すいか (西瓜) 

学名  Citrullus vulgaris (C.lanatus)
日本名  スイカ
科名(日本名)  ウリ科
  日本語別名  
漢名  西瓜(セイカ,xigua)
科名(漢名)  葫蘆(コロ,hulu)科
  漢語別名  寒瓜(カンカ,hangua)、水瓜
英名  Water melon, Sandia
2004/07/06 三芳町竹間沢
2005/07/11  三芳町竹間沢
2004/08/10 薬用植物園
   var. citroide は、果肉は白色、生食せず加工用。
 スイカ属 Citrullus(西瓜屬)には、熱帯アフリカ・アジアに5-9種がある。
   コロシントウリ C. colocynthus 
アフリカ北部乃至インド北西部産、果肉は有毒、種子を食用
   C. ecirrhosus 
アフリカ南部に分布
   スイカ C. vulgaris(C.lanatus; 西瓜) 
 ウリ科 Cucurbitaceae(葫蘆科)については、ウリ科を見よ。
 和名のスイカは、西瓜の音の転訛。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』
(1806)29西瓜に、「スイクハ唐音ノ転ナリ サイウリ大坂」と。
 漢名の西瓜は、西方語の音写ともいう(いかにも西方の異国から来た瓜と言うにふさわしい名だが)
 寒瓜は、冬まで保存しておけることから。
 仏名 melon d'eau・独名 Wassermelon は、英名と同じく「水の瓜」。
 熱帯アフリカ原産。エジプトでは、4000年前から栽培されていた(種子を食用)
 紀元頃にギリシアに伝わり、17世紀初に中部ヨーロッパに、中頃にアメリカに入る。
 中国には、10世紀に西域から種子を持ち帰り、栽培。
 日本への渡来は、必ずしも定かではない。南北朝時代(14c.)義堂周信に「西瓜に和する詩」がある。16世紀以前にあらためて九州に入り、諸国に広がったが、京都に入ったのは寛永(1624-1644)年間。関東に入ったのは更に後だが、江戸では評判が悪く、寛文(1661-1673)年間になって初めて下級武士たちが食うようになり、やがて大名にまで広まった。
 一般に普及したのは、あらためて優良品種が導入・開発された、明治大正以降のことである。
 中国では、渡来時から果実を生食するほか、のち調理用・薬用などにも供された。『中薬志Ⅱ』pp.111-113 
 果肉のほか、スイカの種を黑瓜子(コクカシ,heiguazi)・西瓜子(セイカシ,xiguazi)・瓜子兒(カシジ,guazer)と称し、日干しにするか炒るかして食用に供するが、これらは打瓜(ダカ,dagua)・籽瓜(シカ,zigua)・瓜子瓜(カシカ,guazigua)という 採種用の品種から採る。
 果実(西瓜)・根と葉(西瓜根葉)・果皮(西瓜皮)・種仁(西瓜子仁)・種皮(西瓜子殻)を薬用にするほか、中果皮を乾燥して西瓜翠(セイカスイ,xiguacui)と呼び、未成熟の果実を加工して西瓜霜(西瓜白霜,白色粉末)を作り、それぞれ薬用にする。また、大きなスイカの実の蔕を取って中身をくりぬき、中にニンニクの花を詰め、蔕で蓋をし、火の中で一日焼き、これを粉末にしたものを西瓜黑霜と呼び、これも薬用にする。
 范成大(1126-1193)「西瓜園」七絶に、「碧蔓は霜を凌いで軟沙に臥し、年来処処西瓜を食う。形は瓠落(カクラク)に模(ニ)て淡きこと水の如く、いまだ葡萄(ブドウ)苜蓿(モクシュク)もて誇るべからず」と。
 日本では、千利休(1522-1591)が飛喜百翁に招かれたとき砂糖をかけたスイカを出され、「百翁は人に饗応することをわきまへず」と門人に語ったという話が有名(柳沢淇園(1704-1758)『雲萍雑志』1843)

 飛喜百翁が利休を招きし時、西瓜に砂糖をかけて出しければ、利休砂糖のなき所を食ひて歸り、門人にむかひ、「百翁は人に饗應することをわきまへず、我等に西瓜を出せしが、砂糖をかけて出せり。西瓜を西瓜のうまみを持ちしものを、にげなきふるまひなり」とて笑ひ侍りき。(岩波文庫本              )
 17世紀には肥前・薩摩などで栽培していたが、江戸では西瓜は下品な食物であり、慶安事件(1651)で処刑された油井正雪の頭を連想させるとして嫌われた。
 「甘瓜(マクワウリ)の終りて後熟し、味よく暑気をさまし、酒毒を解し、渇きをやめ、多く食しても人にたゝらず、いさぎよき食物なり。たねに色々あり。じやがたらと云ふあり。肉赤く味勝れたり。是を専ら作るべし」(宮崎安貞『農業全書』1697)
 小林一茶(1763-1827)は、文化5年(1808)5月25日、上総から 故郷の信州柏原に帰るのに際して、川越街道を江戸から川越まで、一日かけて歩いた。途中、野火止の間宿で、
 野火留の里は、昔男の我もこもれりとありし所と聞くに、そのあたりに思はれてなつかしく、此辺西瓜を作る。
    瓜むいて芒(すすき)の風に吹かれけり
 

     農家のまひるは
     ひつそりと
     西瓜のるすばんだ
     大
(でつ)かい奴がごろんと一つ
     座敷のまんなかにころがつてゐる
       
(山村暮鳥「西瓜の詩」、『雲』(1925)より)
 

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