ねずみさし (鼠刺)
学名 Juniperus rigida 日本名 ネズミサシ 科名(日本名) ヒノキ科 日本語別名 ネズ、ムロ・ムロノキ 漢名 杜松(ﾄｼｮｳ,dùsōng) 科名(漢名) 柏(ﾊｸ,băi)科 漢語別名 萌松(ﾎﾞｳｼｮｳ,mengsong)、棒松(ﾎﾞｳｼｮｳ,bangsong)、剛檜、刺柏(ｼﾊｸ,cìbăi) 英名 Needle juniper
2009/04/09 神代植物公園
| 辨 | ネズミサシ属 Juniperus(刺柏 cìbăi 屬)には、北半球全域に約50-60種がある。 サビナビャクシン J. arenaria(叉子圓柏･沙地柏･新疆圓柏･天山圓柏･ 雙子柏･臭柏)『中国本草図録』Ⅱ/0510･Ⅶ/3039 var. jarkendensis(崑崙多子柏) 『中国本草図録』Ⅷ/3518 イブキ(ビャクシン) J. chinensis(Sabina chinensis;圓柏･檜･檜柏) 『中国本草図録』Ⅱ/0509 キンイブキ 'Aurea' タマイブキ 'Globosa' カイヅカイブキ(貝塚伊吹) 'Kaizuka'(var.tortulosa;龍柏) イブキ(ビャクシン) var. chinensis ハイビャクシン(這柏槙) var. procumbens(J.procumbens;矮柏) ミヤマビャクシン(伊吹柏槙)･シンパク(真柏) var. sargentii(J.sargentii, J.chinensis var.tsukusiensis) J. communis セイヨウネズ var. communis(歐洲刺柏･歐檜･瓔珞柏･普通柏) ホンドミヤマネズ var. hondoensis(J.sibirica var.hondoensis) リシリビャクシン var. montana(J.nana, J.communis var.nana, J.communis subsp.saxatilis, J.sibirica; 西伯利亞刺柏･西伯利亞杜松) ミヤマネズ var. nipponica(J.rigida subsp.nipponica, J.sibirica var.nipponica) ハイネズ J. conferta(J.rigida subsp.conferta) オオシマハイネズ var. maritima J. convallium(細枝圓柏･密枝圓柏･深山柏･細枝檜) ダフリアビャクシン J. davurica 『中国本草図録』Ⅸ/4059 タイワンビャクシン J. formosana (刺柏･刺松･山刺柏･臺灣刺柏･短柏木･杉柏･臺灣檜) 臺灣･華東･両湖･陝甘･西南･青海･チベットに分布 『中国本草図録』Ⅷ/3515 J. glaucescens(J.komarovii;塔枝圓柏･蜀柏木･灰檜) アメリカハイネズ J. horizontalis J. lemmeana(山柏) J. pingii(Sabina oingii;香柏･垂枝香柏) var. wilsonii(小果香柏) 『雲南の植物Ⅰ』51 J. potaninii(甘川圓柏) J. przewalskii(祁連山圓柏･柴達木圓柏･隴東圓柏) オキアガリネズ J. × pseudorigida(J.rigida nothsubsp.pseudorigida) J. pseudo-sabina(阿爾泰方枝柏･新疆方枝柏･冷檜) ネズミサシ(ネズ･ムロ) J. rigida(杜松･萌松･棒松･刺柏)『中国本草図録』Ⅴ/2035 イソネズ var. coreana サビナビャクシン J. sabina(Sabina vulgaris;叉子圓柏･沙地柏･新疆圓柏･ 天山圓柏･雙子柏･臭柏)『中国本草図録』Ⅱ/0510･Ⅶ/3039 var. jarkendensis(崑崙多子柏) 『中国本草図録』Ⅷ/3518 J. saltuaria(方枝圓柏･方香檜･方枝檜) 『中国本草図録』Ⅷ/3517 ニイタカビャクシン(コウザンビャクシン) J. squamata(var.morrisonicola, Sabina squamata;高山柏･隴檜･鱗檜) 『雲南の植物Ⅰ』51･『中国本草図録』Ⅷ/3516 J. taiwaniana → J.formosana シマムロ(ヒデ) J. taxifolia 日本の小笠原特産 オキナワハイネズ var. lutchuensis(J.conferta var.maritima, J.lutschensis, J.thunbergii, J.lutchuensis var.maritima) J. tibetica(大果圓柏･西藏圓柏･黄柏･藏檜) エンピツビャクシン J. virginiana(北美圓柏･鉛筆柏･紅柏) 北アメリカ原産 J. wallichiana(滇藏方枝柏･喜馬拉雅圓柏･小果方枝柏) 『中国本草図録』Ⅷ/3519 var. meionocarpa(小果滇藏方枝柏) |
| ヒノキ科 Cupressaceae(柏 băi 科)については、ヒノキ科を見よ。 | |
| 訓 | 「和名ねずハねずみさしノ略、ねずみさしハ鼠刺ノ意ニシテ其針葉ハ鼠ヲ刺シテ能ク之レヲ禦グニ足レバ斯ク云ヒ、むろ并ニむろのきハ實群れの木ノ意ナリトスル説ニハ予ハ贊成セズ、云々」(『牧野日本植物図鑑』)。むろ･むろのきについては『日本国語大辞典 第二版』参照。 |
| 説 | 本州(岩手以南)･四国･九州･琉球･朝鮮･極東ロシア･黑龍江･吉林･遼寧･河北･山西･内蒙古･陝甘･寧夏･青海に分布。 |
| 誌 | 中国では、球果を薬用にする。 |
| 『万葉集』に、 吾妹子が 見し鞆浦(とものうら)の 天木香樹(むろのき)は 常世にあれど 見し人そなき 鞆浦の 磯の室の木 見む毎に 相見し妹は 忘らえめやも 磯の上に 根は(這)ふ室の木 見し人を 何在(いづら)と問はば 語り告げむか (3/446;447;448, 大伴旅人。鞆浦は広島県福山市鞆街の海岸) 磯の上に 立てる廻香瀧(むろのき) ねもころに 何か深めて 念(おも)ひ始(そ)めけむ (11/2488,読人知らず) はなれそ(離磯)に た(立)てるむろの木 うたがたも ひさ(久)しき時を す(過)ぎにけるかも (15/3600,読人知らず) しましくも ひと(独)りありうる ものにあれや しま(島)のむろのき はな(離)れてあるらむ (15/3601,読人知らず) 玉掃(たまばはき) 苅り来(こ)鎌麿(かままろ) 室の樹と 棗(なつめ)が本と かき掃かむ為 (16/3830,長忌寸意吉麿｢玉掃･鎌･天木香(むろ)･棗を詠む歌｣) と詠われているむろのきは、一説にハイネズであるという。 |
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