いぬまき (犬槙) 

学名  Podocarpus macrophyllus
日本名  イヌマキ
科名(日本名)  マキ科
  日本語別名  マキ、クサマキ(臭槙) 
漢名  羅漢松(ラカンショウ,luóhànsōng)
科名(漢名)  羅漢松(ラカンショウ,luóhànsōng)科
  漢語別名  土杉(ドサン,tushan)、羅漢杉(ラカンサン,luohanshan)
英名  Yew podocarpus, Longleaf podocarpus, Southern yew
2022/05/24 神代植物公園 

2005/06/13 跡見学園女子大学新座キャンパス


2006/10/29 宮崎神宮

 今日マキと通称する植物(即ち園芸品としてのマキ)には、次の二種がある。

  イヌマキ(クサマキ) マキ科 Podocarpus macrophyllus(羅漢松) 
  コウヤマキ(ホンマキ) コウヤマキ科 Sciadopitys verticillata(金松) 
   
 裸子植物については、裸子植物を見よ。
 マキ科 Podocarpaceae(羅漢松 luóhànsōng 科)には、世界に19属 約180種がある。

   Acmopyle
3種

   スギマキ属 Dacrycarpus(鷄毛松屬)
東南アジア・ニュージーランドに約9種
     D. imbricatus(Podocarpus imbricatus;
         鷄毛松・爪哇羅漢松・嶺南羅漢松・爪哇松)
         
廣西・雲南・インドシナ・マレシア産

   ウロコマキ属 Dacrydium(陸均松屬)
 フィリピン以南の太平洋沿岸地方に約20-25種
     リムノキ D. cupressinum
     D. frankinii
     D. pierrei(陸均松・臥子松・泪松・泪柏)

   Microcachrys
タスマニアに1種

   Microstrobos
2種

   ナギ属 Nageia(竹柏屬)

   Parasitaxus
ニューカレドニアに1種
     P. usta(Podocarpus ustus)
寄生植物

   エダハマキ属 Phyllocladus(葉枝杉屬)
フィリピン乃至ニュージーランドに約7種
     P. alpinus

   マキ属 Podocarpus(羅漢松屬)

   Saxegothaea
チリに1種 
    
 マキ属 Podocarpus(羅漢松 luóhànsōng 屬)には、約100種がある。

  コウトウマキ P. costalis(蘭嶼羅漢松・小葉羅漢松)
臺灣・フィリピン産
  リュウキュウマキ P. fasciculus(P.macrophylles var.liukiuensis)
琉球・臺灣産
  P. forrestii(P.macrophyllus subsp.forrestii;大理羅漢松・滇南羅漢松)
雲南産
  イヌマキ P. macrophyllus
    カクバマキ 'Tetragona'
    イヌマキ(クサマキ) f. angustifolius(f.spontaneus, var.liukiuensis;
         狹葉羅漢松・土杉)
    ラカンマキ f. macrophyllus(P.macrophyllus var. maki, 'Maki',
         P.chinensis;
         短葉土杉・短葉羅漢松・小葉土杉・小羅漢松)
         
葉が細く短く、上向きに密生する
    var. macrophyllus(羅漢松)
『全国中草葯匯編』下/381-382
  トガリバマキ P. nakaii(P.macrophyllus var.nakaii;臺灣羅漢松・百日靑)
臺灣産
  ナンバンイヌマキ(ヤママキ) P. neriifolius(P.philippinensis,
         P.fasciculatus;百日靑・脈葉羅漢松・瓔珞松・竹葉松)
         
臺灣・福建・浙江・江西・湖南・兩廣・四川・貴州・雲南・ヒマラヤ・インドシナ・マレシア産
        
 『雲南の植物Ⅲ』36・『中国本草図録』Ⅸ/4060
   
 和名のマキは、本来は真木の意で、古くは杉や桧などの仲間の総称。
 『倭名類聚抄』■{木扁に皮}に、「末木」と。  
 本州(関東以西)・四国・九州・琉球に分布。中国では野生は極めて少ないが、江蘇・安徽・浙江・福建・江西・湖南・兩廣・四川・貴州・雲南で観賞用に栽培。
 中国では、イヌマキ・ラカンマキの根・果実を、羅漢松と呼び薬用にする。
 槙の文化史は、コウヤマキをも見よ。
 『花壇地錦抄』(1695)巻三「冬木之分」に、「羅漢樹 葉かうやまきのごとく少黑ミ有。夏より秋の内、葉の間ニちさき実あり、宛(あたか)仏の形也。故ニらかんじゆト云」「いぬ槙 かうやまきのごとし。買(かふ)人、吟味有べし」と。
 
  み寺なる朝のいづみに槇の木実
(このみ)青きがあまた落ちしづみけり
    
(1930「昭和五年八月十三日朝、近江なる蓮華寺に著きぬ」,齋藤茂吉『たかはら』)
 

ラカンマキ    2022/05/24 神代植物公園 


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