あけび  

学名  Akebia quinata
日本名  アケビ
科名(日本名)  アケビ科
  日本語別名  アケビカズラ、アケビヅル、ゴザイカズラ
漢名  木通(ボクツウ,mutong)
科名(漢名)  木通科
  漢語別名  五葉木通、通草、野木瓜(ヤボクカ,yemugua)、八月瓜(ハチガツカ,bayuegua)・八月炸、羊開口(ヨウカイコウ,yangkaikou)
英名  Five-leaf akebia
2007/04/12 明治薬科大学薬草園
2004/03/15  三芳町竹間沢 2004/03/21 同左 2004/03/29 同左

2005/04/22 同上
2005/08/23  同上
 アケビ科 Lardizabalaceae(木通科)には、8属約30種がある。
   アケビ属 Akebia(木通屬)
   Archakebia 
中国に1種
   Decaisnea(猫兒屎屬)
 中国乃至ヒマラヤに1種
     D. fargesii(D.insignis;猫兒屎・矮杞樹・猫屎瓜・猫兒子)
        『週刊朝日百科 植物の世界』8-303
   Holboellia(鷹爪楓屬)
中国・インドシナ・ヒマラヤに5種
     H. coriacea(鷹爪楓)
     H. fargesii(五葉瓜藤・野人瓜・紫花牛姆瓜)
     H. grandiflora(牛姆瓜)
     H. latifolia(五風藤)
   Sargentodoxa(大血藤屬)
        
1属1種。独立してサルゼントカズラ科 Sargentocoxaceae とすることがある
     S. cuneata(大血藤・大活血・活血藤・紅藤・血藤)
        中薬志Ⅲ』pp.489-492、『週刊朝日百科 植物の世界』8-306
   Sinofranchetia(串果藤屬)
中国に1種
     S. chinense(串果藤)
『週刊朝日百科 植物の世界』8-303
   ムベ属 Stauntonia(野木瓜屬)
 
 アケビ属 Akebia(木通屬)には、次の5種がある。
   タイワンアケビ A. chingshuiensis(臺灣木通)
 臺灣産
   ホナガアケビ A. longeracemosa(長序木通) 臺灣産
   ゴヨウアケビ A.×pentaphylla
   アケビ A. quinata(木通・五葉木通)『中国本草図録』Ⅰ/0063
   ミツバアケビ A. trifoliata(三葉木通・八月炸)
      var. australis (白木通・三葉木通・八月瓜藤・八月櫨)『中国本草図録』Ⅰ/0064 
 ムベ Stauntonia hexaphylla は、一名トキワアケビとも呼ばれるが、別属。
 和名アケビは、一説に「開け実」の転訛、一説に「開けつび(つびは女性性器)」の転訛。
 僧昌住『新撰字鏡』(892)に、「■{艸冠に開}、開音、山女也。阿介比、又波太豆」と。和名抄に開は女陰と。
 深江輔仁『本草和名』(ca.918)通草に、「和名阿介比加都良」と。
 源順『倭名類聚抄』
(ca.934)に、蔔子は「和名阿介比」、通草は「和名阿介比加豆良」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』14下(1806)通草に、「アケビ
和名鈔 アケビカヅラ同上 アケビヅル タゝバ江州 タトバ越前 ギウスイサウ遠州 タンポポ同上 アケベ若州 ゴサイボヅル同上 ハダツカヅラ熊野 ハンダッカヅラ アクビ共ニ同上 テンタテコンホウ甲州 ヲドリバナ若州。以下花ノ名 女郎花同上 チヨチヨビ江州」と。
 漢名を野木瓜(ヤボクカ,yemugua)というものは、ムベの仲間。
 日本・朝鮮・中国に分布。
 果肉は甘く生食し、果壁は詰め物して炒めて食う。また蔓は強靭で、各種の細工に用いる。
 中国では、アケビ(木通)・ミツバアケビ(三葉木通)・白木通の果実を 八月炸(ハチゲツサク,bayuezha)・八月札(ハチゲツサツ,bayuezha)と呼び、その根を木通根と呼び、木質の茎を木通と呼び、種子を預知子(ヨチシ,yuzhizi)と呼び、それぞれ薬用にする。『中薬志Ⅱ』pp.427-431
 ただし、『中薬志Ⅲ』pp.468-478によれば、今日木通と呼ぶ生薬の原植物は混乱しているが、主として
   關木通 Hocquartia manshuriensis(Aristolochia manshuriensis;木通馬兜鈴)
   淮木通 Clematis armandi(小木通)
   白木通 Akebia trifoliata var. australis(白木通)
の三種であるとし、ただし各地で用いている他の多くの植物をもリストとして挙げている。
 日本では、アケビ又はミツバアケビの茎を木通(もくつう)・通草と呼び、薬用にする(日本薬局方)
 あけびのつるは、庭にあったのを千切ってきたものを、灰汁でよくゆがき、水につけてあくぬきしてある。これをだし汁につけて喰うが、しょうがをそえればなかなかの風味である。    (水上勉『土を食う日々』1978)
 一説に、『万葉集』に出る「狭野方(さのかた)」はアケビであるという。

   狭野方は 実に成らずとも 花のみに 開きて見えこそ 恋のなぐさ
(慰)
   狭野方は 実に成りにしを 今更に 春雨ふりて 花咲かめやも
      
(10/1928;1929,読人知らず)
   しな立つ 筑摩左野方・・・
(13/3323,読人知らず)

 また、『万葉集』に「さなかづら」とあるのは、通説ではサネカズラの古名、ただし一説にアケビ。サネカズラを見よ。
 西行(1118-1190)『山家集』に、

   ますらをが つまぎ
(爪木)にあけび さしそへて 暮ればかへる 大原のさと (寂然)
 
 『花壇地錦抄』(1695)巻三「藤桂のるひ」に、「通草(あけび) かつらなり。秋実あり。味ヒあまし。薬種の木通なり」と。
 
  通草
(あけび)の実ふたつに割れてそのなかの乳色なすをわれは惜しめり
     
(1938,齋藤茂吉『寒雲』)
  朝々に立つ市ありて紫ににほへる木通の実さへつらなむ
     
(1940「十月十八日十九日温海」,齋藤茂吉『のぼり路』)
  のがれ来てわが恋しみし蓁栗(はしばみ)も木通(あけび)もふゆの山にをはりぬ
     (1945,齋藤茂吉『小園』) 
 
シロバナアケビ cv. leucantha  2007/04/10 小石川植物園
 長瀞町郷土資料館に移築されている「旧新井家住宅」(国指定重要文化財)は、屋根裏のモヤに取り付けた竹をアケビづるで結んでいる、という。   (2006/09/07)

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