ぶどう (葡萄) 

学名  Vitis vinifera
日本名  ブドウ 
科名(日本名)  ブドウ科 
  日本語別名  ヨーロッパブドウ
漢名  葡萄(ホトウ,putao) 
科名(漢名)  葡萄科 
  漢語別名  蒲萄・蒲桃(ホトウ,putao)、馬乳(バニュウ,maru)、草龍珠(ソウリョウシュ,caolongzhu)
英名  Common grape, Wine grape, European grape
2005/04/26 新座市中野 2005/05/26 同左
2006/05/06 薬用植物園
2017/08/01 塩尻市
2006/06/22 薬用植物園
2004/07/03 新座市中野
2005/08/30 新座市野火止
2004/11/13 新座市中野

 ブドウ科 VITACEAE(葡萄科)には、次のような属がある。
   ノブドウ属 Ampelopsis(蛇葡萄屬)
   ヤブカラシ属 Cayratia(烏蘞梅屬)
   セイシカズラ属
(ヒレブドウ属) Cissus(白粉藤屬)
     C. adnata(貼生白粉藤)
     C. assamica(毛葉白粉藤)
     セイシカズラ
(青紫葛) C. discolor 1854ジャワ島で発見、日本には明治時代中ごろに渡来
     C. hexangularis(翅莖白粉藤)
     C. modecoides var. subintegra(白粉藤)
     ヒスイカク
(翡翠閣) C. quadrangularis アフリカ・マダガスカル・アラビア・インドに分布
   ウドノキ属 Leea(火筒樹屬)
     l. GUINEENSIS
     オオウドノキ L. indica(火筒樹・蕃姿■
{木偏に怨})
   ツタ属 Parthenocissus(爬山虎屬)
   ミツバカズラ属
(ミツバビンボウカズラ属) Tetrastigma(崖爬藤屬)
     ミツバビンボウヅル
(オモロカズラ) T. dentatum(T.formosanum, T.erubescens)
     T. erubescens
ベトナム北部産
     T. hemsleyanum(三葉崖爬藤・三葉靑・石老鼠・石猴子)
     T. hypoglaucum(狹葉崖爬藤)
     T. lanceolarium
寄生植物ラフレシア・アルノルディイの宿主
     T. obovatum(毛枝崖爬藤)
     T. obtectum(崖爬藤)
     T. pachyphyllum(厚葉崖爬藤)
     T. papillosum
     T. pedunculare
     T. planicaule(扁擔藤)
     T. pubinerve(毛脈崖爬藤)
   ブドウ属 Vitis(葡萄屬)

 上記のうち ウドノキ属 Leea(火筒樹屬)は、今では1科1属のウドノキ科 LEEACEAE として独立させる。中国では、旧に従いブドウ科に置く。 
 ブドウ属 Vitis(葡萄屬)の植物には、次のようなものがある。
   シラガブドウ
(チョウセンヤマブドウ) V. amurensis(山葡萄・野葡萄・黑水葡萄・山藤藤秧) 日本(岡山県・北海道)・朝鮮・中国(東北・河北・山西・山東)・アムール・ウスリー。『中国本草図録』Ⅳ/1739
   ケナシエビヅル V. austrokoreana
日本(対馬)・朝鮮
   V. balanseana (小果野葡萄) 
中国(兩廣・貴州)
   V. berlandieri 北アメリカに自生
   V. betulifolia (樺葉葡萄)
   V. bryoniaefolia (華北葡萄)
   V. chunganensis (東南葡萄)
   V. chungii (紅扁藤)
 中国(江西・福建・廣東)
   ヤマブドウ V. coignetiae
     タケシマヤマブドウ var. glabrescens
   V. davidii (刺葡萄・山葡萄)
 中国(河南・江蘇・安徽・浙江・江西・兩湖・四川・雲南)
   V. ficifolia (桑葉葡萄)
 『中国高等植物図鑑』は、V.adstricta とは別種とする
   サンカクズル
(ギョウジャノミズ) V. flexuosa (葛藟・野葡萄) 『中国本草図録』Ⅶ/3221
     ケサンカクヅル var. rufo-tomentosa
     ウスゲサンカクヅル var. tsukubana
   V. kelungensis
臺灣
   アメリカブドウ V. labrusca
 北アメリカ(メイン・ミシガン・テネシー・ケンタッキー・ジョージアなど)
     V. labruscana
アメリカブドウと他種を交雑した改良品種群
   V. piasezkii (復葉葡萄・麻羊藤)
 中国(陝西・山西・河南・四川)
     var. pagnucci (少毛葡萄))
   キイルンブドウ V. quinqueangularis(V.pentagona;毛葡萄・五角葉葡萄)
 日本(西表島・臺灣・)中国(陝西・甘肅・江蘇・安徽・浙江・江西・湖北・廣西・四川・雲南・貴州)
   V. riparia
北アメリカに自生
   クマガワブドウ V. romanetii(秋葡萄・黑葡萄)
 日本(鹿児島北部)・中国(甘肅・陝西・河南・江蘇・四川・貴州)
   V. rupestris 北アメリカに自生
   アマヅル(オトコブドウ) V. saccharifera
     ヨコグラブドウ var. yokograna
   エビヅル V. thunbergii(V.thunbergii var. adstricta,V.adstricta;V.ficifolia; 蘡薁・野葡萄)
一説に V.ficifolia は別種と
     シチトウエビヅル var. izu-insularis
   ブドウ(ヨーロッパブドウ) V. vinifera (葡萄・蒲陶・草龍珠)
 雌雄同株。
     var. silvestris
中央アジアに野生、雌雄異株。ヨーロッパブドウの祖先種とも言う。
   V. wilsonae (網脈葡萄・大葉山天蘿)
 中国(安徽・浙江・兩湖・四川・貴州) 
 なお、ノブドウはノブドウ属 Ampelopsis(蛇葡萄屬)に属し、実は食えない。
 漢名は、ペルシア語の大宛(フェルガナ)地方の方言ブウダウ budaw の音写、古くは蒲桃・蒲萄・蒲陶(音はいずれも putao)などと記され、宋代からは葡萄と記された(Laufer)。
 和名ブドウは、漢名葡萄の音の転訛。
 和語では、古くブドウの仲間(エビヅルヤマブドウなど)を、エビと呼んだ。エビヅルの訓を見よ。
 属名は、ラテン語の「ブドウ」、種小名は「ワインを生じるもの」。
 西アジア原産、今では世界中で栽培される果樹。
 中央アジア原産。古くから果樹として利用され、ca.3000B.C.にコーカサス・東地中海地方で栽培され始めた。
 葡萄酒は人類最古の酒、はやく『ギルガメシュ叙事詩』に歌われる。ブドウと葡萄酒は ca.1500B.C.にはギリシアに伝えられ、ローマを経て西ヨーロッパに広がった。
 中国には前漢頃に西域よりもたらされた。後世には、武帝の時代に かの張騫(?-114B.C.)によりもたらされたものと考えられた
 『史記』大宛
(タイエン,dawan。フェルガナ地方)列伝に、「大宛、匈奴の西南に在り。漢の正西に在り。漢を去ること万里可(ばか)り。其の俗、土着して田を耕し、稲麦を田る。蒲萄の酒有り。善き馬多し」と。
 『漢書』西域伝大宛国に、「大宛(フェルガナ)の左右、蒲陶を以て酒を為る。富人酒を蔵して万余石に至る。久しき者は数十歳に至るも、敗れず。俗は酒を耆(たしな)み、馬は目宿を耆む」と、また「漢の使、蒲陶・目宿の種を采(と)りて帰る。天子、天馬多く又た外国の使 来るもの衆きを以て、益々蒲陶・目宿を離宮・館旁に種え、望を極む」と。

 張華(232-300)『博物誌』に、「張騫、西域に使して還り、安石榴胡桃・蒲桃を得たり」と(賈思勰『斉民要術』10所引等)
 賈思勰『斉民要術』(530-550)巻4に、「蒲萄」が載る。
 『花壇地錦抄』(1695)巻三「藤桂のるひ」に、「葡萄(ぶだう) 大ふさ小ふさ二色有。大ふさハ長クさがりて吉」と。

   むらさきの葡萄のたねはとほき世のアナクレオンの咽を塞ぎき
     
(1938,齋藤茂吉『寒雲』)
   沈黙のわれに見よとぞ百房の黒き葡萄に雨ふりそそぐ
     
(1945,齋藤茂吉『小園』) 

   干葡萄ひとり摘み取りかみくだく食後のほどをおもひさびしむ
     
(北原白秋『桐の花』1913)
 
 古来、ギリシアの港町コリントス Korinthos(今日の Corinth)は、良質の種無し干し蒲萄を産出することで有名であった。これを14世紀のアングロノルマン語で raisins de Corauntz と呼び、今日の英語では単に currants と呼ぶ。
 今日栽培する品種には、次のようなものがある。
   マスカット・オブ・アレキサンドリア 
北アフリカ原産、古くから栽培
   ロザキ
 原産地不明
   フレーム・トーケー
 アルジェリア原産
   トムソン・シードレス
 小アジア原産、生食用乃至干葡萄用
   アルフォンス・ラバレー
(リビエール) 原産地不明
   ピツテロ・ビアンコ
   エンペラー
 原産地不明
   イタリア
 イタリアで育成
   マスカット・ハンブルグ
 イギリスで育成
   ネオ・マスカット
 日本で育成
   甲斐路
(甲州葡萄) 日本で育成

 また、アメリカブドウとの雑種には、次のようなものがある。
   巨峰
 日本で育成
   マスカット・ベリーA
 日本で育成 

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