ぬるで (白膠木・塩麩子) 

学名  Rhus javanica var. roxburghii(=R. chinensis var. roxburghii)
日本名  ヌルデ
科名(日本名)  ウルシ科
  日本語別名  ヌデ・ヌリデ・ヌルデンボウ・ヌルテンボウ・ヌルデッポウ・ノデッポウ・ノデボ、フシノキ、シオノキ、カツノキ・カツンボウ、ゴマギ、オッカド(御門)・オッカドノキ
漢名  鹽膚木(エンフボク,yanfumu)
科名(漢名)  漆樹(シツジュ,qishu)科
  漢語別名  五倍子樹(ゴバイシジュ,wubeizishu)
英名  
2009/04/30 薬用植物園
2006/09/07 長瀞町
2004/08/17 薬用植物園
2004/09/09 同上

2006/11/04 薬用植物園

 日本のヌルデは、var. roxburghii(濱鹽膚木・鹽霜柏)。
 基本種はタイワンフルデ
(タイワンフシノキ) var. javanica(鹽膚木)。琉球・中国(新疆・靑海以外の全国)・臺灣・インドシナ・スマトラ・ヒマラヤに分布。
 ウルシ属 Rhus(漆樹屬)については、ウルシを見よ。
 和名ヌルデは、樹に膠漆があり、ものを塗り得ることから。
 別名カツノキは、むかし聖徳太子と蘇我馬子が物部守屋を滅ぼすに当り、太子がヌルデの材を以て四天王像を彫って勝利を祈った
(587,四天王寺の創建)とされることから、という(出典失記)
 オッカドは、材でオッカド(御門)棒を作り、小正月に門に立てたことから。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』(1806)28塩麩子に、「フシノキノミ フシノキ以下木ノ名 ヌルデ ヌデ濃州 ヌリダ備前 ユリデ佐州 ノデノキ尾張上総 カツキ カツギ カツノキ奥州 カチノキ 将軍木 サイハイノキ アカベソ城州醍醐 ゴマギ津軽 ヲツカドノキ信州 ヤマハゼ土州 メウルシ江戸」と。
 日本(北海道・本州・四国・九州・沖縄)・朝鮮・中国(兩廣・福建・雲南)・臺灣・インドシナ北部・ヒマラヤに分布。
 ヌルデを初め、同属のいくつかの種は、葉・葉柄にヌルデシロアブラムシ(ヌルデノフシムシ)などの幼虫が寄生すると、その部分に虫こぶ(蟲癭・虫瘤)を作り、多量のタンニンを含む。中国ではこれを五倍子(ゴバイシ,wubeizi)と呼び、日本では五倍子(ふし)・附子(ふし)と呼ぶ。
 中国では、R. javanica(R. chinensis;鹽膚木)の根・葉を 薬用にする。ヌルデも同様に用いる。
 中国では、R. javanica(R. chinensis;鹽膚木)・R. potaninii (靑麩楊)・R. punjabensis var. sinica (紅麩楊)などが作る五倍子を、薬用にする。『中薬志Ⅲ』pp.613-618
 日本では、ヌルデが作る五倍子を、染料・薬用にする。昔はお歯黒の媒染材として用いた。
 材は軽く軟らかいので、各種の細工物に用い、関東では正月の祝い箸や削り花を作る。かつては采配の柄を作るのに用い、勝軍木と呼んだ。
 乾燥した材は、燃すと激しく爆ぜるので、護摩に用いる。
 『万葉集』に、

   あしがり(足柄)のわをかけやまの(不詳)かづの木の
     わ(吾)をかづさねもかづ(穀)さ(割)かずとも (14/3432,読人知らず)

とあるのは、ヌルデ(一説にカジノキ)。
 『花壇地錦抄』(1695)巻三「山椒(さんせう)るひ」に、「雌漆(めうるし) 葉うるしのごとく、秋 紅葉する事、花にかへたり。実ハ女中歯黒ニ合ル、ふしと云物也。一名■{備の人偏に木偏を代入}(ぬるで)共云。かつの木共云」と。

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