こうやまき (高野槙) 

学名  Sciadopitys verticillata
日本名  コウヤマキ
科名(日本名)  コウヤマキ科
  日本語別名  マキ、ホンマキ、クサマキ(臭槙)、カラカサマツ、キンマツ(金松)
漢名  金松(jinsong)
科名(漢名)  杉(サン,shan)科
  漢語別名  日本金松(ribsnjinsong)
英名  Umbrella pine
2006/02/18 神代植物公園

2006/05/05 同上

2010/05/28 神代植物公園

2006/08/13 神代植物公園
 裸子植物については、裸子植物を見よ。
 コウヤマキ科 Sciadopityaceae コウヤマキ属 Sciadopitys の、1科1属1種の植物、日本特産。
 園芸にいうマキには、コウヤマキ(ホンマキ)イヌマキ(クサマキ)があるが、それぞれ別属別種。
 和名のマキは、本来は真木(まき)の意。古くはヒノキスギマツなど常緑針葉樹の総称、今日では コウヤマキとイヌマキを指す。
 コウヤは、高野山(和歌山県)の霊木であることから。
 日本原産。中国南部でも栽培されている。
 マキの材は、建築・器具などに用いる。樹皮は槙肌と呼び、舟・桶などの隙間の詰物に用いる。
 古くから有用な材の代表の一であり、スギ・ヒノキ・マキ(柀)・クスは素戔鳴命(すさのをのみこと)の毛から成ったという(『日本書紀』巻1「材木の起源」)
 また『日本書紀』巻3神武天皇即位前紀戊午9月に、東征の一場面として次の逸話が載る。すなわち、「又祈
(うけ)ひて曰(のたま)はく、「吾今当に厳瓫(いつへ)を以て、丹生之川に沈めむ。如(も)し魚(いお)大きなり小しと無く、悉(ふつく)に酔(ゑ)ひて流れむこと、譬(たと)へば柀(まき)の葉の浮き流るるが猶(ごと)くあらば、吾必ず能く此の国を定めてむ。如し其れ爾(しか)らずは、終(はた)して成る所無けむ」とのたまひて、乃ち瓫(いつへ)を川に沈む。其の口、下に向けり。頃(しばらく)ありて、魚皆浮き出でて、水の随(まにま)に噞喁(あぎと)ふ。時に椎根津彦(しひねつひこ)、見て奏す。天皇(すめらみこと)大きに喜びたまひて、乃ち丹生の川上の五百箇(いほつ)の真坂樹(まさかき)を抜取(ねこじ)にして、諸神(もろかみたち)を祭(いは)ひたまふ」とあり、註に「柀、此をば磨紀(まき)と云ふ」とある。
 『万葉集』では、真木は 檜・杉・松などの常緑樹の総称、とくにはスギを言う。
 文藝譜を見よ。 数例を挙げれば、

   ・・・ 績麻(うみを)なす 長柄(ながら)の宮に 真木柱 太高(ふとたか)敷きて
   食国
(をすくに)を 治め賜へば・・・
      
 (6/928,笠金村)
   安太へゆく 小為手
(をすて)の山の 真木の葉も 久しく見ねば 蘿(こけ)生しにけり
      
 (7/1214,読人知らず)
   しぐれの雨 間無くし零
(ふ)れば 真木の葉も 争ひかねて 色づきにけり
      
(10/2196,読人知らず)
   奥山の 真木の葉凌ぎ ふる雪の ふりは益すとも 地に落ちめやも
(6/1010,橘奈良麿)
   真木の上に ふり置ける雪の しくしくも 念ほゆるかも さ夜問え吾が背
      
(8/1659,他田広津娘子)
   奥山の 真木の板戸を 押し開き しえや出で来ね 後は何せむ
(11/2519,読人知らず)
 
 「真木さく」は、檜(ひのき)にかかる枕詞。
 西行(1118-1190)『山家集』に、

   山ふかみ まきのは
(葉)(分)くる 月かげは はげしき物の すごき成けり
 
 『八代集』には、

   村雨の 露もまだひぬ 槙の葉に 霧立ちのぼる 秋の夕ぐれ
    
(寂蓮、『新古今集』『百人一首』)
   時雨の雨 染めかねてけり 山しろの ときはの杜の 槙の下葉は
    
(能因、『新古今集』)
   まきの屋に 時雨の音の かはる哉 紅葉や深く 散りつもるらん
    
(藤原実房、『新古今集』)
 
 『花壇地錦抄』(1695)巻三「冬木之分」に、「高野槙 かうやまきハ、葉ほそく長ク付ク。いぬまき、らかんしゆといふ木、よく似たる物にて、世間の植木屋かうやまきと云て売る。ぎんミ有べし」と。
 いわゆる「木曾五木」の一、高野山「高野六木(ヒノキ・ツガ・モミ・アカマツ・スギ・コウヤマキ)」の一。

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