いぶき(伊吹)、びゃくしん(柏槙)
学名 |
Juniperus chinensis var. chinensis (Sabina chinensis) |
日本名 |
イブキ |
科名(日本名) |
ヒノキ科 |
日本語別名 |
ビャクシン、イブキビャクシン(伊吹柏槙)、カマクラビャクシン(鎌倉柏槙)、カマクライブキ(鎌倉伊吹) |
漢名 |
圓柏(エンハク,yuánbăi) |
科名(漢名) |
柏(ハク,băi)科 |
漢語別名 |
檜(カイ,guì)・檜柏(カイハク,guìbăi)、刺柏(シハク,cìbăi)、栝(カツ,guā) |
英名 |
Chinese juniper |
辨 |
イブキ J. chinensis(圓柏・檜・檜柏)には、次のような変種・品種がある。
キンイブキ 'Aurea'
タマイブキ 'Globosa'
カイヅカイブキ(貝塚伊吹) 'Kaizuka'(龍柏)
イブキ(ビャクシン) var. chinensis『中国本草図録』Ⅱ/0509
ハイビャクシン(這柏槙) var. procumbens(矮柏)
ミヤマビャクシン(伊吹柏槙)・シンパク(真柏) var. sargentii
「園藝的品種多ク、所謂しんぱく(眞柏ノ意ニシテ美稱ナリ)ハ種中ノ一品ナリ、又かひづかいぶきハ能ク生籬ニ用ヰラレ其枝通常螺旋スル傾向ヲ有シ、びゃくしん一名びゃくし一名たちびゃくしん一名たちびゃくし一名すぎびゃくしんハ直立セル樹上ニ針狀葉ノミヲ有スル品ナリ」(『牧野日本植物図鑑』)。
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ネズミサシ属 Juniperus(刺柏 cìbăi 屬)については、ネズミサシ属を見よ。
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訓 |
「和名伊吹ハ伊吹柏槇ノ略ニシテ伊吹ハ近江伊吹山ニ在リシ故謂フ乎、柏槇ハ柏子ノ音便乎ト謂ハル、鎌倉伊吹ハ相州鎌倉ノ名産ナルヲ以テ云フト謂ヘリ」(『牧野日本植物図鑑』)。
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漢名の柏(ハク,băi)は、昔は柏(ハク,bó)と読んだ。今日でも古典に出てくる場合は bó と読む。
漢名の檜(カイ,guì)はビャクシンである(ヒノキではない。ヒノキは日本特産)。 |
説 |
本州(岩手以南)・四国・九州・朝鮮・華北・華東・陝甘・兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南・モンゴリア・極東ロシアに分布。
茨城県伊吹山の群生、静岡県沼津市大瀬崎神社(伊豆半島大瀬崎)の樹林などは、天然記念物。
雌雄異株。
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誌 |
中国では、枝葉・樹皮を薬用にする。 |
中国では、柏(コノテガシワ)と並んで常緑針葉樹の代表の一で、古来しばしば寺廟に植えられる。有名なものとして、山東省曲阜の孔子廟にある 孔子の手植えという檜、江蘇省常熟の虞山にあった七星檜などがある。 |
『花壇地錦抄』(1695)巻三「冬木之分」に、「■{木偏に圓}柏(いぶき) 多ク鎌倉より出ルゆへ、俗にかまくらいぶきと云。是を上とス。葉色、見事に岩緑青(いわろくせう)のごとし。立花ニすぐれてよし。木のはだあかきゆへ、ミき赤共云」と、また「柏槙(びやくしん) いふきのるひにて、葉、各別異有。色も異」と。 |
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