つた (蔦) 

学名  Parthenocissus tricuspidata
日本名  ツタ
科名(日本名)  ブドウ科
  日本語別名  ナツヅタ、ツタモミジ、イタビカズラ、オオイタビ、ゴトウヅル、イワガラミ、ツタウルシ、マサキカズラ、サルナシ、テイカカズラ、ヘクソカズラ、サルオガセ
漢名  爬山虎(ハサンコ,pashanhu)
科名(漢名)  葡萄科、又は爬山虎科
  漢語別名  爬墻虎(ハショウコ,paqianghu)、地錦・三葉地錦(サンヨウチキン,sanye tijin)
英名  Japanese ivy, Boston ivy
2006/04/24 三芳町竹間沢
2005/05/26 跡見学園女子大学新座キャンパス
2004/11/04 同上

 ツタ属 Parhtenocissus(爬山虎屬)には、次のようなものがある。
   P. austro-orientalis(東南爬山虎)
 『中国本草図録』Ⅸ/4230
   アマミナツヅタ P. heterophylla(異葉爬山虎)
 日本(奄美・沖縄)・中国(安徽・浙江・福建・江西・兩湖・廣東)・臺灣・インドシナ・ジャワに分布。
   P. himalayana(三葉爬山虎・爬山虎) 中国(南部)・タイ・ビルマ・ヒマラヤ産
   P. penryana(紅葉爬山虎)
『中薬志Ⅲ』p.412
   アメリカヅタ P. quinquefolia
北アメリカ東部産
   P. semicprdata
ヒマラヤ産
   ツタ
(ナツヅタ) P. tricuspidata(爬山虎)
   P. thomsonii(粉葉爬山虎) 
 ブドウ科 VITACEAE(葡萄科)については、ブドウ科を見よ。
 和名は、伝うに由来。
 深江輔仁『本草和名』(ca.918)絡石に、「和名都多」と。
 源順『倭名類聚抄』
(ca.934)絡石に「和名豆太」と。
 すなわち、古くは「つた」という語は、ツタではなく、テイカカズラを指していた。
 日本(北海道・本州・四国・九州)・朝鮮・中国(吉林乃至廣東)に分布。世界中で観賞用に栽培する。
 中国では、一部の地方で茎葉を絡石藤と呼び、薬用にする。『中薬志Ⅲ』p.531 
 日本では、『万葉集』時代に、つたと呼ばれていた植物はテイカカズラ
 「這う蔦の」は、別れにかかる枕詞。『万葉集』に、

   ・・・延
(は)ふつた(蔦)の 別(わかれ)の数(あまた)・・・ (13/3291,読人知らず)
   ・・・はふつたの わかれにしより・・・
(19/4229,大伴家持)
 
 深江輔仁『本草和名』(ca.918)に、「千歳蘽汁、一名蘽蕪、一名蘡薁藤汁。和名阿末都良、一名止々岐」と。
 源順『倭名類聚抄』
(ca.934)に、「千歳蘽、蘇敬本草注云、千歳蘽、一名蘡薁藤〔蘡薁二音嬰育、和名阿末加豆良。俗用甘葛〕。得千歳者、華大如椀」と。なお、蘡薁はエビヅル
 室町時代以降に砂糖が普及するより前、甘葛(あまづら)を甘味料として用いた。人々は甘葛から汁を取って煮詰め、甘葛煎(あまづらせん)・味煎(みせん)などと呼んだ。
 甘葛と呼ばれた植物が何であったのか、諸説があるが、おそらくツタだという
(ほかにアマチャアマチャヅル説など)
 大和・紀伊の山間では 今日でもこれを砂糖の代りに用いる。ツタから甘葛を採るには、秋冬のころ ツタの蔓を地上1尺余のところで切断し、切口に容器を受けて樹液を採る。
 『枕草子』42段に、

   あてなるもの・・・
   創
(けづ)り氷(ひ)にあまづら入れて、あたらしき金鋺(かなまり)に入れたる・・・
      (今の私たちのかき氷の、王朝バージョンですね)。
 
 西行(1118-1190)『山家集』に、

   思はずに よしあるしづ
(賎)の すみか(住家)哉
      つたのもみぢを 軒には
(這)はせて
    
 (いやしかりける家につたの紅葉のおもしろかりけるをみて)
 

   まいら戸に蔦這ひかゝる宵の月 
(芭蕉,『猿蓑』1691)
   蔦の葉はむかしめきたる紅葉哉 
(芭蕉,1644-1694)
   桟
(かけはし)やいのちをからむつたかづら (同)
 

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