へちま  

学名  Luffa aegyptiaca (L. cylindrica)
日本名  ヘチマ
科名(日本名)  ウリ科
  日本語別名  トウウリ 
漢名  絲瓜(シカ,sīguā)
科名(漢名)  葫蘆(コロ,húlu)科
  漢語別名  水瓜(スイカ,shuigua)、天絡(テンラク,tianluo)、布瓜(フカ,bugua)
英名  Rag gourd, Smooth loofah, Discloth gourd, Sponge gourd
2007/07/26 神代植物公園

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2005/08  薬用植物園

  2016/09/10 埼玉県入間市
 
 

  2010/10/16 薬用植物園 
 

 ヘチマ属 Luffa(絲瓜 sīguā 屬)には、世界の熱帯に5-9種がある。
 栽培するものは次の2種のみ。

  トカドヘチマ L. acutangula(八稜絲瓜・粤絲瓜・稜角絲瓜・絲瓜絡・廣東絲瓜;
       E.Chinese okra, Angled loofah)
 食用・薬用、野生種の果実は苦い。
       中国南部~インドで栽培。『中国本草図録』Ⅱ/0860 『全國中草藥匯編 上』p.309
  ヘチマ
(トウウリ) L. aegyptiaca(L.cylindrica;絲瓜) 
   
 ウリ科 Cucurbitaceae(葫蘆 húlu 科)については、ウリ科を見よ。
 漢名絲瓜は、果実に糸状の繊維が発達することから。
 和名について。
 漢名の訓イトウリが訛って、トウリ、トウウリなどと変化した。「本品信州ニテとうりト云フ、とハいろはノへトちノ中間ニ在ル故へち間ノ意ニテ其和名ヲ生ゼシト謂フ」(『牧野日本植物図鑑』)。
 『大和本草』に、絲瓜{ヘチマ}と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』24 絲瓜に、「ヘチマ ナガウリ
薩州 トウリ信州」と。
 熱帯アジア(インドか)原産。漢土には元に、日本には江戸時代初期に入った。
   嫩果を蔬菜・漬物として食用にし、茎から採るへちま水を化粧水としあるいは薬用に供し、成熟した果実からへちまだわし(絲瓜絡,sigualuo)を作る。『中薬志Ⅱ』pp.242-245 
 中国では、ヘチマの果絡・葉・藤・根・種子を絲瓜(シカ,sīguā)と呼び薬用にする。 『中薬志Ⅱ』pp.242-245 『全國中草藥匯編 上』pp.308-309 『(修訂) 中葯志』III/322-325
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』24絲瓜に、「ヘチマノ水ハ、蔓ノ本地ヨリ一二尺ニ切瓶中ニ挿ミ入置ハ、水多出、甚ダ清白ナリ。俗ニ美人水ト云」と。
  「わかき時は料理にして食す。同じく漬物にして極めてよき物なり。老いて皮厚く、堅くなりたるを干して其後水に漬け置けば、肉くさり上皮のきて、其筋あらき布のごとく成りたるをもみ洗ひ乾し置き、是にて器物を洗へばたとひぬりたる物にても引きめも付かず、物のあかを能くとり、又湯手に用ひて甚だよし。うへ様雑瓜に同じ。垣にはゝせ、かや屋にはゝせたるよし。此瓜は痘(ほうそう)疹(はしか)の薬なり。其外にも功多し」(宮崎安貞『農業全書』1697)
   痰一斗へちまの水も間にあはず (正岡子規) 

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