そらまめぞく (ソラマメ属) 

 マメ科ソラマメ属 Vicia(野豌豆屬)には、約150-160種がある。
 日本には、13種が自生し、広くソラマメを栽培し、数種が帰化している。

   ツルフジバカマ V. amoena(山野豌豆・宿根巣菜・宿根草藤・豆豆苗・蘆豆苗・山黑豆;
        E.Broad-leaf vetch)『中国雑草原色図鑑』118
   ノハラクサフジ V. amurensis(V.japonica ssp.amurensis;黑龍江野豌豆)
   カラスノエンドウ (ヤハズエンドウ) V. angustifolia(窄葉野豌豆・狹葉野豌豆・大巣菜・
        野綠豆;E.Narrowleaved vetch)
『中国雑草原色図鑑』119
   V. baicalensis(貝加爾野豌豆)
 『中国本草図録』Ⅸ/4203
   ミヤマタニワタシ V. bifolia(V.unijuga var.bracteata)
   V. bungei(三齒萼野豌豆・三齒草藤・山■豆
{サンリトウ};E.Bunge vetch)
        『中国雑草原色図鑑』120
   チョウセンエビラフジ V. chosenensis
   クサフジ V. cracca(廣布野豌豆・巣菜・草藤・細葉落豆秧・肥田草;
        E.Bird vetch, Cow vetch)
『中国雑草原色図鑑』120
   V. edentata(無萼齒野豌豆)
   ソラマメ V. faba(蠶豆・南豆・佛豆・胡豆;E.Fava bean, Broadbean, Horse bean,
        Windsor bean)
   ツガルフジ V. fauriei(V.venosa var.fauriei)
   V.gigantea(大野豌豆・野豌豆・大巣菜)
 『中国本草図録』Ⅰ/0142
   キバナカラスノエンドウ V. grandiflora
   スズメノエンドウ V. hirsuta(薇・苕・小巣菜・硬毛果野豌豆・雀野豆)
   ヒロハクサフジ (ハマクサフジ) V. japonica(東方野豌豆・日本野豌豆・透骨草)
        
中国では嫩葉を食用。『中国本草図録』Ⅴ/2170
     エゾヒロハクサフジ var. comosa
     ナガボヒロハクサフジ var. pallida(var.laxiracemis, V.amurensis var.pallida,
         V.woloschirovii)
   V. kulingiana (牯嶺野豌豆・紅花豆)
 『中国本草図録』Ⅶ/3187
   ヒナカラスノエンドウ V. lathyroides
   オニカラスノエンドウ V. lutea
   アレチノエンドウ V. monantha
   V. mulricaulis(多莖野豌豆・野毛耳・透骨草)
 『中国本草図録』Ⅴ/2171
   ヨツバハギ V. nipponica
     エダウチヨツバハギ var. ramosa
   V. nummularia(西南野豌豆・黄花野豌豆野馬豆)
   オオバクサフジ V. pseudo-orobus(假香野豌豆・大葉野豌豆・槐條花・大葉草藤・蘆豆苗)
        
 『中国本草図録』Ⅵ/2692
   V. ramuriflora(北野豌豆) 『中国本草図録』Ⅸ/4204
   オオカラスノエンドウ
(オオヤハズエンドウ) V. sativa(救荒野豌豆・大巣菜・野綠豆・
        野菜豆・野苕子;E.Common vetch)
        
 『中国本草図録』Ⅵ/2693・『中国雑草原色図鑑』119
     ヤハズエンドウ ssp. nigra(var.angustifolia, V.angustifolia var.segetalis,
         V.segetalis)
       ホソバヤハズエンドウ var. minor
   イブキノエンドウ V. sepium(野豌豆;E.Bush vetch)
   カスマグサ V. tetrasperma(四籽野豌豆・烏喙豆)
   ナンテンハギ (タニワタシ・フタバハギ) V. unijuga(歪頭菜・草豆・两葉豆苗)
   V. venosa(柳葉野豌豆) 
『中国本草図録』Ⅲ/1228
     ssp.cuspidata
       エビラフジ var.cuspidata(V.deflexa)
       シロウマエビラフジ var. glabristyla
       ヒメヨツバハギ var. subcuspidata
     ビワコエビラフジ ssp. stolonifera
     ホソバヨツバハギ ssp. venosa
     シコクエビラハギ ssp. yamanakae
   V. villosa
     ビロードクサフジ ssp. villosa(長柔毛野豌豆・毛葉苕子・毛茸苔子;
        E.Fodder vetch)
     ナヨクサフジ ssp. varia 
 マメ科 LEGUMINOSAE(FABACEAE;豆科)については、マメ科を見よ。
 そのマメ亜科 Papilionoideae(Faboideae;蝶形花亞科)乃至マメ科 Papilionaceae(Fabaceae;蝶形花科)については、マメ亜科を見よ。
 属名 Vicia は、vincire(巻きつく)から。
 
 『詩経』に「薇を采(と)り薇を采る」と詠われ、伯夷叔斉が「首陽山に隠れ、薇を采」った(『史記』伯夷叔斉伝)というその薇(ビ,wei)は、野豌豆の仲間だと言う。(古来これをゼンマイと訓ずるのは誤りと言う)。
 野豌豆属の葉と茎は、味が今日のとうみょう(豆苗・豌豆苗児)によく似て、古代には著名な蔬菜であった。生食も可能であり、またスープの具にもされた。蘇軾が詩に詠った元脩菜がこれであり、巣元脩が嗜んだのでこの名がある。同じ理由で一名を巣菜といい、今日の野豌豆属の一部の漢名に、それが遺っている。明代には、官により栽培されて、宗廟の祭祀に用いられた。
 若芽を蔬菜とするほか、種子を炒め物にして食い、また花を鑑賞するために栽培することもあった。
 『詩経』国風・召南・草虫に、「彼の南山に陟(のぼ)り、言(ここ)に其の薇を采(と)る」と。

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