ふよう (芙蓉)
学名 |
Hibiscus mutabilis |
日本名 |
フヨウ |
科名(日本名) |
アオイ科 |
日本語別名 |
キハチス |
漢名 |
木芙蓉(ボクフヨウ,mùfúróng) |
科名(漢名) |
錦葵(キンキ,jĭnkuí)科 |
漢語別名 |
山芙蓉(サンフヨウ,shanfurong)・地芙蓉、木蓮、華木、拒霜(キョソウ,jushuang) |
英名 |
Cotton rose, Confederate rose |
2008/09/11 羽村市 |
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白花品 2004/09/21 跡見学園女子大学新座キャンパス |
2004/08/07 同左 |
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辨 |
花は、一重ざき・淡紅色が基本。白花や八重ざきの品種がある。
品種の内に、朝 開いたときは白色、昼ごろからピンク色に染まり始め、夕方には赤くなり、翌日の昼頃に萎むものがあり、これを美人が次第に酒に酔うさまになぞらえて、スイフヨウ cv.Versicolor(醉芙蓉, zuìfúróng)と呼ぶ。 |
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フヨウ属 Hibiscus(木槿 mùjĭn 屬)の植物には、世界の主として熱帯・亜熱帯に約425種がある。
(Hibiscus の範囲の取り方により、約700種とする考え方もある)。
シソアオイ H. acetosella
H. arnottianus ハワイのオアフ島原産、白花
H. cancellatus (黄茄花・格紋葉木槿)
アオイツナソ(ケナフ) H. cannabinus (洋麻・野麻・大麻槿;E.Kenaf)
イチビバアオイ H. cardiophyllus
H. clayii ハワイ諸島原産
モミジアオイ H. coccineus (紅秋葵;E.Scarlet rose mallow)
『中国本草図録』Ⅱ/0698
H. genevii インド洋モーリシャス島原産
モンテンボク(テリハハマボウ) H. glaber(Talipariti glabrum)小笠原産
ハマボウ H. hamabo(Talipariti hamabo;海濱木槿)
H. humbertianus マダガスカル島産
ケフヨウ H. indicus(美麗芙蓉) 両広・四川・雲南・東南アジア産
H. kokio 橙色の花、ハワイ諸島原産
H. liliflorus インド洋マスカリン諸島産
H. macrophyllus(Talipariti macrophyllum;大葉木槿) 雲南・東南アジア・インド・パキスタン産
サキシマフヨウ H. makinoi 九州西南部島嶼・琉球産
ソコベニアオイ H. militaris(E.Helberd-leaved rose mallow)
クサフヨウ(アメリカフヨウ) H. moscheutos(E.Rose mallow,Marsh mallow)
フヨウ H. mutabilis (木芙蓉・山芙蓉・拒霜;E.Cotton rose, Confederate rose)
『中国本草図録』Ⅱ/0699
スイフヨウ 'Versicolor'(醉芙蓉)
イオウトウフヨウ H. pacificus 小笠原産
H. palustris (草芙蓉)
H. paramutabilis(廬山芙蓉)
H. punaluvensis ハワイ諸島原産
アカバナトゲアオイ H. radiatus
ブッソウゲ H. rosa-sinensis (朱槿・佛桑・扶桑;E.Chinese hibiscus,
Rose of China) 『中国本草図録』Ⅱ/0700
ユリザキムクゲ var. liliflorus
ローゼルソウ H. sabdariffa (玫瑰茄・山茄;E.Roselle) 『中国本草図録』Ⅲ/1275
フウリンブッソウゲ H. schizopetalus (吊燈花・燈籠花・拱手花藍・假西藏紅花;
E.Fringed hibiscus)『中国本草図録』Ⅸ/4234
H. sinosyriacus(中華木槿)
H. storckii フィジー諸島産
マンキンアオイ H. surattensis
ムクゲ H. syriacus (木槿・木錦・荊條;E.Shrubby balthaea, Rose of Sharon,
Syrian hibiscus)
ヤマフヨウ H. taiwanensis
オオハマボウ(ヤマアサ) H. tiliaceus(Talipariti tiliaceum;黃槿・海麻;
E.Coastcotton tree,Yellow mallow tree) 『中国本草図録』Ⅰ/0201
ギンセンカ H. trionum (野西瓜苗・香鈴草;E.Bladder ketmia,
Flower of an hour)『中国雑草原色図鑑』133
H. waimeae ハワイ諸島原産、白花
園芸品としてのハイビスカス Hawaian hibiscus については、ブッソウゲを見よ。 |
アオイ科 Malvaceae(錦葵 jĭnkuí 科)については、アオイ科を見よ。 |
訓 |
漢語では、芙蓉(フヨウ,fúróng)は本来ハスの花を指す。のちフヨウの花がハスの花に似ているというので、これをも芙蓉と呼ぶようになったもの。
両者を区別するためには、フヨウを木芙蓉、ハスを水芙蓉と呼びわける。
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小野蘭山『本草綱目啓蒙』(1806)32に、「木芙蓉 フヨウ キハチス」と。 |
和名は、したがって、漢名の略称による。 |
説 |
中国中部原産か。
日本では古くから栽培され、本州(伊豆半島・紀伊半島)・九州の一部では野生化。 |
今日では、インド・インドシナでも栽培する。 |
誌 |
観賞用のほか、花・葉・根を薬用にする。『全國中草藥匯編 上』p.174 『(修訂) 中葯志』V/76-81 |
中国では、五代(907-960)の十国の一・後蜀(925-965)では、首都成都城にあまねく芙蓉を植えた。これが秋に花開くと 場内は錦の刺繍のようになるので、この城は錦城と呼ばれた(『成都記』)。 |
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枝ぶりの日ごとにかはる芙蓉かな (芭蕉,1644-1694)
霧雨の空を芙蓉の天気哉 (同)
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2023/10/22 12:30 同上 (同じ株) |
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2004/09/16 朝 東久留米市下里 |
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同株の花の、朝から昼、夕方、翌朝にかけての色の変化 |
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