はなしょうぶ (花菖蒲) 

学名  Iris ensata (I. ensata var. hortensis)
日本名  ハナショウブ 
科名(日本名)  アヤメ科
  日本語別名  ハナアヤメ
漢名  紫花鳶尾
科名(漢名)  鳶尾(エンビ,yuanwei)科
  漢語別名  
英名  Japanese iris
2005/06/13 跡見学園女子大学新座キャンパス

『改訂増補牧野新日本植物図鑑』(1984)・『日本の野生植物』(1981)などによれば、
 ハナショウブは、ノハナショウブ(野花菖蒲) I. ensata var. spontanea の園芸品種、日本で江戸時代から開発されてきた。
 基本種名 I. ensata は、そのような一園芸品種に対してつけられたもの。var. spontanea
(野生の)に対して、var. hortensis(庭園に栽培する)とすることがある。乃ち、
   ハナショウブ I. ensata(I. ensata var. hortensis)
     ノハナショウブ I. ensata var. spontanea
   ネジアヤメ
(バリン) I. lactea(I.pallasii var. chinensis)

 なおかつての『増補版 牧野日本植物図鑑』
(1955)によれば、
   はなしゃうぶ I.ensata var.hortensis(I.kaempferi var.hortensis)
     のはなしゃうぶ I.ensata var.spontanea, I.kaempferi var.spontanea)
   ねぢあやめ
(ばりん) I.pallasii var.chinensis(I.ensata var.chinensis;蠡實・馬藺) 
中国の書物には次のように記され、やや混乱が見られる。
 『植物学大辞典』
(戦前の商務印書館版)は、
   I. ensata var. chinensis(蠡實・馬藺;ネヂアヤメ)
   I. laevigata(燕子花;カキツバタ)
     var. kaempferi(玉蟬花;ハナシャウブ・日本名「花菖蒲」)
 『中薬志』
(1959)は、
   I. pallasii var. chinensis(I.ensata var.chinensis, I.lactea var. chinensis, I.lactea ssp.chinensis;馬藺,バリン,malin)
 『全国中草薬匯編』『中薬大辞典』はこれを踏襲
 『中国高等植物図鑑』(1976)は、
   I. ensata(I.lactea var.chinensis, I.pallasii;馬藺・馬蘭)
   I. kaempferi(花菖蒲
・玉蟬花)
 『花卉詞典』はこれらを踏襲
 『中国本草図録』Ⅲ/1441(1993)は次のものの写真を載せる。
   I. ensata(馬藺;ハナショウブ)
 ネジアヤメの写真であろう
 『中国雑草原色図鑑』
(2000)は、次のものの写真を載せる。
   I. lactea var. chinensis(馬藺;和名なし)
p.355 ネジアヤメの写真であろう
   I. ensata(紫花鳶尾・玉蟬花;ハナショウブ)
p.356 ノハナショウブとはやや姿形が異なる 
 アヤメ属 Iris(鳶尾屬)の植物については、アヤメ属を見よ。
 ショウブとアヤメの呼称の問題については、アヤメを見よ。
 ノハナショウブは、日本・朝鮮・中国(東北)・シベリア東部に分布。
 はなしょうぶ(花菖蒲)という言葉は、平安末にはあったらしい。西行(1118-1190)『山家集』に、

   櫻ちる やどをかざれる あやめをば はなさうぶとや いふべかるらん
     (「高野の中院と申所に、あやめ葺きたる房の侍けるに
      櫻のちりけるがめづらしくおぼえて、よみける」)

 ただし、ここに「あやめ」とはショウブを指す。菖蒲は、「さうぶ」と読んだ。
 『花壇地錦抄』(1695)巻四・五「草花 夏之部」に、「花菖蒲るひ」が載る。

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