かや (榧) 

学名  Torreya nucifera
日本名  カヤ
科名(日本名)  イチイ科
  日本語別名  
漢名  日本榧樹(ニホンヒジュ,rìběn fěishù)
科名(漢名)  紅豆杉(コウトウサン,hóngdòushān)科
  漢語別名  
英名  Japanese plum-yew, Japanese nutmeg tree, Japanese torreya
2006/02/11 神代植物公園
2005/03/02 氷川神社 (新座市大和田)
2006/10/19 神代植物公園
 イチイ科 Taxaceae(紅豆杉 hóngdòushān 科)の植物については、イチイ科を見よ。
 カヤ属 Torreya(榧 fěi 屬)には、6種がある。

  アメリカガヤ T. californica
  T. fargesii(巴山榧樹・球果杉・球果榧・崖頭杉・箆子杉)
  シナガヤ T. grandis(香榧・榧樹・野杉・玉榧)
『中薬志Ⅱ』pp.457-459
  カヤ T. nucifera(日本榧樹)
    チャボガヤ var. radicans
    ヒダリマキガヤ var. macrosperma
    コツブガヤ var. igaensis
    ハダカガヤ var. nuda
  T. yunnanensis(雲南榧樹)
 『雲南の植物Ⅰ』41 
   
 和名の語言に、二説がある。①木屑を焼いて蚊遣りに用いたことから。②材に芳香があることから、かへ(香重)の転。
 源順『倭名類聚抄』
(ca.934)榧子に、「和名加倍」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』
(1806)27榧実に、「カヤカヤリニ用ユ、故ニナヅク」と。
 本州(宮城以南)・四国・九州・済州島の暖帯林に分布。しばしば神社の境内に植えられている。
 大木の材からは、建築材・器具材・彫刻材などに用いるほか、柾目材からは高級な囲碁盤を取る。
 種子は、食用
(生でまたは炒って食う)・薬用にするほか、良質な油が取れるので天麩羅油・整髪油にする。カヤの実を食用にするのは先史時代に遡り、静岡県登呂遺跡からイネ・ヒエ・クルミ・クリ・トチなどとともにカヤの実が出土している。
 中国でも、シナガヤをほぼ同様に用い、材を橋梁・舟車に用い、種子を榧子と、油を香榧油と呼ぶ。
 『花壇地錦抄』(1695)巻三「冬木之分」に、「柏(かや) 葉形もミのごとし。吉野を上とす」と。

    かやの木山の
    かやの実は、
    いつかこぼれて、
    ひろわれて。

    山家のお婆さは
    いろり端、
    粗朶たき、柴たき、
    燈つけ。

    かやの実、かやの実、
    それ、爆ぜた。
    今夜も雨だろ、
    もう寝よよ。
    お猿が啼くだで、
    早よお寝よ。
       
(北原白秋「かやの木山の」1922)
 

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