かや (榧) 

学名  Torreya nucifera
日本名  カヤ
科名(日本名)  イチイ科
  日本語別名  ホンガヤ 
漢名  日本榧樹(ニホンヒジュ,rìběn fěishù)
科名(漢名)  紅豆杉(コウトウサン,hóngdòushān)科
  漢語別名  
英名  Japanese plum-yew, Japanese nutmeg tree, Japanese torreya
2006/02/11 神代植物公園
2023/09/13 同上 

2023/08/26 植物多様性センター 
2023/10/12 神代植物公園

2023/11/04 同上 
2006/10/19 同上


2005/03/02 氷川神社 (新座市大和田)

 イチイ科 Taxaceae(紅豆杉 hóngdòushān 科)の植物については、イチイ科を見よ。
 カヤ属 Torreya(榧 fěi 屬)には、6種がある。

  アメリカガヤ T. californica
  T. fargesii(巴山榧樹・球果杉・球果榧・崖頭杉・箆子杉)
  シナガヤ T. grandis(香榧・榧樹・野杉・玉榧)

  カヤ T. nucifera(日本榧樹)
    チャボガヤ var. radicans
    ヒダリマキガヤ var. macrosperma
    コツブガヤ var. igaensis
    ハダカガヤ var. nuda
  T. yunnanensis(雲南榧樹)
 『雲南の植物Ⅰ』41 
   
 和名の語言に、二説がある。①木屑を焼いて蚊遣りに用いたことから。②材に芳香があることから、かへ(香重)の転。
   『本草和名』柏實子人に「和名比乃美、一名加倍乃美」、榧實に「和名加倍乃美」と。
 『延喜式』榧子に、「カヘノミ」と。
 『倭名類聚抄』榧子に、「和名加倍」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』27 榧実に、「カヤ
カヤリニ用ユ、故ニナヅク」と。
 本州(宮城以南)・四国・九州・済州島の暖帯林に分布。しばしば神社の境内に植えられている。
 雌雄異株。
 大木の材からは、建築材・器具材・彫刻材などに用いるほか、柾目材からは高級な囲碁盤を取る。
 種子は、食用
(生でまたは炒って食う)・薬用にするほか、良質な油が取れるので天麩羅油・整髪油にする。カヤの実を食用にするのは先史時代に遡り、静岡県登呂遺跡からイネ・ヒエ・クルミ・クリ・トチなどとともにカヤの実が出土している。
 中国でも、シナガヤ T.grandis(香榧・榧樹・野杉・玉榧)をほぼ同様に用い、材を橋梁・舟車に用い、種子を榧子(ヒシ,fĕizĭ)と、油を香榧油と呼ぶ。『中薬志Ⅱ』pp.457-459 『(修訂) 中葯志』III/657-660
 よく似た木にイヌガヤがあるが、イヌガヤの実は苦くて食えない。 
 『花壇地錦抄』(1695)巻三「冬木之分」に、「柏(かや) 葉形もミのごとし。吉野を上とす」と。

    かやの木山の
    かやの実は、
    いつかこぼれて、
    ひろわれて。

    、、、。

    かやの実、かやの実、
    それ、爆ぜた。
    、、、。
       
(北原白秋「かやの木山の」より、1922)
 

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