そらまめ (空豆)
学名 |
Vicia faba (Faba vulgaris) |
日本名 |
ソラマメ |
科名(日本名) |
マメ科 |
日本語別名 |
ノラマメ(野良豆)、イササグサ(大角草) |
漢名 |
蠶豆(サントウ,cándòu,さんず) |
科名(漢名) |
豆(トウ,dòu)科 |
漢語別名 |
南豆(ナントウ,nándòu)、佛豆(ブツトウ,fódòu)、羅漢豆(ラカントウ,luóhàndòu)、胡豆(コトウ,húdòu)、靑刀豆(セイトウトウ,qīngdāodòu)、馬齒豆 |
英名 |
Broad bean, Fava bean, Horse bean, Windsor bean |
2007/04/09 三芳町竹間沢 |
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2022/05/20 八王子市元八王子 |
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辨 |
ソラマメ属 Vicia(野豌豆 yěwāndòu 屬)の植物については、ソラマメ属を見よ。
東アジアで栽培されている食用のマメについては、まめを見よ。 |
訓 |
「大和にて多く作るゆへ大和豆とも云ふ。西国にてはたう豆と云ふ」(宮崎安貞『農業全書』)。
「蠶豆(ソラマメ) 其實空(ソラ)ニ向フ故ニ名ツク、近世異邦ヨリ來故西土ニテハ唐豆ト云」(『大和本草』)。
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小野蘭山『本草綱目啓蒙』20(1806)蠶豆に、「ソラマメ ヤマトマメ和州 ナツマメ雲州備後 四月マメ阿州土州 五月マメ豆州駿州 アマメ土州 トウマメ西国濃州 フユマメ相州 ユキワリマメ下総 高野マメ豫州 トウノマメ筑前 テンヂクマメ中国 ノラマメ尾州 エンドウ藝州 ガンマメ勢州遠州」と。 |
漢名蠶豆は、『本草綱目』に「荳莢狀 老蠶の如し、故に名づく。王禎農書謂う、其の蠶の時 始めて熟す、故に名づくと、亦通ず」と。 |
説 |
種子の大きさにより、大粒種と小粒種がある。大粒種は北アフリカ原産、小粒種は中央アジア原産。
石器時代から利用とれ、古代エジプト・ギリシア・イタリア・中東で栽培。 |
中国には、一般的には、13世紀にアラブ人により雲南・四川にもたらされ、こんにち四川で佛豆・胡豆と呼ばれているものがそれだ、とする。
ただし、錢山漾(浙江省呉興)の新石器時代晩期の遺跡から、栽培植物化されたソラマメが、1956・1958年に出土した、という。 |
日本に入ったものは大粒種。
渡来の時期について二説ある。一説に、聖武天皇の天平8(736)年に、中国を経て渡来したインド僧が伝えたものを、僧行基が武庫(今の兵庫県)で試作したのが最初とされ、これが現在の品種於多福(おたふく)の始まりという。一説に、慶長(1596-1615)年間の渡来。 |
誌 |
中国では、花・果実・莢・葉・茎を薬用にする。 |
宮崎安貞『農業全書』(1696)に、「百穀に先き立ちて熟し、青き時莢ながら煮て菓子にもなり、又麦より先に出来るゆへ、飢饉の年取分き助となる物なり。又麦と合はせ飯にして宜し。又豆は多く、麦は少く粉にして餅に作り、食するもよし。・・・」(岩波文庫本)と。 |
『大和本草』に、「大和ニハ其實ヲ湯ニヒタシ皮ヲ去リ朝夕奈良茶ニ加ヘテ食ス、生ナル時煮テ果トス」と。 |
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