辨 |
Phyllostachys nigra の種内分類群については、クロチクの辨を見よ。 |
マダケ属 Phyllostachys(剛竹 gāngzhú 屬)については、マダケ属を見よ。 |
訓 |
深江輔仁『本草和名』(ca.918)淡竹に、「和名久礼多介」と。
源順『倭名類聚抄』(ca.934)に、「■{竹冠に甘}竹 文字集略云、■〔音甘、楊氏漢語抄云、呉竹也、和語云久礼太介〕云々」、「楊氏漢語抄云、淡竹、於保多介」と。 |
説 |
河南・山東・華東・兩湖・四川に分布、日本・中国で広く栽培される。
モウソウチク・マダケとともに三大竹の一。 |
誌 |
中国では、緑色の外皮を剥ぎ 茎を取り去った中間層を、竹茹(チクジョ,zhuru)と呼び、また加熱して流れ出た汁を竹瀝と呼び、薬用にする。『中薬志Ⅲ』pp.486-488 |
筍は美味。
材は繊維が強靭なので、裂いて竹器を作る。今日でも茶筅の素材。 |
『古今集』に、
世にふれば ことのはしげき くれ竹の うきふしごとに 鶯ぞなく (よみ人しらず)
西行(1118-1190)『山家集』に、
雪うづむ その(園)のくれたけ を(折)れふして ねぐらもとむる むらすずめ哉
くれ竹の ふし(節)しげからぬ よ(世)なりせば この君はとて さしいでなまし
呉竹の 今いくよかは おきふして いほりのまどを あげおろすべき
『新古今集』に、
時雨ふる 音はすれども くれ竹の などよとともに 色はかはらぬ (藤原兼輔)
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「くれたけの」は、竹の節(よ・ふし)から、世・夜・ふし・伏見などにかかる枕詞。
千はやぶる 神のみよより くれ竹の 世々にもたえず・・・
(『古今和歌集』紀貫之)
くれ竹の よよのふるごと なかりせば いかほのぬまの・・・
(『古今和歌集』壬生忠峯)
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『花壇地錦抄』(1695)巻三「竹のるひ」に、「からたけ 雄(を)たけ共いふ。つねの竹なり。かの輪細工等ニ用ルるひなれハ、おけやいふにたらず」、「淡竹(はちく) 紫竹のやうにて、色白し。葉よくこもりて、立花ニつかふ」と。 |