』薤に、「和名於保美良」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』22 薤に、「オホミラ和名鈔 サトニラ古名 ラツキヤウ タマムラサキ新校正 ワカムラサキ花戸 ランキヤウ筑前、根名」と。 |
漢名の藠(キョウ,jiào)は、ラッキョウの根(鱗茎)を表す会意文字。
別名を火葱というのは、種を収めるときに 火にふすべることから。 |
英名は、和名から。 |
説 |
漢土(長江流域以南)原産。日本・四川・貴州・雲南・インドシナ・インド等で栽培。
鱗茎を調味料・蔬菜・薬用にする。 |
誌 |
中国では、ラッキョウなどの鱗茎を薤白(カイハク,xièbái)と呼び、薬用にする。ノビルの誌を見よ。『中薬志Ⅰ』pp.511-514 『全國中草藥匯編 上』 pp.920-921 |
中国では、『爾雅』釋草に次のようにある。
蒮(イク,yù)、山韭(サンキュウ,shānjiŭ)。茖(カク,gé)、山蔥(サンソウ,shāncōng)。葝(ケイ,qíng)、山■{『諸橋』12,No.43260。薤と同}(サンカイ,shānxiè)。蒚(レキ,lì)、山蒜(サンサン,shānsuàn)。
〔今山中多有此菜。皆如人家所種者。茖葱(カクソウ,gécōng)、細莖大葉。〕
文中、韭は、ニラ Allium tuberosum(韭菜)、
葱は、ネギ Allium fistulosum(葱)、
茖は、ギョウジャニンニク Allium victorialis ssp. platyphyllus(茖葱)、
■・薤は、ラッキョウ Allium chinense;A.bakeri(藠頭)、
山蒜は、ノビル Allium macrostemon(薤白)か。 |
賈思勰『斉民要術』(530-550)に「種薤」が載る。 |
仏教では、『梵網経』下などに 僧侶が食うべからざる五つの臭みのある蔬菜を 五辛・五葷として挙げる。すなわち大蒜(オオニンニク)・茖葱(ニラ)・慈葱(ネギ)・蘭葱(ニンニクの一種)・薤(ラッキョウ)・興渠(アギ,阿魏,セリ科の Ferula fukanensis)など。 |
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