さねかずら (実蔓) 

学名  Kadsura japonica (Uvaria japonica)
日本名  サネカズラ
科名(日本名)  マツブサ科
  日本語別名  ビナンカズラ(美男蔓)、ビジンソウ、ビンツケカズラ
漢名  紅骨蛇(コウコツタ,honggutuo)
科名(漢名)  木蘭(ボクラン,mulan)科
  漢語別名  南五味子(ナンゴミシ,nanwuweizi)、五味花、
英名  Scarlet kadsura
2007/02/08 野川公園自然観察園 2006/02/25 神代植物公園
2007/04/15 神代植物公園
2006/08/13 神代植物公園
2006/09/07 長瀞町
2006/10/19 神代植物公園
2007/12/26 小平市花小金井
2009/01/06 神代植物公園


 サネカズラ属 Kadsura(南五味子屬)には、東アジア・マレーシア・インドに約22種がある。
   K. angustifolia(狹葉南五味子・窄葉南五味子)
   K. coccinea(K.chinensis,K.hainanense;黑老虎・冷飯團・臭飯團・過山龍藤)
         『中国本草図録』Ⅹ/4600
   K. heteroclita(異形葉南五味子・大葉風沙藤・地血香)
 『雲南の植物Ⅲ』42・『中国本草図録』Ⅹ/4601
   K. induta(屏邊南五味子)
   K. interior(内南五味子・中間南五味子・鷄血藤)
 『中国本草図録』Ⅵ/2608
   サネカズラ K. japonica(南五味子・紅骨蛇)
   K. longipedunculata(K. petigera;南五味子・紅木香・紫金藤)
   K. oblongifolia(冷飯藤・飯團藤・吹風散)
   K. polysperma(多子南五味子) 
 マツブサ科 Schisandraceae(五味子科)については、マツブサ科を見よ。
 和名のビナンカズラは、茎から採る粘液を整髪に用いたことから。
 学名の属名は、日本語の蔓
(かずら)から。
 深江輔仁『本草和名』(ca.918)五味に、「和名佐禰加都良」と。
 源順『倭名類聚抄』
(ca.934)五味に「和名作禰加豆良」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』14(1806)五味子の条に、「サネカヅラ、一名ビンツケカヅラ
筑前 トロロカヅラ石州雲州 ビナンセキ伊州勢州 ビジンソウ大坂 ビナンカヅラ阿州讃州 クツバ勢州 フノリ土州 フノリカヅラ日州土州 オホスケカヅラ筑前 ビランジキ江州」と。
 日本の関東以西・臺灣・中国に分布すると言うが、『中国高等植物図鑑』等には載らない。
 枝の皮から採る粘液は、整髪のほか 製紙用の糊に用いた。
 
また、赤い果実を観賞するために 庭・垣根などに植栽する。
 『中薬志Ⅱ』pp.36-37によれば、略々次のように言う。中国で南五味子と呼ぶ生薬は、一般にはサネカズラ属の K.longepedunculata, K.petigera であると記されている。しかし現に南五味子として流通しているものは、マツブサ属 Schisandra(五味子屬・北五味子屬)の S.sphenanthes(華中五味子)の果実である。まして、一部の書にサネカズラを南五味子としているのは、そもそもサネカズラは中国には産しないのだから、当らない、と。
 なお、五味子・北五味子はチョウセンゴミシ Schisandra chinensis(五味子)。
 『万葉集』に「さなかづら」とあるのは サネカズラの古名、ただし一説にアケビ

   玉くしげ みむろの山の さな葛 さ寝ずは遂に 有り勝つましじ
     
(2/94,藤原鎌足。別訓に第2句「見む円山(まとやま)の」)
   木綿畳
(ゆふたたみ) 田上山の さな葛 在り去りてしも 今ならずとも
     
(12/3070,読人知らず)
   足引の 山さな葛 もみつまで 妹にあはずや 吾が恋ひ居らむ (10/2296,読人知らず)
     
(この歌に詠われる山さなかづらは紅葉するので、一説にツタとする)

 また、「さねかづら」は、「あう」「遠い・長い」にかかる枕詞。

   ・・・狭根葛 後もあはむと・・・
(2/207,柿本人麻呂。ほかに、13/3280;3281など)
   さね葛 後もあはむと 夢のみに うけひわたりて 年は経につつ
(11/2479,読人知らず)
   木綿裹(ゆふつつみ) 白月山の さな葛(かづら) 後も必ず あはむとそ念(おも)
       (12/3073,読人知らず)
   ・・・さなかづら いや遠長く・・・
(13/3288,読人知らず)
 
 
   つれなきを 思ひしのぶの さねかづら はてはく(繰・来)るをも いとふなりけり      (よみ人しらず「女のもとにまかりたるに、はやかへりねとのみいひければ」)
   名にしおはば 相坂山の さねかづら 人にしられで く(繰・来)るよしも哉
     
(藤原定方(873-932),『後撰集』『小倉百人一首』)
 
 また、「さねかづら」は、「あう」「遠い・長い」にかかる枕詞。

   ・・・狭根葛 後もあはむと・・・
(2/207,柿本人麻呂。ほかに、13/3280;3281など)
   さね葛 後もあはむと 夢のみに うけひわたりて 年は経につつ
(11/2479,読人知らず)
   木綿裹(ゆふつつみ) 白月山の さな葛(かづら) 後も必ず あはむとそ念(おも)
       (12/3073,読人知らず)
   ・・・さなかづら いや遠長く・・・
(13/3288,読人知らず)
 
 『花壇地錦抄』(1695)巻三「藤桂のるひ」に、「五味子(ごみし・さねかつら) 葉ハもつこく(モッコク)のごとくにてやハらかなり。此葉ヲ鬢水ニ入テつかふに髪品(かみしな)うるハしく、赤キ毛黒く長クなるとて用る人多し。」ひなんせき共いふ。実赤クなる事、秋の比なり。葉は冬あり。此実は薬種の五味子なり」と。


棚作り   2009/11/06 京都府立植物園



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