ぶな (橅・椈) 

学名  Fagus crenata (F.undulata)
日本名  ブナ
科名(日本名)  ブナ科
  日本語別名  ホンブナ、シロブナ、ソバ・ソバノキ・ソバグミ・ソバグルミ・ソバグリ
漢名  圓齒水靑棡(エンシスイセイコウ,yuánchĭ shuĭqīnggāng)
科名(漢名)  殻斗(カクト,kédŏu)科
  漢語別名  
英名  Siebold's beech
2009/07/11 京都府立植物園
2006/12/03 神代植物公園

 ブナ科 Fagaceae(殻斗 kédŏu 科)には、7-8属 約900-1000種がある。

   クリ属 Castanea(栗屬)

   シイ属 Castanopsis(錐屬)

   ブナ属 Fagus(水靑棡屬)

   オニガシ属 Lithocarpus(柯屬)

   コナラ属 Quercus(櫟屬) 
約450種
     アカガシ亜属 subgen. Cyclobalanopsis(靑棡亞屬)
     コナラ亜属 subgen, Quercus(櫟亞屬)

   カクミガシ属 Trigonobalanus(輪葉三稜櫟屬) 
雲南・東南アジア・南米に3種
     T. doichangensis(三稜櫟) 雲南・タイ産
     T. excelsa(高大三稜櫟)
コロンビア産
     カクミガシ T. verticillata(輪葉三稜櫟)
ボルネオ産、1961発見 
    
 ブナ属 Fagus(水靑棡 shuĭqīnggāng 屬)には、北半球の温帯に約10種がある。

  F. chienii(錢氏水靑棡)
四川産 
  ブナ
(ホンブナ・シロブナ) F. crenata(F.undulata;圓齒水靑棡)
  エングラーブナ F. engleriana(米心水靑棡・米心樹)
 秦嶺以南・五嶺以北に産 
  アメリカブナ F. grandifolia(F.americana)
北米東部産 
  タイワンブナ
(ハヤタブナ) F. hayatae(臺灣水靑棡) 臺灣・浙江・湖北・四川産
  イヌブナ(クロブナ) F. japonica(日本水靑棡)
  ナガエブナ F. longipetiolata(F.sinensis;水靑棡・長柄山毛欅)
秦嶺以南・五嶺以北に産
  テリハブナ F. lucida(亮葉山毛欅・光葉水靑棡)
長江北岸以南・五嶺以北産
  タケシマブナ F. multinervis(F.japonica var.multinervis)
  ヨーロッパブナ F. sylvatica(歐洲水靑棡・山毛欅) 
    オリエントブナ subsp. orientalis(F. orientalis) カフカス産
    
 ブナ属の漢別名は山毛欅(サンモウキョ,shānmáojŭ)。
 漢名を靑棡(セイコウ,qīnggāng)と呼ぶものはカシの仲間、就中アラカシを指す。  
 日本では、ブナの漢字に椈・橅を当てるが、誤り。漢語の椈(キク,jú)は柏(ハク,băi)の別名、即ちコノテガシワ。橅(ボ,mó;フ,fŭ)は植物名ではない。 
 「和名ぶなノ意不明、ほんぶなハぶなノ正品ナレバ云ヒ、白ぶなハ樹皮灰白色ナレバ云ヒ、そば・そばのき・そばぐり・そばぐるみハ其實稜角(そば)アレバ云フ」(『牧野日本植物圖鑑』)。
 属名は、ギリシア語 phagein(食う)により、果実が食えることから。
 北海道(渡島半島)・本州・四国・九州(鹿児島県高隈山)に分布。
 本州中部では、海抜500-1500mの区域に生ずる。
 実は、炒って食える。
 
  小さなる矩形の鉢に朝よひに橅の幼木
(をさなぎ)は冬木立なす
  山毛欅の樹
(き)はふとぶとと枝持ちながらこの山中(やまなか)に年経(ふ)りて居り
     
(1941,齋藤茂吉『霜』)
 

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