きんま

学名  Piper betle
日本名  キンマ
科名(日本名)  コショウ科
  日本語別名  
漢名  蒟醬(クショウ,jujiang)
科名(漢名)  胡椒(コショウ,hujiao)科
  漢語別名  蔞葉(ロウヨウ,louye)・蔞子(ロウシ,louzi)、青蒟(セイク,qingju)・蒟子、檳榔蔞・檳榔蒟、蘆子・大蘆子、荖葉・荖藤、大風藤
英名  Betel piper,Betel vine,Betel,Sirih
2007/03/04 薬用植物園 (温室)
『中国本草図録』Ⅴ/2038参照

 コショウ属 Piper(胡椒屬)の植物については、コショウ属を見よ。
 和名キンマは、タイ語のキンマークからか。
 タイ語で キンは噛む、マークはビンロウ(檳榔)。キンマークは いわゆるキンマ噛み betel chewing を言う。これが日本では転じ訛って、キンマ噛みの材料を入れるタイ
(ことにはチェンマイ)製の漆器を キンマ・キンマ手(きんまで)と呼び、金馬と書いた。(この漆器は、江戸時代の茶人に香箱として重宝がられた。)
 さらに転じて、キンマはキンマ噛みの材料の一である Piper betle を指すことになり、その漢名である蒟醤の字を キンマと読むことになったものであろう。
 深江輔仁『本草和名』(ca.918)蒟醤に、「和名多々比」と。
 漢名の蒟醤は、実で味噌を作ることから。
 インドネシア或いはマレーシア原産。一説に、臺灣(高雄・綠島・蘭嶼)には自生(『臺灣薬用植物誌』)
 南アジア・アフリカなどで栽培。中国では、兩廣・雲南・臺灣などで栽培する。
 葉に辛味があって 芳香油を含み、ビンロウ(檳榔)の実を包んで噛む(キンマ噛み)のに用いる。
 蔓は 薬用にする。
 ビンロウ Areca catechu の未熟の果実(betel nut)の胚乳を2-4に割り、石灰をまぶして、キンマの葉で包み、これを口中で噛む習慣を、キンマ噛み betel chewing と呼ぶ。好みにより、タバコタマリンドカルダモンウイキョウなどを調味することがある。
 初めは味は苦く渋く、ビンロウの実の成分が石灰と反応して 口中は真紅に染まるが、これをいったん吐き出してなお噛み続けると、アレコリンやキンマの精油成分の作用により 気分が爽快になる、という。ただし、唇と歯茎はまっかになって腫れ、歯は歯石によって黒く染まる。
 キンマ噛みの習慣は、紀元前よりインド・東南アジア・オセアニアの各地で行われてきた。
 嵆含『南方草木状』などに檳榔と合せて食うと記される扶留藤(フリュウトウ,fuliuteng)は、このキンマであろうといい、また別物ともいう。
 漢方で、全草・茎・葉・種子などを薬用にする。

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