辨 |
アヤメ科 Iridaceae(鳶尾 yuānwěi 科)には、次のようなものがある。
ホザキアヤメ属 Babiana(狒狒草屬)
ザイフリアヤメ属 Chasmanthe(豁裂花屬)
ヒオウギズイセン属 Crocosmia(雄黃蘭屬・小蕃紅花屬)
サフラン属 Crocus(蕃紅花屬)
トラユリモドキ属 Cypella(杯鳶花屬)
チリメンアヤメ属 Ferraria(魔星蘭屬)
フリージア属(アサギズイセン属) Freesia(香雪蘭屬・蕃雪蘭屬) アフリカの熱帯・南アフリカに15種
Geosiris(地鳶尾屬)
トウショウブ属 Gladiolus(唐菖蒲屬)
チリアヤメ属 Herbertia(甁鳶花屬)
アヤメ属 Iris(鳶尾屬)
ヤリズイセン属 Ixia(谷鳶尾屬)
ヒメヒオウギ属 Lapeirousia(長管鳶尾屬)
イボクサアヤメ属 Libertia(麗白花屬)
Patersonia(延齡鳶尾屬)
アフリカヒメアヤメ属 Romulea(沙紅花屬) 地中海地方・アフリカ・中東に約90種
ニワゼキショウ属 Sisyrinchium(庭菖蒲屬)
Sparaxis(魔杖花屬)
トラユリ属 Tigridia(虎皮花屬)
Trimezia(豹紋鳶尾屬)
アカバナヒメアヤメ属 Tritonia(觀音蘭屬・鳶尾蘭屬)
ヒイロヒオウギ属 Watsonia(彎管鳶尾屬)
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アヤメ属 Iris(鳶尾 yuānwěi 屬)の植物には、広く北半球の温帯に200-300種がある。
I. anguifuga(單苞鳶尾)
I. barbatula(小髯鳶尾) 『雲南の植物』35
オオコガネアヤメ I. bloudowii(中亞鳶尾) 吉林・黑龍江・シベリア・中央アジア産
I. bucharica(Juno bucharica) 中央アジア産
I. bulleyana(西南鳶尾) 四川・雲南・チベット産 『雲南の植物Ⅰ』262・『雲南の植物』34
I. bungei(大苞鳶尾)
I. cathayensis(華夏鳶尾)
キバナチャボアヤメ I. chamaeiris(矮鳶尾)
I. chrysographes(金脈鳶尾)
I. clarkei(西藏鳶尾)
I. collettii(小棕包・小棕皮頭・高原鳶尾) 四川・雲南・チベット・ヒマラヤ・インドシナ産
『雲南の植物Ⅰ』263・『雲南の植物』32・『中国本草図録』Ⅴ/2426
I. confusa(扁竹蘭・藍花扁竹) 廣西・四川・雲南産 『雲南の植物Ⅱ』267・『中国本草図録』Ⅹ/4946
I. curviflora(彎葉鳶尾)
I. danfordiae トルコ原産。鱗茎性、Hermadactylus に入れることがある
I. decora(尼泊爾鳶尾) 四川・雲南・チベット・ヒマラヤ産
I. delavayi(長葶鳶尾) 四川・雲南・チベット産 『雲南の植物』33・『中国本草図録』Ⅷ/3947
ヒオウギモドキ I. dichotoma(野鳶尾・白射干・扁蒲扇・扁竹蘭・岐花鳶尾;
E.Vesper iris)『中国雑草原色図鑑』355
I. dolichosiphon 中国西南・チベット・ヒマラヤ産 『雲南の植物』36
ヒオウギ I. domestica
ハナショウブ I. ensata (I.ensata var.hortensis;玉蟬花・花菖蒲;E.Japanese iris)
ノハナショウブ var. spontanea(I.kaempferi;玉蟬花)
コガネアヤメ I. flavissima(黃金鳶尾) 黑龍江・モンゴリア・極東ロシア・シベリア産
ニオイイリス I. florentina (I. germanica var. florentina;香根鳶尾;E.Orris)
タイワンシャガ I. formosana(臺灣鳶尾) 臺灣産
I. forrestii(雲南鳶尾) 四川・雲南・チベット・ミャンマー産『雲南の植物』33
チャショウブ I. fulva
ドイツアヤメ I. × germanica(德國鳶尾;E.German iris) バルカン北東部産
ニオイアヤメ 'Florentina'(I.florentina)
I. goniocarpa(鋭果鳶尾) 陝甘・青海・四川・雲南・チベット・ヒマラヤ産 『雲南の植物』32
ヒメシャガ I. gracilipes
I. grijsii(花鳶尾)
I. goniocarpa(鋭果鳶尾)
ロッカクアヤメ I. halophila(喜鹽鳶尾)
甘肅・新疆・モンゴリア・シベリア・西&中央アジア・カフカス・東歐産
I. henryi(長柄鳶尾)
I. hermona イスラエル(ゴラン高原)産
I. histrioides トルコ原産
ダッチアイリス I. hollandica(E.Hollandica hybrids, Dutch iris)
シャガ I. japonica(蝴蝶花・扁竹根)
I. kemaonensis(庫門鳶尾)
ヒメネジアヤメ I. kobayashii(矮鳶尾)
キバナカキツバタ I. koreana
ネジアヤメ (バリン) I. lactea (白花馬藺・馬藺・馬蓮;E.Chinese iris)
カキツバタ I. laevigata(燕子花・老君扇)
イギリスアヤメ I. latifolia
I. latistyla(寛柱鳶尾)
I. leptophylla(薄葉鳶尾)
I. loczyi(天山鳶尾)
カラフトキショウブ I. maackii(烏蘇里鳶尾) 遼寧・黑龍江・ウスリー・樺太産
I. magnifica(Juno magnifica) 中央アジア産 『週刊朝日百科 植物の世界』9-303
マンシュウカキツバタ I. mandshurica(長白鳶尾) 朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・ロシア沿海地方産
I. mariae イスラエル・シナイ産 『週刊朝日百科 植物の世界』9-304
I. milesii(紅花鳶尾)
キンカキツバタ I. minutoaurea(小黃花鳶尾) 朝鮮・遼寧産
ナントウシャガ I. nantoensis
I. narcissiflora(水仙花鳶尾)
I. pallida(香根鳶尾・銀苞鳶尾) イタリア北部・バルカン北部産
I. pandurata(甘肅鳶尾)
I. polysticta(多斑鳶尾)
I. potaninii(卷鞘鳶尾)
I. proantha(小鳶尾)
キショウブ I. pseudacorus(黃菖蒲・菖蒲鳶尾;E.Water flag, Yellow flag,
Fleur-de-lis)
I. pseudocaucasica(Juno pseudocaucasica) カフカス・小アジア・イラン・イラク産
ナンキンアヤメ I. pumila
I. qinghainica(靑海鳶尾)
エヒメアヤメ(タレユエソウ) I. rossii(長尾鳶尾) 本州(中国)・四国・九州・朝鮮・遼寧産
ヒロハエヒメアヤメ var. latifolia
コカキツバタ I. ruthenica(細莖鳶尾・紫苞鳶尾)
var. nana(矮紫苞鳶尾) 『雲南の植物Ⅰ』262・『中国本草図録』Ⅶ/3432
コアヤメ var. uniflora(I.uniflora;單花鳶尾)
アヤメ I. sanguinea(溪蓀; E.Flag)
アヤメ var. sanguinea
シロアヤメ f. albiflora(白花溪蓀)
カマヤマショウブ var. violacea(I.thunbergii)
I. scariosa(膜苞鳶尾)
ヒオウギアヤメ I. setosa(山鳶尾) 『中国本草図録』Ⅹ/4948
ヒオウギアヤメ var. setosa
ナスノヒオウギアヤメ var. nasuensis
キリガミネヒオウギアヤメ var. hondoensis
シベリアンアヤメ I. sibirica(西伯利亞鳶尾) 『週刊朝日百科 植物の世界』9-301
モンゴリア・シベリア・小アジア・カフカス・歐洲産
I. sichuanensis(四川鳶尾)
I. songarica(准噶爾鳶尾)
ホンコンアヤメ I. speculatrix(小花鳶尾) 安徽・浙江・福建・兩湖・兩廣・四川・貴州産
I. spuria(擬鳶尾・歐洲鳶尾)
ssp. sogdiana ヨーロッパ・乃至中央アジア産、『週刊朝日百科 植物の世界』9-302
カンアヤメ I. stylosa
I. subdichotoma(中甸鳶尾)
イチハツ I. tectorum(鳶尾・藍蝴蝶;E.Roof iris)
イトバアヤメ I. tenuifolia(細葉鳶尾・細葉馬藺・老牛揣)『中国本草図録』Ⅸ/4433
華北・東北・西北・モンゴリア・西&中央アジア・歐洲ロシア産
フトネアヤメ I. tigridia(粗根鳶尾) 山西・東北・モンゴリア・シベリア産 『中国本草図録』Ⅸ/4434
モロッコアヤメ I. tingitana
ホクリョウアヤメ I. typhifolia(北陵鳶尾) 中国東北・内蒙古産 『中国本草図録』Ⅸ/4435
カンザキアヤメ I. unguicularis
I. uniflora(單花鳶尾) 『中国本草図録』Ⅹ/4949 朝鮮・中国東北・モンゴリア・極東ロシア・シベリア産
キツネアヤメ I. variegata
フクロネジアヤメ I. ventricosa(嚢花鳶尾)
河北・東北・西北・モンゴリア・ウスリー・ダフリア産
I. versicolor(變色鳶尾)
I. wattii(扇形鳶尾) 雲南・チベット・ヒマラヤ産 『雲南の植物』37
I. willmottiana(Juno willmottiana) 中央アジア産 『週刊朝日百科 植物の世界』9-303
I. wilsonii(黃花鳶尾)
I. winoradowii コーカサス原産
『週刊朝日百科 植物の世界』9-303
イングリッシュアイリス I. xiphioides(E.English iris)
スペインアヤメ (スパニッシュアイリス) I. xiphium 『週刊朝日百科 植物の世界』9-302
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訓 |
和名アヤメは文目の意、葉が並んだようすから。(ただし、むかし「あやめ」と呼んだものはショウブであるから、「あやめ」の語源はショウブに関わる。)
日本語のあやめという言葉の歴史は、あやめの訓を見よ。 |
科・属の漢名 鳶尾は、イチハツに因む。語義はイチハツを見よ。 |
学名の属名 Iris は、ギリシア語の「虹」から。 |
説 |
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誌 |
あやめの文化史は、ショウブ・セキショウ及びアヤメを見よ。 |
ギリシア神話に出てくるスパルタの美少年ヒュアキントス Hyacinthus は、アポロンに愛せられたが、アポロンが投げた円盤にあたって死んだ。そのときに流れた血から赤い花が生え、それをヒュアキントスと呼んだという。その花は、ヒエンソウ・グラジオラス・アイリスなどと想像されている。 |