こぶし 

学名  Magnolia kobus (M. praecocissima, Yulania kobus)
日本名  コブシ
科名(日本名)  モクレン科
  日本語別名  ヤマアララギ、コブシハジカミ
漢名  日本辛夷(ニホンシンイ,rīběn xīnyí)
科名(漢名)  木蘭(ボクラン,mùlán)科
  漢語別名  皺葉木蘭
英名  Thurber's magnolia, Kobus magnolia
2010/05/03 群馬県 浅間高原
2009/04/18 栃木県那須町 温泉(ゆぜん)神社
2007/03/26 新座市中野

   2007/03/21 秋ヶ瀬
2008/03/23 薬用植物園

2006/05/01 新座市中野
2007/04/06薬用植物園
2023/06/26 あきる野留原  2023/06/21 神代植物公園 

2005/09/23 昭和公園 2005/09/18 薬用植物園

2008/11/19 新座市中野
2006/11/19 山梨市

 変種にキタコブシ var. borealis がある。
 コブシの名を持つものとして ほかにシデコブシベニコブシが、コブシと酷似するものとしてタムシバがある。
 モクレン属 Magnolia(木蘭 mùlán 屬)の植物については、モクレン属を見よ。
 和名は、蕾の形が拳に似ることから(大言海など)。
 別名のヤマアララギ・コブシハジカミは、実が有毒で、噛むと辛いことから。
(あららぎはノビル、はじかみはサンショウ。) 
 古来 日本では漢名として辛夷(シンイ)を当てている。
 『本草和名』辛夷に、「和名也末阿良々岐」と。
 『倭名類聚抄』辛夷に、「和名夜末阿良々木、一云古不之波之加美」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』辛夷に、「ヤマアラゝギ和名鈔 コブシハジカミ同上 コブシ コボウシ越前 コボシ丹波」と。
 しかし漢名の辛夷(シンイ,xīnyí)は狭義にはモクレン(シモクレン) M.liliflora を指し、広義には一般にモクレン属の花を指す。他方、コブシは漢土には産しない。
 以上により、コブシに辛夷を当てるのは適切ではない。
 『日本国語大辞典 第二版』によれば、ヒキザクラはコブシの古名という。

    『本草和名』無夷に、「和名比岐佐久良、一名也尓礼乃美」と。 
 学名の種小名は、和名から。
 北海道・本州・九州・朝鮮(済州島)の温帯から温帯上部に自生。中国では靑島・杭州で栽培。
 葉・実を噛むと辛い。
 萼片は3個、披針形。花瓣は6個、へら状倒卵形。花の下に葉が一枚つく。
 材は器具を作るのに用い、炭は金銀の研磨に用いる。
 花から香水を作り、蕾を辛夷(シンイ)と呼び薬用にする。
 日本では、生薬シンイ(辛夷)は Magnolia biondii、ハクモクレン、Magnolia sprengeri、タムシバ又はコブシのつぼみである(第十八改正日本薬局方)。
 北国に春を告げる花であり、この花がさくと田仕事を始める指標であった。
 『花壇地錦抄』(1695)巻三「辛夷(こぶし)のるひ」に、「こぶし 花白、八重ひとへあり。葉ハかしわのごとし。一名を木筆共云。初ニ葉出ル時、かしら筆のごとし」と。ただし、木筆は漢土におけるシモクレンの異称。 

2007/03/21 秋が瀬
  花被が9枚あり、いずれもほぼ同長。これもコブシであろうか?



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