すいかずら (吸蔓)
学名 |
Lonicera japonica var. japonica |
日本名 |
スイカズラ |
科名(日本名) |
スイカズラ科 |
日本語別名 |
キンギンカ、ニンドウ、スイバナ(吸花) |
漢名 |
忍冬(ジントウ・ニントウ,rĕndōng,にんどう) |
科名(漢名) |
忍冬(ニントウ,rĕndōng)科 |
漢語別名 |
金銀花(キンギンカ,jīnyínhuā)、金銀藤、鴛鴦藤、二花、二苞花、通靈草 |
英名 |
Japanese honeysuckle |
2022/04/02 小平市玉川上水緑地 |
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2024/05/02 植物多様性センター |
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2007/05/18 新座市中野 |
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2005/05/28 同上 |
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2020/06/10 小平市玉川上水緑地 |
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2005/10/30 新座市中野 |
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2020/11/22 小平市玉川上水緑地 |
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辨 |
スイカズラ科 Caprifoliaceae(忍冬 rĕndōng 科)には、世界に30-39属 約850-1000種がある。
ツクバネウツギ属 Abelia(糯米條屬)
Incl. Diabelia
ベニカノコソウ属 Centranthuys(距纈草屬) 地中海地方・西アジアに約10種
キバナマツムシソウ属 Cephalaria(刺頭草屬) 歐洲・西&中央アジア・アフリカに約80-100種
アメリカタニウツギ属 Diervilla(黃錦帶屬) 北米に3種
ソウジュンボク属 Dipelta(雙盾木) 中国に3種
ナベナ属 Dipsacus(川續斷屬)
Heptacodium(七子花屬) 1種
H. miconioides(H.jasminoides;七子花) 湖北・浙江産
Kolkwitzia(猬實屬) 1種 K.amabilis(蝟實)、『週刊朝日百科 植物の世界』1-295
K. amabilis(蝟實・猬實) 山西・河南・陝甘・湖北・安徽産
『週刊朝日百科 植物の世界』1-295
Leycesteria(鬼吹簫屬)
リンネソウ属 Linnaea(北極花屬)
リンネソウ L. borealis(北極花)
北海道・本州(中部以北)から周北極地方に産 『朝日百科 世界の植物』1/209
スイカズラ属 Lonicera(忍冬屬)
ウコンウツギ属 Macrodiervilla 1種
ウコンウツギ W. middendorffiana(Weigela middendorffiana)
北海道・本州(東北)・極東ロシア・アリューシャン産
モリナ属 Morina(刺參屬) バルカン・西&中央アジア・ヒマラヤ・中国西南・西北に約15種
M. alba(M.nepalensis var.alba, Acanthopanax alba;白花刺參)
『中国本草図録』Ⅷ/3828・Ⅸ/4350・『雲南の植物』210
甘肅・青海・四川・雲南・チベット産
M. chinensis(圓萼刺參) 甘肅・内蒙古・靑海・四川・チベット産
M. nepalensis(Acanthopanax nepalensis)
var. nepalensis(M.betonicoides, M.nana;刺續斷)
四川・雲南・チベット・ミャンマー・ヒマラヤ産
『週刊朝日百科 植物の世界』1-260・『中国本草図録』Ⅷ/3827
var. delavayi(M.delavayi, M.bulleyana;大花刺參・大花刺續斷)
四川・雲南・ヒマラヤ産 『雲南の植物』211 『中国本草図録』Ⅱ/855
『全国中草葯匯編』下/370-371
カンショウコウ属 Nardostachys(甘松屬) 中国西南・ヒマラヤに1-3種
カンショウコウ N. jatamansi(N.grandiflora, N.chinensis;
甘松・甘松香・香松・大花甘松香) 四川・青海・ヒマラヤ・ミャンマー産
『中薬志Ⅰ』pp.134-137 『全國中草藥匯編 上』pp.236-237
オミナエシ属 Patrinia(敗醬屬)
プテロケファルス属 Pterocephalus(蓬(翼)首花屬) 南歐・アフリカ・西&中央アジアに25-33種
P. hookeri(匙葉翼首花) 青海・四川・雲南・チベット・ヒマラヤ産
『週刊朝日百科 植物の世界』1-260・『雲南の植物』210・『中国本草図録』Ⅴ/2333
マツムシソウ属 Scabiosa(藍盆花屬)
セッコウボク属 Symphoricarpos(毛核木屬) 中国・北米に15種
セッコウボク S. albus
トウセッコウボク S. sinensis(毛核木) 陝甘・湖北・四川・雲南産
ツキヌキソウ属 Triosteum(莛子藨屬) 歐亞東部・北米東部に6種
T. himalayanum(穿心莛子藨・五轉七)『雲南の植物』209
陝西・湖北・四川・貴州・雲南・チベット・ヒマラヤ産 『全国中草葯匯編』下/111-112
ホザキツキヌキソウ T. pinnatifidum(莛子藨・鷄爪七)
山梨・華北・陝甘・寧夏・四川産 絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
『全国中草葯匯編』下/321
ツキヌキソウ T. sinuatum(腋花莛子藨) 長野・遼寧・吉林・黑龍江・極東ロシア産
ヒメカノコソウ(ニイタカカノコソウ)属 Triplostegia(雙參屬) 1-2種
ニイタカカノコソウ T. glandulifera(雙參)『中国本草図録』Ⅷ/3829
臺灣・陝甘・湖北・四川・貴州・雲南・ヒマラヤ・東マレシア産
『全国中草葯匯編』下/117-118
T. grandiflora(大花二雙參・靑羊參) 四川・雲南産 『全国中草葯匯編』下/117-118
カノコソウ属 Valeriana(纈草屬)
ノヂシャ属 Valerianella(歧纈草屬) 北半球に約60種
モモイロノヂシャ V. coronata(Valeriana coronata)
歐洲・北アフリカ・西&中央アジア産
ノヂシャ V. locusta(V.olitoria, Valeriana locusta;萵苣纈草)
歐洲原産、江戸時代に長崎のオランダ館で栽培、のち帰化
シロノヂシャ V. radiata(Valeriana woodsiana) USA産
タニウツギ属 Weigela(錦帶花屬)
イワツクバネウツギ属 Zabelia(六道木屬) 東アジア・中央アジアに約6-8種
トウツクバネウツギ Z. biflora(Abelia biflora;六道木・交翅木)
遼寧・内蒙古・河北・山西産゜ 『中国本草図録』Ⅳ/1865
カラツクバネウツギ var. coreana(A.coreana, A,biflora var.coreana)
タケシマツクバネウツギ f. insularis(A.coreana var.insularis,
A.insularis)
Z. dielsii(Z.brachystemon, Z.umbellata;南方六道木・雲南六道木・傘花六道木)
華北・陝甘・寧夏・華東・湖北・四川・貴州・雲南産 『雲南の植物Ⅰ』210
イワツクバネウツギ Z. integrifolia(Abelia integrifolia;全緣葉六道木)
本州(中西部)・四国・九州・朝鮮産
モウサンツクバネウツギ Z. mosanensis(香六道木)
Z.triflora(Abelia buddleioides, A.triflora, Z.buddleioides, Z.parvifolia,
Z.stenantha, A.angustifolia;醉魚草狀六道木)
雲南・四川・チベット・ヒマラヤ産
ヒナツクバネウツギ Z. tyaihyonii
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スイカズラ属 Lonicera(忍冬 rĕndōng 屬)の植物には、北半球に約180種がある。
アリサンニンドウ(コバノスイカズラ) L. acuminata(L.apodantha, L.pampaninii;
L.henryi;淡紅忍冬)
臺灣・華東・陝甘・兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南・ヒマラヤ・ベトナム・マレシア産
『中国本草図録』Ⅴ/2328
ハマニンドウ L. affinis(細葉忍冬) 本州(中国)・四国・九州・琉球産
ケハマニンドウ var. pseudohypoglauca
L. alpigena
subsp. alpigena(高山忍冬)
エゾヒョウタンボク(スルガヒョウタンボク) subsp. glehnii(var.viridissima,
L.glehnii, L.alpigena subsp.glehnii var.watanabeana)
北海道・本州(東北・赤石山脈)・千島・樺太産
L. angustifolia
var, angustifolia(狹葉忍冬) 雲南・チベット・ヒマラヤ産
var. myrtillus(L.myrtillus;越橘葉忍冬)
雲南・チベット・ヒマラヤ産『雲南の植物Ⅰ』212
L. bournei(西南忍冬) 廣西・雲南・インドシナ産
L. caerulea
subsp. caerulea(藍果忍冬) 欧州産
ケヨノミ subsp. edulis(L.edulis, L.caerulea var.glabrescens;
藍錠果)『中国本草図録』Ⅲ/1370 北海道・朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・
・華北・西北・四川・貴州・雲南・モンゴリア・極東ロシア・シベリア南部産
ケヨノミ var. edulis
クロミノウグイスカグラ var. emphyllocalyx
マルバヨノミ var. venulosa 北海道南部・本州中部以北に産
L. calcarata(長距忍冬) 四川・貴州・チベット産
ウスバヒョウタンボク L. cerasina(L.shikokiana) 本州(紀伊半島・山陽)・四国・九州産
チシマヒョウタンボク(クロバナヒョウタンボク) L. chamissoi
ネムロブシダマ L. chrysantha(var.crassipes, subsp.gibbiflora,
var.longipes;金花忍冬) 『中国本草図録』Ⅳ/1866 北海道・朝鮮・遼寧・
・吉林・黑龍江・華北・西北・山東・江西・湖北・四川・モンゴリア・極東ロシア産
var. koehneana(L.koehneana;鬚蕊忍冬) 『雲南の植物Ⅱ』216
L. confusa(L.dasystyla;山銀花・華南忍冬)
兩廣・雲南・ネパール・インドシナ産 『中国本草図録』Ⅱ/0850
コウライヒョウタンボク L. coreana
L. demissa
キタカミヒョウタンボク var. borealis(L.kurobushiensis) 岩手・山形産
イボタヒョウタンボク var. demissa(L.ibotaeformis;弱枝忍冬) 本州中部産
L. elisae(L.pekinensis;北京忍冬・四月紅・小葉梅) 華北・陝甘・湖北・安徽・浙江産
タマヒョウタンボク L. ferdinandi(L.vesicaria;葱皮忍冬・葱皮木・波葉忍冬)
朝鮮・遼寧・華北・西北・四川産 『中国本草図録』Ⅸ/4346
L. ferruginea(L.nubium;銹毛忍冬) 福建・江西・両広・西南・インドシナ産 『雲南の植物Ⅲ』243
ツシマヒョウタンボク L. fragrantissima(L.harae;郁香忍冬・羊奶子)
対馬・朝鮮・河北・河南・山東・安徽・浙江・江西・湖北産
ウグイスカグラ(広義) L. gracilipes
ウグイスカグラ var. glabra
ミヤマウグスイスカグラ var. glandulosa
ヤマウグイスカグラ var. gracilipes
ロニセラ・ヘクロッティ L.× heckrotti
L. hildebrandiana(大果忍冬) 廣西・雲南産 『雲南の植物Ⅲ』242
L. hispida(剛毛忍冬・硬毛忍冬・子彈把子)
華北・西北・四川・貴州・雲南・チベット・モンゴリア・シベリア・中央アジア産
『雲南の植物Ⅰ』211・『中国本草図録』Ⅳ/1867
キダチニンドウ(トイニンドウ・チョウセンニンドウ) L. hypoglauca(菰腺忍冬・腺葉忍冬)
本州・四国・九州・臺灣・華東・兩廣・四川・貴州・雲南・ベトナム産 『中国本草図録』Ⅹ/4869
L. japonica
スイカズラ(キンギンカ・ニンドウ) var. japonica(
忍冬・金銀花・二花・二苞花・通靈草;E.Japanese honeysuckle)
ベニバナスイカズラ f. chinensis(紅白忍冬) 安徽産
テリハニンドウ f. flexuosa(L.japonica var.repens)
ヒメスイカズラ var. miyagusukiana(L.miyagusukiana)
琉球産 絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
ニイタカニンドウ L. kawakamii(玉山忍冬) 臺灣産
クロブシヒョウタンボク L. kurobushiensis 絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
L. lanceolata(柳葉忍冬・西藏小葉忍冬) 朝鮮・漢土南部・ヒマラヤ産 『中国本草図録』Ⅸ/4344
L. ligustrina
var. ligustrina(女貞葉忍冬) 兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南産
var. yunnanensis(L.nitida, L.pileata f.yunnanensis;
亮葉忍冬・雲南蕊帽忍冬) 陝甘・四川・雲貴産 『雲南の植物Ⅰ』211
L. linderifolia
ヤブヒョウタンボク var. linderifolia 岩手産
コゴメヒョウタンボク var. konoi 八ヶ岳・赤石山脈産
L. litangensis(理塘忍冬) 四川・雲貴産 『雲南の植物Ⅰ』212
L. longiflora(長花忍冬) 廣東・雲貴産 『雲南の植物Ⅲ』243
ハナヒョウタンボク L. maackii(金銀忍冬・金銀木・鷄骨頭・狗集谷・馬氏忍冬;
E.Maack honeysuckle) 『雲南の植物Ⅱ』217
f. podocarpa(短柄忍冬・鷄骨頭樹)
シマスイカズラ L. macrantha(L.macranthoides, L.fulvotomentosa;
大花忍冬・黃褐毛忍冬)
雲南・チベット産 『中国本草図録』Ⅳ/1868・Ⅹ/4870
L. maximowizcii
マンシュウヒョウタンボク var. maximowizcii(紫花忍冬)
朝鮮・山東・吉林・黒龍江・極東ロシア産
ベニバナヒョウタンボク var. sachalinensis(L.sachalinensis, L.uzenensis)
北海道・青森・山形・朝鮮・漢土北部・千島・樺太・アムール産
L. microphylla(小葉忍冬) 臺灣・華北・西北・モンゴリア・中央アジア産 『中国本草図録』Ⅹ/4871
L. mochidzukiana
ニッコウヒョウタンボク var. mochidzukiana 関東・中部・近畿産
ヤマヒョウタンボク var. nomurana(L.nomurana) 本州(東海・近畿・中国)・四国・九州産
キンギンボク(ヒョウタンボク) L. morrowii(var.gamushiensis, L.insularis,
L.tatarica var.morrowii;淡黃新疆忍冬)
ニッコウヒョウタンボク L. mochidzukiana
L. nigra(黑果忍冬) 長白山及び歐洲に産
メヒョウタンボク var. barbinervis
オイワケヒョウタンボク L. oiwakensis
ウラジロベニバナヒョウタンボク L. okamotoana(var.latifolia,
L.maximowiczii var.latifolia)
ニオイニンドウ L. periclymenum(香忍冬)
ハヤザキヒョウタンボク L. praeflorens
ハヤザキヒョウタンボク var.japonica 宮城・群馬・埼玉・山梨・長野産
ヒロハヒョウタンボク var. praeflorens(早花忍冬)
朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・極東ロシア産
L. ramosissima
キンキヒョウタンボク var. kinkiensis 本州(近畿)・四国(北東部)産
コウグイスカグラ var.ramosissima 本州(新潟・宮城以南)・四国産
コウグイスカグラ(狭義) f. ramosissima 箱根産
チチブヒョウタンボク f. glabrata(L.ramosissima var.borealis,
L.ramosissima var.fudzimoriana)
L. reticulata(L.rhyticophylla;皺葉忍冬) 江西・福建・湖南・兩廣産
L. rupicola(巖生忍冬)
var. syringantha(L.syringantha;紅花巖生忍冬)
中国西北・四川・貴州・雲南・チベット産 『雲南の植物Ⅰ』213
ビロードヒョウタンボク L. ruprechtiana(長白忍冬)
ツキヌキニンドウ L. sempervirens(貫葉忍冬・貫月忍冬;E.Trumpet honeysuckle)
L. setifera(齒葉忍冬) 四川・雲南・チベット産 『雲南の植物Ⅰ』213
L. similis(細氈毛忍冬・細苞忍冬・細絨忍冬) 雲南・ミャンマー産 『雲南の植物Ⅱ』217
アラゲヒョウタンボク(オオバヒョウタンボク) L. strophiophora
北海道(南西部)・本州・四国産
ダイセンヒョウタンボク var. glabra
ナンブヒョウタンボク f. glabrifolia
アラゲウグイスカグラ L. subhispida(L.monantha;單花忍冬)
朝鮮・吉林・極東ロシア産 『中国本草図録』Ⅲ/1371
ミドリヒョウタンボク L. subsessilis(L.diamantiaca) 朝鮮産
L. tangutica(唐古特忍冬・隴塞忍冬) 『雲南の植物Ⅰ』214・『中国本草図録』Ⅶ/3347
湖北・西北・西南・チベット産
シベリアキンギンボク L. tatarica(新疆忍冬)
モンゴリア・シベリア・中央アジア・カフカス・歐洲ロシア産
ウラジロヒョウタンボク(広義) L. tatarinowii(華北忍冬・花蕉樹)
ウラジロヒョウタンボク var. leptantha
L. tragophylla(盤葉忍冬・土銀花)
華北・西北・安徽・浙江・湖北・西南産 『中国本草図録』Ⅸ/4345
L. trichosantha(毛花忍冬) 四川産 『雲南の植物Ⅰ』215
var. deflexicalyx(長葉毛花忍冬) 甘肅・四川・雲南産
オオヒョウタンボク L. tschonoskii
ウゼンベニバナヒョウタンボク L. uzenensis 山形産 絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
オニヒョウタンボク L. vidalii(L.cerasoides) 岩手・群馬・長野・岡山・広島・隠岐島・朝鮮産
L. yunnanensis(雲南忍冬) 四川産 『雲南の植物Ⅰ』214
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訓 |
漢名忍冬(ジントウ・ニントウ,rĕndōng,にんどう)は、冬でも一部の葉が散らずに残ることから。金銀花は、はじめ白い花が翌日には黄色くなるところから。 |
和名スイカズラは、花の蜜が甘いことから。 |
『本草和名』忍冬に、「和名須比加都良」と。
『倭名類聚抄』忍冬に「和名須比加豆良」と。
『大和本草』に、「忍冬{スヒカツラ}」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』14下(1806)忍冬に、「スヒカヅラ スヒスヒカヅラ播州 スヒバナカヅラ雲州」と。 |
属名 Lonicera は、ドイツの16世紀の数学者・採集家ロニツァー Adam Lonitzer(ラテン形 Lonicerus)に因む。 |
説 |
北海道(西南部)・本州・四国・九州・琉球・朝鮮・臺灣・華東・兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南・華北・遼寧・吉林に分布。
欧米では観賞用に植えられたものが野生化し、嫌われている(特にアメリカ東部)。 |
誌 |
中国では、スイカズラなどの花蕾及び開き始めの花を金銀花(キンギンカ,jīnyínhuā)と呼び、茎葉を忍冬(ジントウ・ニントウ,rĕndōng,にんどう)・忍冬藤と呼び、それぞれ薬用にする(〇印は正品)。『中薬志Ⅲ』pp.336-337,506-507 『全国中草葯匯編』上/540-542 『(修訂) 中葯志』V/256-267,60-605
アリサンニンドウ L. acuminata(L.apodantha, L.henryi;淡紅忍冬)
L. bournei(西南忍冬)
L. calcarata(長距忍冬)
〇L. confusa(L.dasystyla;山銀花・毛萼忍冬・毛柱忍冬・華南忍冬)
L. ferruginea(L.nubium;銹毛忍冬)
L. hispida(剛毛忍冬・硬毛忍冬・子彈把子)
〇キダチニンドウ L. hypoglauca(菰腺忍冬・腺葉忍冬)
◎スイカズラ L. japonica(忍冬)
L. lanceolata(柳葉忍冬・西藏小葉忍冬)
L. longiflora(長花忍冬)
〇シマスイカズラ L. macrantha(L.macranthoides, L.fulvotomentosa;
大花忍冬・假大花忍冬)
L. reticulata(L.rhyticophylla;皺葉忍冬・網脈葉忍冬)
L. similis(L.buchananii;細氈毛忍冬・細苞忍冬・細絨忍冬)
var. delavayi(吊子忍冬)
L. tragophylla(盤葉忍冬・土銀花)
日本では、生薬ニンドウは スイカズラの葉及び茎である(第十八改正日本薬局方)。 |
中国では、また、葉を乾燥して忍冬茶にし、花を酒に浸して忍冬酒にする(いずれも薬用)。 |
『花壇地錦抄』(1695)巻三「藤並桂のるひ」に、「忍冬(じんたう) 花色白シ。咲て二三日過てハ、花の色黄也。故ニ金銀花といふ。かづら也。冬も葉あり」と。 |
蚊の声す忍冬の花の散ルたびに (蕪村,1716-1783)
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美術用語では、唐草文様(蔓・葉の絡まった植物文様)の一種を忍冬紋(にんどうもん,忍冬唐草)と呼ぶ。スイカズラを素材として描かれたと考えて名づけられたものだが、今日では否定され 名前だけが残っている。
忍冬紋は、実際には ギリシア風のパルメット文様の発展したもので、ヘレニズムに伴って東漸し、仏教美術とともに日本に入っている。 |
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