辨 |
マンサク科 Hamamelidaceae(金縷梅 jīnlǚméi 科)には、世界の熱帯~温帯に25属約80種がある。
Chunia(山銅材屬・假馬蹄荷屬) 1属1種
C. bucklandioides(山銅材・假馬蹄荷) 海南島・ベトナム産
トサミズキ属 Corylopsis(蠟瓣花屬)
マルバノキ属 Disanthus(雙花木屬) 日本・中国に1種
マルバノキ(ベニマンサク) D. cercidifolius(雙花木)
var. longipes(長柄雙花木)
イスノキモドキ属 Distyliopsis 中国・東南アジアに6種
イスノキ属 Distylium(蚊母樹屬)
Eustigma(秀柱花屬)
E. oblongifolium(秀柱花)
シロバナマンサク属 Fothergilla(銀刷樹屬)
Fortunearia(牛鼻栓屬)
F. sinensis(牛鼻栓)
マンサク属 Hamamelis(金縷梅屬)
トキワマンサク属 Loropetalum(檵木屬)
Mytilaria(殻菜果屬)
M. laosensis(殻菜果)
シャクナゲモドキ属 Rhodoleia(紅花荷屬)
Semiliquidambar(半楓香屬)
S. cathayensis(Liquidambar chingii, Altingia chingii;半楓荷・金縷半楓荷)
『全國中草藥匯編 上』p.228
Sinowilsonia(山白樹屬)
S. henryi(山白樹)
タイワンイスノキ属 Sycopsis(水絲梨屬)
S. dunnii(尖水絲梨)
S. sinensis(水絲梨)
S. tutcheri(鈍水絲梨)
Symingtonia(馬蹄荷屬)
S. populnea(馬蹄荷)
S. tonkinensos(大果馬蹄荷)
Tetrathyrium(四葯門花屬)
|
マンサク属 Hamamelis(金縷梅 jīnlǚméi 屬)には、東アジア・北アメリカに5-6種がある。
マンサク H. japonica(日本金縷梅) 本州・四国・九州に分布
シダレマンサク f. pendula
アテツマンサク var. bitchuensis 中国・四国に分布
ウラジロマルバマンサク var. discolor
コガネマンサク f. auriflora
ウラジロマルバマンサク f. discolor
ニシキマンサク f. flavo-purpurascens 瓣の基部が赤みを帯びる
マルバマンサク f. obtusata(H.japonica subsp.obtusata) 北海道・本州の日本海側に分布
ウラジロマンサク var. glauca
オオバマンサク var. megalophylla
シナマンサク H. mollis(金縷梅)
アメリカマンサク H. virginiana(弗吉尼亞金縷梅)
|
訓 |
「和名ハ滿作ノ意ニシテ滿作ハ豐作ト同ジク穀物ノ豐稔ヲ云フ、此樹花盛ンニ發ラキテ枝ニ滿ツレバ斯ク云ふ、人ニ由レバまんさくヲ早春先開ノ義ニ取リシナリト謂ヘリ」(『牧野日本植物図鑑』)。
「和名のマンサクの語源には諸説あるが,葉が展開する前に目立つ花を咲かせるために〈まず咲く〉が訛ったものとする説がもっともらしい」(『改訂新版
日本の野生植物 2』)。なお、フクジュソウにもマンサクの別名がある。
ネソ・ネリソ・ネッソなどの名は、「柴などを結える材料の枝とか樹皮などを呼ぶので綯麻(ないそ)の意であろう」(武田久吉『民俗と植物』)。ネソの名は、クロモジ、ガマズミ・コバノガマズミ、サワシバなどにもある。 |
漢名を金縷梅(キンルバイ,jīnlǚméi)というものは シナマンサクだが、日本ではマンサクにも通用する。 |
説 |
北海道(渡島半島)・本州・四国・九州の温帯に分布。 |
誌 |
枝をねじっていかだや合掌造りの骨組みを結えるのに用いる。 |