辨 |
ハナショウブは、ノハナショウブ I. ensata var. spontanea(玉蟬花) の園芸品種、日本で江戸時代から開発されてきた。
基本種名 I. ensata は、そのような一園芸品種に対してつけられたもの。var. spontanea(野生の)に対して、var. hortensis(庭園に栽培する)とすることがある。
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アヤメ属 Iris(鳶尾 yuānwěi 屬)の植物については、アヤメ属を見よ。 |
訓 |
ショウブとアヤメの呼称の問題については、アヤメを見よ。 |
説 |
日本原産。 |
誌 |
はなしょうぶ(花菖蒲)という言葉は、平安末にはあったらしい。西行(1118-1190)『山家集』に、
櫻ちる やどをかざれる あやめをば はなさうぶとや いふべかるらん
(「高野の中院と申所に、あやめ葺きたる房の侍けるに
櫻のちりけるがめづらしくおぼえて、よみける」)
ただし、ここに「あやめ」とはショウブを指す。菖蒲は、「さうぶ」と読んだ。 |
『花壇地錦抄』(1695)巻四・五「草花 夏之部」に、「花菖蒲るひ」が載る。
『大和本草』に、「花菖蒲(ハナシヤウブ)」と。 |