うるし (漆) 

学名  Rhus verniciflua
日本名  ウルシ
科名(日本名)  ウルシ科
  日本語別名  
漢名  漆樹(シツジュ,qishu)
科名(漢名)  漆樹科
  漢語別名  山漆(サンシツ,shanqi)、大木漆(タイボクシツ,damuqi)
英名  Varnish tree, Lacquer tree
 ウルシ科ANACARDIACEAE(漆樹科)には、次のようなものがある。
   Allospondias(嶺南酸棗屬)
     A. lakonensis(嶺南酸棗)
   カシューナッツ属 Anacardium(鷄腰果屬)
     カシューナットノキ A. occidentale
熱帯アメリカ原産
   Bouea(對葉漆屬)
   Buchanania(山■
{木偏に羨}子屬)
   チャンチンモドキ属 Choerospondias(南酸棗屬)
 1属1種
     チャンチンモドキ C. axillaris(南酸棗)
   ハグマノキ属 Cotinus(木櫨屬)
   Dobinea(九子不離母屬)
   Dracontomelon(人面子屬)
    D. dao(人面子)
   Drimycarpus(辛果漆屬)
   Gluta(任卡漆屬)
   Lannea(厚皮樹屬)
     L. grandis(厚皮樹)
   マンゴー属 Mangifera(◆
{木偏に亡}果屬)
   Pegia(柏節木屬)
   Phlebochiton(脈果漆屬)
   ピスタキア属 Pistacia(黄連木屬)
   ウルシ属 Rhus(漆屬)
   サンショウモドキ属
(コショウボク属) Schinus
     コショウボク S. molle
南アメリカ原産
     サンショウモドキ S. terebinthifolius
 ブラジル原産
   タイトウウルシ属 Semecarpus(肉托果屬)
     タイトウウルシ S. longifolia
臺灣・フィリピン・インドネシアに分布
   タマゴノキ属 Spondias(檳榔靑屬) 
 ウルシ属 Rhus(漆樹屬)には、世界の亜熱帯・温帯に約200種がある。
   ツタウルシ R. ambigua
   R. delavayi (山漆樹・漆樹)
   R. javanica(R. chinensis; 鹽膚木・五倍子樹・五倍柴)『中薬志Ⅲ』pp.613-618
     ヌルデ
(フシノキ) var. roxburghii (濱鹽膚木・鹽霜柏)
     タイワンヌルデ
(タイワンフシノキ) var. javanica
   R. potaninii (R.henryi;靑麩楊・倍子樹・烏倍子)『中薬志Ⅲ』pp.613-618
   R. punjabensis var. sinica (R.sinica;紅麩楊・漆倍子・早倍子樹)
         『中国本草図録』Ⅶ/3202
   ハゼノキ
(ロウノキ) R. succedanea (野漆樹・木蠟樹・洋漆樹)
     アンナンウルシ var. dumortieri
 東南アジアに分布
   ヤマハゼ R. sylvestris (木蠟樹・野漆樹・野毛漆)日本(本州東海道以西・四国・九州)
        
 ・朝鮮・中国(長江中下流地域)・臺灣に分布。『中国本草図録』Ⅳ/1730
   ヤマウルシ R. trichocarpa
   ウルシ R. verniciflua (漆樹・山漆・大木漆)
 和名ウルシは、一説に「潤汁(うるしる)」「塗汁(ぬるしる)」の転訛、一説に紅葉が美しいので「うるわし」の転訛。
 源順『倭名類聚抄』(ca.934)漆に「和名宇流之」と。
 中国(新疆以外の全国)・ヒマラヤの、暖温帯の照葉樹林に分布する。日本には古く渡来したもの。
 茎から漆液を採り、果実から蝋を採る。
 茎から採る白い
(うるし)液は、空気に触れると酸化して黒くなり、硬くなるので、接着剤として有効。固まった漆は、光沢があり、酸・アルカリに対して耐久性があり、防湿性・防腐性に優れる。
 東南アジア・東アジアの照葉樹林帯の住人たちは、古くからこれを接着剤・塗装剤として用いた。
 中国では、河北省藁城県台西村から殷代の漆器の残片が、湖北省折春県家家咀から西周時代の漆杯が、出土している。しかし、漆器の製作が盛んに行われるようになるのは、戦国・漢時代から、四川・湖南などにおいて。
 文献の上では、『詩経』『周礼』などにより、古くから漆が用いられ、広い漆畑も営んだことが知られる。
 また、ウルシの根・皮・葉・種子及び樹皮からの浸出物を、薬用にする。
 『詩経』国風・鄘風(ようふう)定之方中に、「定の方(まさ)に中(ちゅう)するとき、楚宮を作る。之を揆(はか)るに日を以てし、楚室を作る。之に榛(しん)(りつ)と、椅(い)(とう)(し)(しつ)を樹(う)え、爰(ここ)に伐(き)りて琴瑟(きんしつ)とす」と。
 賈思勰『斉民要術』(530-550)巻5に「漆」が載る。
 日本では、縄文前期(ca.B.C.6000-ca.B.C.5000)の鳥浜貝塚(福井県)から、漆塗の櫛・容器が出土している。
 『花壇地錦抄』(1695)巻三「山椒(さんせう)るひ」に、「漆(うるし) 葉ハくるみのごとく、木にうるし有」と。
 
   たらたらと漆の木より漆垂りものいふは憂き夏さりにけり
     
(1915,斉藤茂吉『あらたま』)
 

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