のいばら (野茨) 

学名  Rosa multiflora
日本名  ノイバラ
科名(日本名)  バラ科
  日本語別名  ノバラ、ウバラ、ハナウバラ、シロイバラ、コモチイバラ、シロバラ、グイ
漢名  野薔薇(ヤショウビ,yeqiangwei) 
科名(漢名)  薔薇(ショウビ,qiangwei)科
  漢語別名  薔薇・蘼(ショウビ,qiangmi)、墻麻、多花薔薇(タカショウビ,duohua qiangwei)、營實(エイジツ,yingshi)、山棗、山棘・牛棘・刺■{艸冠に縻}・刺紅、牛勒、倒鉤刺、和尚頭、七姉妹
英名  Baby rose
2007/05/10 薬用植物園
2005/05/23 田島が原
2005/05/18  せせらぎ公園周辺緑地 (清瀬市中里2丁目)
2004/07/31 同上 2005/10/16 同左
2007/12/25 薬用植物園
2006/02/19 同上 2006/02/23 秋が瀬公園
2006/03/23 せせらぎ公園 2006/03/27 秋が瀬公園
 変種に、次のようなものがある。
  ツクシイバラ var. adenochaeta
  var. albo-plena(白玉堂)
  var. brachacantha(紅刺藤・小和尚頭・細葉紅根)
  var. catheyensis(粉團薔薇・野薔薇・白殘花))
  サクラバラ var. platyphylla(七姉妹)
  ショウノスケバラ(キンシイバラ) var. watsoniana
 よく似た植物として、テリハノイバラがある。
 バラ属 Rosa(薔薇屬)の植物については、バラを見よ。
 深江輔仁『本草和名』(ca.918)営実に、「和名宇波良乃美」と。
 源順『倭名類聚抄』
(ca.934)薔薇の条に、営実は「和名無波良乃美」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』14(1806)営実に、「ムバラノミ
和名鈔 ノイバラ以下、苗ノ名 シロイバラ サカヤニンドウ ニンドウイバラ コモチイバラ泉州 シロイゲ長崎。イゲハイバラノコトナリ ヲンナイバラ サクライバラ マガリグイ備前 アヲグイ伯州 カタラ雲州 ヨメグイ濃州 グイ讃州 野薔薇」と。
 漢名では、バラのうち、ノイバラなど小形の花を多数群れるようにつけるものを薔薇(ショウビ,qiangwei)と呼び、コウシンバラなど大形の花をつけるものを月季(ゲッキ,yueji)と呼んで区別する。
 和名には月季の名はなく、両者を混同して、一般にバラを薔薇と書き、ソウビ・ショウビと読む。
 漢名薔薇は、「此の草は蔓 柔らかく、靡いて墻の援けに依りて生ず。故に蘠(ショウビ,qiangmi)と名づく」と(本草綱目)
 なお、薔(ショウ,qiang)は、ショク・ソク,se と読めばヤナギタデ
 日本・朝鮮・中国に分布。
 1784年 Thunberg が学界に紹介、1840年中国産の園芸品種がイギリスに入り、1862年日本産のノイバラがフランスに入る。
 爾後、蔓性や房ざき性の品種の育成に一役買った。
 中国では、実を營實と呼んで薬用にする(日本薬局方 同)。偽果を玉營實(ギョクエイジツ,yuyingshi)、堅果を營實仁(エイジツジン,yingshiren,えいじつにん)と呼ぶ。
 今日では、株を園芸品の台木にする。
 『万葉集』に、

   みち(道)のへ(邊)の うまら(荊)のうれ(末)に は(這)ほまめ(豆)
     からまるきみ(君)を はか(別)れかゆ(行)かむ (20/4352,丈部鳥)

とあるのは、ノイバラであろうという。

   花いばら古郷の路に似たる哉 
(蕪村,1716-1783)
   路たえて香にせまり咲
(さく)いばらかな (同)
   愁ひつゝ岡にのぼれば花いばら 
(同)

   しら露や茨の刺
(はり)にひとつづゝ (蕪村,1716-1783)
   茨老(おい)すゝき痩(やせ)萩おぼつかな (同)
 

   いばらの実赤くならむとするころを金瓶
(かなかめ)村にいまだ起き臥す
     (1945,齋藤茂吉『小園』) 
 
 欧米の文藝に登場するノバラは、ロサ・カニナか。

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