からたち (枸橘・枳殻) 

学名  Poncirus trifoliata
日本名  カラタチ
科名(日本名)  ミカン科
  日本語別名  キコク
漢名  枸橘(クキツ,gouju)
科名(漢名)  芸香(ウンコウ,yunxiang)科
  漢語別名  臭橘(シュウキツ,chouju)、枳(キ,zhi)
英名  Trifoliate orange
2007/03/29 神代植物公園 2007/04/10 小石川植物園

2007/04/15 神代植物公園

2006/05/05 神代植物公園

2007/05/12 同上

2006/08/13 同上


2006/10/19 同上


 いわゆる柑橘類の果樹についてはかんきつ類を、カラタチ属 Poncirus(枸橘屬)については、カラタチ属を見よ。
 和名は、唐橘(からたちばな)の略。
 ただし、今日カラタチバナと呼ぶものはまったくの別種。
 深江輔仁『本草和名』(ca.918)枳実に、「和名加良多知」と。
 源順『倭名類聚抄』
(ca.934)枳椇に「和名加良太知」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』
(1806)32に、枸橘は「カラタチ ゲズ筑前豊後 ジヤキチ讃州 ジヤキツ附州 ジヤケツグイ備前」と。
 漢語では、枳殻(シコク・キコク,zhiqiao)は中草藥の一の名、下欄の誌を見よ。
 中国(長江流域)原産。日本には古く伝えられ、北は東北地方にまで分布、九州では一部野生化している。
 棘が硬いので、日中両国で生垣にする。
 未熟な果実を薬用にし、熟したものはジュース・マーマレードを作る。
 中国では、
   ダイダイ C. aurantium(酸橙・皮頭橙・鈎頭橙)
   C. grandis var. shanyuan(C.wilsonii;香圓・西南香圓)
C.grandis はブンタン
   カラタチ P. trifoliata(枸橘・枳・臭橘)
の幼い果実を枳実(キジツ,zhishi)と呼び、成熟直前の緑色の果実を枳殻(シコク・キコク,zhiqiao)と呼び、薬用にする。
『中薬志Ⅱ』pp.259-274
 なお、日本薬局方の枳実は、ダイダイ C. aurantium の未熟果実
(丸ごと又は半割)のみを用い、カラタチは用いない。
 『周官・考工記』に、「橘は、淮よりして北は枳と為る」と。
 日本では、イバラ(『万葉集』ではウマラ)とは 棘のある灌木を言い、カラタチ・ノイバラなどを指す。『万葉集』に、

   枳
(からたち)の棘原(うまら)刈り除け倉立てむ 屎(くそ)遠くまれ 櫛造る刀自
      
(16/3832,長忌寸意吉麿「数種の物を読む歌」)

とある。わざと下品なものを歌いこんでいるが、ほほえましい。とまれかくまれ、ここでは、カラタチは有害無用の茨として歌われている。
 『花壇地錦抄』(1695)巻三「柑(かう)るひ」に、「枳殻(きこく) からたちの事也。靑キヲきじつと云」と。
 近世には生垣に用いる。いけがきを見よ。
 
   うき人を枳殻籬よりくゞらせん 
(芭蕉,『猿蓑』1691)
 

   からたちの花が咲いたよ。
   白い、白い、花が咲いたよ。

   からたちのとげはいたいよ。
   青い、青い、針のとげだよ。

   からたちは畑の垣根よ。
   いつも、いつも、とおる道だよ。

   からたちも秋はみのるよ。
   まろい、まろい、金のたまだよ。

   からたちのそばで泣いたよ。
   みんな、みんな、やさしかったよ。

   からたちの花が咲いたよ。
   白い、白い、花が咲いたよ。
      
(北原白秋(1885-1942)(「赤い鳥」1924)山田耕筰(1886-1965)(1925))
 


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