うり科 (瓜科)

辨  ウリ科 属名一覧


誌 

 ウリ科 Cucurbitaceae(葫蘆 húlu 科)には、主として熱帯・亜熱帯に97-98属 約975-990種がある。

  ゴキヅル属 Actinostemma(盒子草屬)
 東亜~インドに7種 
    ゴキヅル A. tenerum(A.lobatum;盒子草)
和名は合器蔓
         
 北海道・本州・四国・九州・朝鮮・遼寧・華北・華東・湖南・四川・廣西・臺灣・
         インドシナに分布。本草綱目啓蒙14上/361 

  トウガン属 Benincasa(冬瓜屬)

  Bolbostemma(假貝母屬)
    B. biglandulosum(刺兒瓜)
雲南産 
    B. paniculatum(Actinostemma paniculatum;假貝母・土貝母)
         
華北・山東・陝甘・湖南・四川産 『全國中草藥匯編 上』pp.37-38
         『中薬志Ⅰ』pp32-34 『(修訂)中葯志 』I/310-312

  Bryonia(瀉根屬)
 ヨーロッパ~インドに約10種
    B. alba
地中海地方原産、根を薬用
    B. cretica
地中海地方産 果実は有毒、根を薬用

  Cayaponia
 アフリカ・中南米に約75種 

  スイカ属 Citrullus(西瓜屬)

  ヤサイカラスウリ属 Coccinia(紅瓜屬)
アジア・アフリカの熱帯・亜熱帯に約30-50種 
    ヤサイカラスウリ C. grandis(C.indica;Ind.Bimba,蘋婆píngpó;
         Ch.紅瓜) 兩廣・雲南・インド・ビルマ・タイ・マレーシア・アフリカ産。
         果実は赤熟する。インドでは赤く美しい唇を 蘋婆果に譬える。

  キュウリ属 Cucumis(黃瓜屬)

  カボチャ属 Cucurbita(南瓜屬)

  バクダンウリ属 Cyclanthera(小雀瓜屬) 
南北アメリカに約30-45種
    ヤセイキュウリ C. pedata(小雀瓜;E.Caihua, Achoccha, Koria,
         Wild cucumber)
カリブ海地方原産、メキシコ乃至ボリビアで栽培。

  オキナワスズメウリ属 Diplocyclos(毒瓜屬)

  テッポウウリ属 Ecballium(噴瓜屬)
1属1種
    テッポウウリ E. elaterium(噴瓜)
地中海地方乃至漢土西部に分布 

  Gerrardanthus(睡布袋屬)

  Gomphogyne(錐形果屬)
 漢土・東南亜・ヒマラヤに約7種 
    G. cissiformis(錐形果)
雲南・インドシナ・ヒマラヤ・マレーシア・インドネシア産 

  アマチャヅル属 Gynostemma(絞股藍屬)

  Hemsleya(雪膽屬)
 漢土・インドシナ・ニューギニアに約26種 
    H. amabilis(曲蓮)
 雲南産 『全国中草葯匯編』上/734-435 
    H. breipetioolata(短柄雪膽) 『全国中草葯匯編』上/734-435
    H. chinensis(雪膽)
江西・湖北・四川産  『全国中草葯匯編』上/734-435 
    H. macrosperma(大仔雪膽) 『全国中草葯匯編』上/734-435
    H. panlongqi(盤龍七)
 四川産 
    H. sphaerocarpa(蛇蓮)
 湖南・廣西・貴州産 
    H. zhejiangensis(浙江雪膽) 浙江産 

  Herpetospermum(波稜瓜屬)
雲南・ミャンマー・ヒマラヤに約4種 
    H. darjeelingensis(Edgaria darjeelingensis;三稜瓜)
チベット・ヒマラヤ産 
    H. pedunculosum(波稜瓜)
 雲南・チベット・ヒマラヤ産 

  Hodgsonia(油渣果屬)
 雲南・ヒマラヤ・東南亜に約2種 
    H. heteroclita(H.macrocarpa;油渣果)
廣西・雲南・ヒマラヤ・インドシナ産 

  Indofevillea(藏瓜屬)
 チベット・ヒマラヤ・ミャンマーに約2種 
    I. khasiana(藏瓜)
 チベット・アッサム産 

  ヒョウタン属 Lagenaria(葫蘆屬)

  ヘチマ属 Luffa(絲瓜屬)

  アメリカスズメウリ属 Melothria(蕃馬㼎兒屬)
熱帯・亜熱帯アメリカに約12種 
    ザラメキスズメウリ M. javanica
    アメリカスズメウリ M. pendula(美洲馬㼎兒)
    M. punctata(斑馬㼎兒)
『全國中草藥匯編 上』p.76
    M. scabra(拇指西瓜)

  ニガウリ属 Momordica(苦瓜屬)

  サンゴジュスズメウリ属 Mukia(帽兒瓜屬)
 旧世界の熱帯・亜熱帯に約3種 
    ザラメキスズメウリ M. javanica(爪哇帽兒瓜)
         
兩廣・雲南・臺灣・ベトナム・ジャワ・印度産 
    サンゴジュスズメウリ M. maderaspetana(Melothria maderaspetana;
         毛花馬㼎兒・野苦瓜・帽兒瓜)
         
琉球・臺灣・兩廣・四川・貴州・雲南及び広く旧世界の熱帯・亜熱帯に分布 

  ガンドウカズラ属 Neoalsomitra(棒錘瓜屬)
アジア熱帯・亜熱帯に約12種
    ガンドウカズラ N. clavigera(N.integrifolia;棒錘瓜)
         
臺灣・兩廣・雲南・チベット・ヒマラヤ・東南アジア・フィリピン産 

  ミヤマニガウリ属 Schizopepon(裂瓜屬)
 東アジア~ヒマラヤに約8種
    ミヤマニガウリ S. bryoniifolius(裂瓜)
         
北海道・本州・九州・南千島・朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・河北・シベリア東部に分布 
    S. dioicus(湖北裂瓜)
 陝西・兩・四川・貴州産 

  アレチウリ属 Sicyos(刺果瓜屬)

  Sinobaijiania(白兼果屬)
 臺灣・漢土南部・インドシナに約5種 
    S. decipiens(Baijiania decipiens)
海南島・雲南産 
    タイワンノウリ S. taiwaniana(Baijiania taiwaniana,
         Siratia taiwaniana. Thladiantha taiwaniana;
         臺灣白兼果・臺灣羅漢果)
臺灣産 
    S. yunnanensis(Baijiania yunnanensis, Siraitia yunnanensis)
 雲南産 

  Siraitia(羅漢果屬)
 旧世界の熱帯に約4種 
    S. borneensis(無鱗羅漢果)
 廣東・雲南・タイ・マレーシア産 
    ラカンカ S. grosvenorii(Momordica grosvenori;
         羅漢果 luóhànguŏ・光果木鼈)
湖南・兩廣・貴州産 果実を薬用 
         果実を薬用 『(修訂) 中葯志』iii/455-457 『全国中草葯匯編』下/382
    S. siamensis(Thladiantha siamensis;翅子羅漢果)
 廣西・雲南・インドシナ産 

  テングスズメウリ属 Solena(茅瓜屬)
 アフガニスタン~漢土に約4種 
    テングスズメウリ S. heterophylla(Melothria heterophylla;
         茅瓜・異葉馬㼎兒・杜瓜・土白蘞)『中国本草図録』Ⅵ/2861
         『全國中草藥匯編 上』pp.75-76,301 『(修訂)中葯志 』I/324-325
         
臺灣・福建・江西・兩廣・四川・貴州・雲南・チベット・インドシナ・インド・ジャワ産 

  オオスズメウリ属 Thladiantha(赤瓟屬)
 東アジア・マレーシア・インドに約25種
    オオスズメウリ
(キバナカラスウリ・ヒメカラスウリ・ノウリ) T. dubia(赤瓟,セキハク,chìbó)
         
朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・華北・陝甘・寧夏産、北海道・本州に帰化
         
『全国中草葯匯編』下/310-311
    T. hookeri(T.pentadactyla;異葉赤瓟・粗莖羅鍋底) 
貴州・雲南・インドシナ産
         『全国中草葯匯編』上/734-435 また天花粉の代用
    T. punctata(臺灣赤瓟)
 華東・臺灣産 
    T. villosula(赤毛赤瓟・山墩)
四川・雲南産 『全国中草葯匯編』上/734-435

  カラスウリ属 Trichosanthes(栝樓屬)

  Zanonia(翅子瓜屬)
 漢土南部・熱帯アジアに1-2種 
    Z. indica(翅子瓜)
廣西・東南アジア・インド・インドネシア産 

  スズメウリ属 Zehneria(馬㼎兒屬) 
    
 和漢において、古来瓜と呼ばれてきたものは、マクワ Cucumis melo var. makuwa(甜瓜)である。マクワを見よ。
 「果菜というのは、未熟な果実を野菜として食べるものである。ウリやナスがその代表である。これは果実ではなく、だいたい煮て食べるものである。ところがスイカメロンは生食する果物のような品種がふつうになったし、キュウリは日本人は生で食べるものとおもいこんでいる。しかしキュウリでも中華料理やインド料理には煮る食べ方がある。スイカにはカレー料理に入れて煮て食べる専用品種が西パキスタンにあるし、また種子をとって食用にする専用品種がある。メロンのなかまでも、シロウリなどのごとくほとんど甘味のない品種群があって、漬物や料理にまわされる品種群がある。つまり果菜類は主に煮て食べるが、生食するものがすこしあり、また種子の方が目的のものがそうとうある。
 東南アジアにはこの果菜類に入るウリ類が非常に多い。トウガンはいま日本では消えかかっているが立派な果菜であるし、ヘチマは日本でも鹿児島県以南では食用にしており、インドなどでは重要な果菜として煮て食べている。日本のカラスウリのなかまはインドまでいくと、たいへんみごとなヘチマ状の栽培品種があって、上等な食べものである。・・・」
(中尾佐助『栽培植物と農耕の起源』1966、岩波新書)
 

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