ほたるい (蛍藺)

学名  Scirpus juncoides
日本名  ホタルイ
科名(日本名)  カヤツリグサ科
  日本語別名  
漢名  螢藺(ケイリン,yinglin)
科名(漢名)  莎草(サソウ,suocao)科
  漢語別名  直立席草、野馬蹄草
英名  
2009/08/23 岐阜県大野郡白川村 

2010/08/22 魚津市 イヌホタルイか?


 カンガレイと やや似ているが、
   ホタルイの茎は、高20-60cm、丸い(またははっきりしない線条がある)。
   カンガレイは株立ちし、茎は高50-120cm、鋭い三稜形。
 ただし、両種の雑種にシカクホタルイ
(サンカクホタルイ) S. trapezoideus があり、茎に3-4稜があるという。 
 ホタルイとイヌホタルイは似ており、同種の別変種或は別亜種とし、或は別種とする。
   ホタルイ Schoenoplectus hotarui(S.juncoides ssp.hotarui,
        Scirpus juncoides var.hotarui,Scirpus hotarui;細桿螢藺)
   イヌホタルイ Schoenoplectus juncoides(S.juncoides ssp.ohwianus,S.ohwianus,
        Scirpus juncoides,Scirpus juncoides var.ohwianus,Scirpus.ohwianus;螢藺)
 ホタルイは柱頭が3裂するのにたいし、イヌホタルイは2裂する。また小穂は、ホタルイは長楕円形で先があまり尖らないのに対し、イヌホタルイはやや大型で細長く尖る。「最近は水田にホタルイをみるのが少なくなりほとんどが本種
(イヌホタルイ)である」という(浜島繁隆・須賀瑛文『ため池と水田の生き物図鑑』2005)。 
 かつての Scirpus は、最近の Scirpus とは異なって ずっと範囲の広い概念であり、今日の
   アブラガヤ属 Scirpus 世界に約20種
   フトイ属
(ホタルイ属) Schoenoplectus 北半球に約130種
   ウキヤガラ属 Bolboschoenes 世界に約8種
などを含んでいた。この広義の Scirpus(藨草屬)を、和名ではホタルイ属と呼んでいた。

 
 混乱しないために・・・、
 1.ホタルイは、かつては広義のホタルイ属 Scirpus(藨草屬)に属していたが、新分類ではフトイ属 Schoenoplectus に属していること。
 2.旧分類では Scirpus をホタルイ属と呼んだが、新分類では Schoenoplectus をホタルイ属と呼ぶことがあること。
 3.Scirpus は、かつてはホタルイ属と呼ばれたが、新分類ではアブラガヤ属と呼び、内容が異なること。
 










 広義の Scirpus、すなわちホタルイ属 Scirpus(藨草屬)は、広く世界に約200種がある。
  
 日本・中国の重要な工具書である『日本の野生植物』・『中国高等植物図鑑』は、共に上に記した広義の分類を採用しているので、ここで両書に従って、東アジアに自生する旧 Scirpus の植物を一覧する。

   ミネハリイ S. caespitosus
   ビャッコイ S. crassiusculus
   ウキヤガラ S. fluviatilis(S. yagara;荊三棱)
   コマツカサススキ S. fuirenoides
   イワキアブラガヤ S. hattorianus
   ミヤマホタルイ S. hondoensis
   ホタルイ S. juncoides  『中国本草図録』Ⅹ/4916・『中国雑草原色図鑑』340
     ホタルイ ssp. Hotarui(細桿螢藺)
小穂は広卵型、柱頭は3裂
     イヌホタルイ ssp. juncoides(螢藺)
小穂はやや長く尖り、柱頭は2裂 
   ヒメマツカサススキ S. karuizawensis(華東藨草)
   コホタルイ S. komarovii
   ヒメホタルイ S. lineolatus
   S. littoralis(鑽苞藨草)
   S. lushanensis(廬山藨草)
   S. mattfeldianus(三棱稈藨草)
   タカネクロスゲ S. maximowiczii
   マツカサススキ S. mitsukurianus
   ヒメカンガレイ S. mucronatus
   シズイ S. nipponicus
   エゾウキヤガラ S. planiculmis(扁稈藨草) 『中国本草図録』Ⅸ/4400・『中国雑草原色図鑑』340
   S. pumilus(矮藨草)
   ツルアブラガヤ S. radicans
   S. rosthornii (百球藨草)
      ツクシアブラガヤ var. kiushuensis
   S. setaceus(細稈藨草)
   S. subcapitatus(類頭状花序藨草・龍鬚莞)
   クロアブラガヤ S. sylvaticus var. maximowiczii(朔北林生藨草)
   フトイ S. tabernaemontani(水葱)『中国雑草原色図鑑』341
   オオアブラガヤ S. ternatanus
   シカクホタルイ
(サンカクホタルイ) S. trapezoideus
   カンガレイ S. triangulatus (水毛花)
   サンカクイ S. triqueter(藨草,ヒョウソウ,biaocao)『中国雑草原色図鑑』341
   タイワンヤマイ S. walichii(猪毛草)
   アブラガヤ S. wichurae
   ウキヤガラ S. yagara(荊三稜)『中国雑草原色図鑑』342
  
 カヤツリグサ科 Cyperaceae(莎草科)については、カヤツリグサ科を見よ。
 和名の意は不明。一説に、ホタルの住むような場所に生ずることから、という。
 漢名は、和名の輸入。
 日本(北海道・本州・四国・九州・琉球)・朝鮮・中国(河北・山東以南、兩廣・西南までの各省)・臺灣・インドネシア・インドに分布。
 中国では、全草を野馬蹄草と呼び、薬用にする。

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