きぶし (木附子) 

学名  Stachyurus praecox
日本名  キブシ
科名(日本名)  キブシ科
  日本語別名  マメブシ(豆附子)、ズイ・ズイノキ、ツキダシノキ、ジンザイギ(自在木)・ジンダイギ、ゴンズイ
漢名  旌節花(セイセツカ,jīngjiéhuā)
科名(漢名)  旌節花(セイセツカ,jīngjiéhuā)科 
  漢語別名  
英名  
雄株か   2009/04/19 仙台市 東北大学植物園(青葉山)  
雌花  2006/05/04 桧原都民の森

雄花  2006/03/21 神代植物公園
雄花   2024/03/21 小平市 (栽培) 

2007/05/03 薬用植物園
2006/05/18
  立川市矢川

2006/06/22 薬用植物園
2006/11/18 神代植物公園 2006/12/07 同左
 キブシ科 Stachyuraceae(旌節花 jīngjiéhuā 科)は、キブシ属1属のみ。
 キブシ属 Stachyurus(旌節花 jīngjiéhuā 屬)には、東アジア~ヒマラヤに8-9種がある。

  タイワンキブシ S. chinensis(中國旌節花・旌節花・水涼子・通花・通草)
         
河南・陝西・華東・兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南・チベット・ベトナム産 『中国本草図録』Ⅵ/2728 
  S. cordatulus(滇緬旌節花)
 雲南・ミャンマー産 
  ヒマラヤキブシ S. himalaicus(喜馬山旌節花・西域旌節花・小通草・小通花・通條樹)
  S. macrocarpus
    ナガバキブシ var. macrocarpus(S.praecox var.macrocarpus)
         
小笠原産 絶滅危惧IB類(EN,環境省RedList2020) 
    ハザクラキブシ var. prunifolius
小笠原産 
  S. obovatus(倒卵葉旌節花・小通草) 四川・貴州・雲南産 『中国本草図録』Ⅶ/3232
  キブシ S. praecox(S.lancifolius)
中国『植物智』は S.chinensis のシノニムとする
    ハチジョウキブシ var. matsuzakii(S.matsuzakii) 
  S. retusus(S.szechuanensis;凹葉旌節花)
 四川・雲南産 『中国本草図録』Ⅶ/3233
  S. salicifolius(柳葉旌節花・通花・鐵泡桐) 廣東・四川・貴州・雲南産 『中国本草図録』Ⅶ/3234
  タロコキブシ S. sigeyoshii 中国『植物智』は S.chinensis のシノニムとする
  S. yunnanensis(S.oblongifolius, S.callosus;雲南旌節花)
兩湖・廣東・四川・貴州・雲南産 
    var. pedicellatus(長梗旌節花)
   
 和名は、会津で婦人が、この種子をヌルデのふし(五倍子・附子)の代用としてお歯黒に用いたことから。俗にきふじと呼び、藤と結びつけるのは誤り。「果實ヲ五倍子ノ代品トシテ用ウ、故ニ木ぶし又ハ豆ぶしノ名アリ」(『牧野日本植物圖鑑』)。
 ズイ・ズイノキは、幹の髄をさまざまに利用したことから。ツキダシノキも、髄を突き出して遊んだことから。
 ゴンズイについては、ゴンズイの訓を参照。
 北海道(渡島半島)・本州・四国・九州・琉球・朝鮮に分布。
 雌雄異株(又は雌雄同株)。固い球形の果実の中に小さい豆状の種子を多数入れる。
 種子はタンニンの原料とし、また粉にしてふしの代用として黒色染料として用いる。
 幹には白い髄が有り、子供はそれを押出して遊ぶ。
 中国では、次のような植物の茎の髄を小通草(ショウツウソウ,xiăotōngcăo)と呼び薬用にする(〇印は正品)。
  
『中薬志Ⅲ』pp.546-550 『全国中草葯匯編』下/81-82 『(修訂) 中葯志』V/537-542 

  〇タイワンキブシ(タロコキブシ) Stachyurus chinensis(S.sigeyosii;中國旌節花・通花・通草)
  〇ヒマラヤキブシ Stachyurus himalaicus(喜馬山旌節花・西域旌節花・通條樹)
   Stachyurus obovatus(倒卵葉旌節花・小通草)
   キブシ S. praecox(S.matsuzakii;旌節花)
   Stachyurus retusus(S.szechuanensis;凹葉旌節花)
   Stachyurus salicifolius(柳葉旌節花・通花・鐵泡桐)
  〇Stachyurus yunnanensis(S.oblongifolius, S.callosus;雲南旌節花)
   クサネム Aeschynomene indica(田皂角・合萌)
   Helwingia chinensis(中華靑莢葉・葉長花)
   Helwingia himalaica(西藏靑莢葉・西南靑莢葉)
  〇ハナイカダ Helwingia japonica(H.japonica f.lancifolia;靑莢葉・葉上花)
   カラコンテリギ Hydrangea chinensis(H.umbellata;中國繡毬・傘形繡毬・野八仙・常山)
   ヤマブキ Kerria japonica(棣棠)

 なお、通草(ツウソウ,tōngcăo)はカミヤツデ。   
ハチジョウキブシ(ナンバンキブシ) var. matsuzakii
     2023/02/22 小石川植物園
2023/03/15 神代植物公園 
2013/03/20 小石川植物園

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2017/05/04 神代植物公園
 

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