まだけ (真竹)
学名 |
Phyllostachys reticulata (P.bambusoides, Bambusa reticulata, Sinarundinaria
reticulata) |
日本名 |
マダケ |
科名(日本名) |
イネ科 |
日本語別名 |
ニガタケ・クチク(苦竹)、クレタケ |
漢名 |
桂竹(ケイチク,guìzhú)、剛竹(ゴウチク, gāngzhú) |
科名(漢名) |
禾本(カホン,héběn)科 |
漢語別名 |
箭竹、尖竹、鬼角竹、網苦竹、斑竹(ハンチク,banzhu)、湘妃竹 |
英名 |
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2006/06/07 京都嵯峨野 野宮(ののみや)神社近傍 |
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辨 |
モウソウチクとよく似ているが、モウソウチクは 節の輪が一つ、マダケは二つ。 |
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マダケ属 Phyllostachys(剛竹 gāngzhú 屬)には、漢土(華北以南)・臺灣・海南島・ベトナム・ヒマラヤに約30-50種がある。
P. acuta(尖頭靑竹) 浙江産 筍は美味
P. arcana(石綠竹) 江蘇・安徽・浙江・湖南産
ホテイチク P. aurea(P.breviligula, P.bambusoides var.aurea;羅漢竹・人面竹)
P. aureosulcata
キンジョウギョクチク f. spectabilis(金鑲玉竹)
P. bambusoides
ギンメイチク 'Castilloni-inversa'(碧玉間黄金竹)
カシロダケ 'Kashirodake'
シボチク 'Marliacea'
ウサンチク 'Usanchiku'
ムツオレダケ f. geniculata
P. congesta(水竹) 長江流域以南に産
P. dulcis(白哺鷄竹) 江蘇・浙江産
モウソウチク P. edulis(P.heterocycla f.pubescens, P.pubescens,
P.heterocycla;桂竹・毛竹)
キッコウチク(ブツメンチク) 'Kikko-chiku'(P.pubescens var.heterocycla,
P.heterocycla 'Kikko-chiku';龜甲竹)
モウソウチク 'Pubescens'(毛竹・南竹・猫頭竹)
キンメイモウソウチク 'Tao Kiang'(P.edulis f.nabeshimana,
P.pubescens f.nabeshimana, P.edulis f.huamozhu;
花毛竹・江氏孟宗竹・花竿毛竹)
P. elegans(甜笋竹) 浙江・湖南・廣東産
P. flexuosa(曲稈竹) 河南産
P. glabrata(花哺鷄竹) 浙江産
P. glauca(淡竹・粉綠竹) 江蘇・浙江産
P. heteroclada(水竹 shuĭzhú) 黄河流域以南産
ヒメハチク P. humilis
P. iridenscens(紅哺鷄竹) 浙江産 筍は美味
チョウチク P. lithophila
タイワンマダケ P. makinoi(臺灣桂竹)
P. nidularia(篌竹・花竹・槍刀竹) 長江流域・秦嶺に産
P. nigra
キンメイハチク 'Flavescens'
サカサダケ 'Pendula'
ウンモンチク(タンバモンチク) f. boryana
ハチク(クレタケ・カラタケ) var. henonis(淡竹・甘竹・平竹・毛金竹)
クロチク var. nigra(紫竹 zĭzhú・黑竹・烏竹)
カイチク P. nuda(淨竹・石竹) 江蘇・安徽・浙江・湖南産
P. praecox(早竹) 江蘇・浙江産 筍は美味
P. propinqua(早園竹) 華東産
P. purpurata(木竹)
マダケ(ニガタケ) P.reticulata(P.bambusoides;剛竹)
f. shouzhu(壽竹) 湖南・四川産
f. lacrima-deae(f.tanakae;斑竹・湘妃竹) 幹に紫褐色の斑点 黄河・長江各流域に産
キンメイチク(オウゴンチク) P. sulphurea(P.bambusoides f.castillonis,
P. bambusoides 'Allgold';金竹) 幾つかの観賞用品種がある
var. rigidis(胖竹・剛竹)
P. vivax(烏哺鷄竹) 江蘇・浙江産 筍は美味
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タケについては、たけを見よ。 |
訓 |
タケノコはモウソウチクに比べて苦味があるので、別名をニガタケという。
(但し、漢名を苦竹(クチク,kuzhu)というものは、メダケ属の Pleioblatus amarus、笹の一種で、筍が苦くて食えないことからの命名。) |
説 |
黄河流域以南に分布し、漢土の全竹林面積の15%を占め、浙江に多い。
日本には史前から野生していたが、今日では本州以南に広く栽培されている。1965ころ全国的に開花し枯死したので、それ以前に比べて栽培面積は減っている。 |
一九五三年ごろから全国でマダケ林のいっせい開花が始まり、一九六六年ごろをピークにしだいにおさまってきた。マダケの開花は一〇〇年くらいの長い間隔で見られるので、たいへん珍しがられた。開花後、竹林は枯れるので、病気だと思う人もあるが、テングス病などとは違い、一代の寿命が終わるときに咲くのである。もっとも地上部は枯れても、地下茎の一部の茎は生きていてそこから再生し、徐々にもとの竹林に回復していく。(沼田真・岩瀬徹『図説 日本の植生』1975) |
誌 |
文化史は、たけを見よ。 |
筍は美味。
材は加工用に優れ、各種の工芸品の素材とされる。
中国では、根・稈・果実を薬用にする。『全国中草葯匯編』下/857 また、ハチクの誌を見よ。 |
いのちとて つゆをたのむに かたければ 物わびしらに なくのべのむし
(在原滋春、『古今和歌集』10物名「にがたけ」)
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