しもくれん (紫木蓮) 

学名  Magnolia quinquepeta (M. liliflora)
日本名  シモクレン
科名(日本名)  モクレン科
  日本語別名  モクレン、モクレンゲ
漢名  辛夷(シンイ,xinyi)
科名(漢名)  木蘭(ボクラン,mulan)科
  漢語別名  紫玉蘭(シギョクラン,ziyulan)、木筆(ボクヒツ,mubi)、望春花、木蘭
英名  Lily tree, Lily magnolia, Purple magnolia
2007/03/28 調布市

 モクレン科 Magnoliaceae(木蘭科)は、現存する双子葉植物のうち最古の科。東アジアと北米大西洋岸に隔離分布する。約12-13属約230-240種がある。

   Alcimandra(長蕊木蘭屬)
   シキミ属 Illicium(八角屬)
 → シキミ科 Illiciaceae(八角科)
   サネカズラ属 Kadsura(南五味子屬)
 → マツブサ科 Schisandraceae(五味子科)
   Kmeria(單性木蘭屬)
   ユリノキ属 Liriodendron(鵝掌楸屬)
   モクレン属 Magnolia(木蘭屬)
   モクレンモドキ属 Manglietia(木蓮屬)
 25種
     M. aromatica(香木蓮)
     M. chingii(桂南木蓮・南方木蓮・山厚朴)
     M. crassipes(粗柄木蓮)
     M. duclouxii(鹽津木蓮)
     M. fordiana(木蓮・香港木蓮)
     M. forrestii(滇桂木蓮)
     M. glauca(灰木蓮)
     M. grandis(大果木蓮)
     M. hainanensis(海南木蓮)
     M. hookeri(中緬木蓮)
     M. insignis(紅花木蓮)
     M. kwangtungensis(廣東木蓮)
     M. megaphylla(大葉木蓮)
     M. moto(毛桃木蓮)
     M. pachyphylla(厚葉木蓮)
     M. patungensis(巴東木蓮)
     M. szechuanica(四川木蓮)
     M. yuyuanensis(乳源木蓮・木蓮果・狹葉木蓮)
   Manglietastrum(華蓋木屬)
   オガタマノキ属 Michelia(含笑屬)
   Parakmeria(擬單性木蘭屬)
   Paramanglietia(擬木蓮屬)
   Paramichelia(合果木屬・擬含笑屬)
     P. baillonii(合果木・假含笑)
   マツブサ属 Schisandra(五味子屬・北五味子屬)
 → マツブサ科 Schisandraceae(五味子科)
   ネッタイモクレン属 Talauma 
東南アジア・中央・南アメリカに約50種
     T. candollii
   Tetracentron(水靑樹屬)
     T. sinense(水靑樹)
   Tsoongiodendron(觀光木屬・宿軸木蘭屬)
     T. odorum(宿軸木蘭)
 
 モクレン属 Magnolia(木蘭屬)の植物には、一説に東アジアに20種・北米大西洋岸に7種がある。

   キモクレン M. acuminata
北アメリカ東部産
   M. albosericea(絹毛木蘭)
   M. amoena(天目木蘭)
   M. biloba(凹葉厚朴)
   M. biondii(M.fargesii,M.aulacosperma;望春玉蘭・望春花・辛夷・法氏辛夷・綫萼辛夷)
     
 『中国本草図録』Ⅴ/2102
   M. campbellii(滇藏木蘭・滇藏玉蘭)
ヒマラヤ産。『週刊朝日百科 植物の世界』9-112
   M. championii(香港木蘭)
 『雲南の植物Ⅲ』38
   シラタマモクレン
(トキワレンゲ) M. coco(夜合花・夜香木蘭・合歡花)
     
 『中国本草図録』Ⅵ/2609
   M. cylindrica(黄山木蘭)
   M. dawsoniana(康定木蘭)
   M. delavayi(山玉蘭・山厚朴)
『中国本草図録』Ⅰ/0070・『雲南の植物Ⅱ』45
   M. denudata → M. heptapeta
     サラサレンゲ var. purpurascens(M. diva;應春花・二月花)
   M. dorsopurpurea → M.×soulangeana
   M. elliptilimba(橢圓葉玉蘭)
   M. fargesii → M.biondii
   M. fistulosa(長葉木蘭)
   ヒメタイサンボク M. glauca
   M. globosa(毛葉木蘭)
   タイサンボク M. grandiflora(荷花玉蘭・洋玉蘭・大花木蘭・泰山木)
     
北アメリカ産。『中国本草図録』Ⅰ/0071
   M. henryi(大葉木蘭)
 『雲南の植物Ⅲ』38
   ハクモクレン M.heptapeta(M. denudata;玉蘭・木蘭・望春花・白木蘭・白玉蘭)
   ホオノキ M. hypoleuca(M.obovata;日本厚朴・和厚朴)
   M. kachirachirai(臺灣木蘭)
   コブシ M. kobus(M. praecocissima;日本辛夷・皺葉木蘭)
     キタコブシ var. borealis
   
M. liliflora → M. quinquepeta
   M. lotungensis(樂東木蘭)
   M. nitida(光葉木蘭)
   M. obovata → M.hypoleuca
   コウボク M. officinalis(厚朴)
 陝西・甘肅・四川・湖北。『中国本草図録』Ⅳ/1641
     var. biloba(凹葉厚朴)
   M. paenetalauma(長葉玉蘭)
 『中国本草図録』Ⅸ/4131
   M. pilocarpa(羅田玉蘭)
   コブシモドキ M. pseudo-kobus
徳島県産の三倍体種
   シモクレン(モクレン) M. quinquepeta(M.liliflora;紫花玉蘭・辛夷・紫玉蘭)
       
『中国本草図録』Ⅰ/0072
     トウモクレン
(ヒメモクレン) var. gracilis(陜葉紫玉蘭)
   M. rostrata(滇緬厚朴)
   タムシバ
(ニオイコブシ) M. salicifolia
   M. sargentiana(凹葉木蘭)
『中国本草図録』Ⅶ/3116
   M. sieboldii
     オオヤマレンゲ ssp. japonica
     オオバオオヤマレンゲ ssp. sieboldii(天女花・天女木蘭・小花木蘭)
       
 『中国本草図録』Ⅹ/4602
   M. sinensis(圓葉木蘭・華木蘭) 『中国本草図録』Ⅸ/4132
   ソトベニハクモクレン(ニシキモクレン) M.×soulangeana(M.dorsopurpurea;二喬玉蘭・
        朱砂玉蘭・蘇郎辛夷)
『中国本草図録』Ⅶ/3117・『週刊朝日百科 植物の世界』9-116
   M. sprengeri(武當玉蘭)

   シデコブシ M. stellata(星花木蘭・日本毛木蘭)
     ベニコブシ var. keiskei
   ヒメタイサンボク M. virginiana
北アメリカ東部原産
   ウケザキオオヤマレンゲ M.×wieseneri(M.×watsonii)
   M. wilsonii(西康玉蘭・天女花)
 『雲南の植物Ⅰ』54・『中国本草図録』Ⅶ/3118
     var. petrosa(枝子皮)
 『中国本草図録』Ⅶ/3119
   M. zenii(寶華玉蘭)
 
 和名モクレンは、漢語木蓮の音だが、漢名を木蓮(ボクレン,mulian,もくれん)という植物は モクレンモドキ属 Manglietia(木蓮屬)の常緑高木 Manglietia fordiana( 『中国本草図録』Ⅹ/4603)
 源順『倭名類聚抄』(ca.934)木蘭に「和名毛久良迩」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』
(1806)30に、「木蘭 モクレンゲ シモクレン」と。
 漢名を辛夷(シンイ,xinyi)というのは、このシモクレンである。日本で辛夷をコブシに当てるのは誤り。
 別名を木筆というのは、蕾の形から。
 木蘭・玉蘭の名については、ハクモクレンを見よ。
 属名 Magnolia は、フランスの植物学者マニョル Pierre Magnol(1638-1715)にちなむ。
 ハクモクレンとともに中国原産という。
 『中国高等植物図鑑』は湖北原産と言い、『中薬志Ⅲ』は湖北・安徽・浙江・福建一帯の原産だが、現在野生は比較的少ないという。
 日本には古くから薬用植物として渡来、のち庭木として栽培する。
 欧米には1790ころ日本からもたらされ、今日ではアメリカ合衆国のルイジアナ・ミシシッピ州の州花。
 雌雄異熟。雄蕊に先立ち、雌蕊が熟す。
 中国では、シモクレン・ハクモクレンM. biondii(M.fargesii,M.aulacosperma;法氏辛夷・綫萼辛夷)の花の蕾を、辛夷・望春花・木筆花・白花樹花・會春花・春花などと呼び、薬用にする。『中薬志Ⅲ』pp.319-323 西北では、樹皮を姜朴と呼び、薬用にする。『中薬志Ⅲ』p.437 
 唐の王維の輞川荘には辛夷塢と木蘭柴があった。その「辛夷塢」詩に、「木末の芙蓉の花、山中に紅萼を発す」と詠われているから、辛夷はやはりシモクレンであったろう。
 木筆から花を開くというので、明清には文人に愛好されたが、蕾が筆の形に似ているということは、トウモクレンのほうに顕著。
 『花壇地錦抄』(1695)巻三「辛夷(こぶし)のるひ」に、「木蓮花(もくれんげ) 木れんげ白れんげ共ニこぶしのるひ也。木れんげハ、花色黑むらさきにてうるさし」と。


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