はちく (淡竹)
学名 |
Phyllostachys nigra var. henonis (P.henonis) |
日本名 |
ハチク |
科名(日本名) |
イネ科 |
日本語別名 |
クレタケ(呉竹)、カラタケ(唐竹)、アワタケ |
漢名 |
淡竹(タンチク,dànzhú) |
科名(漢名) |
禾本(カホン,héběn)科 |
漢語別名 |
水竹(スイチク,shuizhu)、甘竹、金竹(キンチク,jinzhu)、甘竹(カンチク,ganzhu)、光若竹、釣魚竹、白夾竹(ハクキョウチク,baijiazhu)、平竹(ヘイチク,pingzhu)、杜圓竹、斑眞竹 |
英名 |
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辨 |
Phyllostachys nigra の種内分類群については、クロチクの辨を見よ。 |
マダケ属 Phyllostachys(剛竹 gāngzhú 屬)については、マダケ属を見よ。 |
訓 |
『本草和名』淡竹に、「和名久礼多介」と。
『倭名類聚抄』に、「■{竹冠に甘}竹 文字集略云、■〔音甘、楊氏漢語抄云、呉竹也、和語云久礼太介〕云々」、「楊氏漢語抄云、淡竹、於保多介」と。 |
説 |
河南・山東・華東・兩湖・四川に分布、日本・中国で広く栽培される。
モウソウチク・マダケとともに三大竹の一。 |
誌 |
中国では、ハチクなどの、稈の緑色の外皮を剥ぎ やや緑色を帯びた中間層を(或は外皮を除かずに外皮ごと 内側のやや緑色を帯びた中間層を)削った糸状のもの(散竹茹)あるいは薄片(齊竹茹)を
竹茹(チクジョ,zhúrú)と呼び、薬用にする。またハチクを加熱して流れ出た汁を竹瀝(チクレキ,zhúlì)と呼び、薬用にする(〇印は正品)。『中薬志Ⅲ』pp.486-488 『全国中草葯匯編』下/259-260 『(修訂) 中葯志』V/587-596
〇Bambusa beecheyana(Sinocalamus beecheyanus, B.verticillata;吊絲球竹・大頭典竹)
Bambusa emeiensis(慈竹)
〇Bambusa tuldoides(靑稈竹・靑竿竹)
Fargesia spathacea(箭竹・拐棍竹・華桔竹)
モウソウチク Phyllostachys edulis(P.heterocycla f.pubescens, P.pubescens,
P.heterocycla;桂竹・毛竹)
マダケ Phyllostachys reticulata(P.bambusoides, Bambusa reticulata, Sinarundinaria
reticulata;剛竹)
〇ハチク Phyllostachys nigra var. henonis(淡竹・甘竹・平竹・毛金竹)
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筍は美味。
材は繊維が強靭なので、裂いて竹器を作る。今日でも茶筅の素材。 |
『古今集』に、
世にふれば ことのはしげき くれ竹の うきふしごとに 鶯ぞなく (よみ人しらず)
西行(1118-1190)『山家集』に、
雪うづむ その(園)のくれたけ を(折)れふして ねぐらもとむる むらすずめ哉
くれ竹の ふし(節)しげからぬ よ(世)なりせば この君はとて さしいでなまし
呉竹の 今いくよかは おきふして いほりのまどを あげおろすべき
『新古今集』に、
時雨ふる 音はすれども くれ竹の などよとともに 色はかはらぬ (藤原兼輔)
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「くれたけの」は、竹の節(よ・ふし)から、世・夜・ふし・伏見などにかかる枕詞。
千はやぶる 神のみよより くれ竹の 世々にもたえず・・・
(『古今和歌集』紀貫之)
くれ竹の よよのふるごと なかりせば いかほのぬまの・・・
(『古今和歌集』壬生忠峯)
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『花壇地錦抄』(1695)巻三「竹のるひ」に、「からたけ 雄(を)たけ共いふ。つねの竹なり。かの輪細工等ニ用ルるひなれハ、おけやいふにたらず」、「淡竹(はちく) 紫竹のやうにて、色白し。葉よくこもりて、立花ニつかふ」と。 |
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