おなもみ (雄なもみ)
学名 |
Xanthium strumarium subsp. sibiricum (X.strumarium var.japonicum, X.strumarium
auct. non L., X.japonicum, X.sibiricum) |
日本名 |
オナモミ |
科名(日本名) |
キク科 |
日本語別名 |
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漢名 |
蒼耳(ソウジ,cāngěr) |
科名(漢名) |
菊(キク,jú)科 |
漢語別名 |
老蒼子(ロウソウシ,lăocāngzĭ)、靑棘子(セイキョクシ, qīngjízĭ)、卷耳(ケンジ,juànĕr)、葈耳(シジ,xĭĕr)、胡葈(コシ,húxĭ)、羊帶來(ヨウタイライ,yángdàilái)、葹(シ,shī)、虱麻頭(シツマトウ,shīimātóu)、耳璫草(ジトウソウ,ĕrdāngcăo)、野茄子、刺兒棵 |
英名 |
(Siberian) Cocklebur, Burweed |
2007/05/26 薬用植物園 |
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2007/07/21 同上 |
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2005/08/19 同上 |
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2016/10/14 野川公園自然観察園 |
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2022/10/29 同上 |
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辨 |
偽果の角と棘には毛は少ないが、表面に毛を密生する。 |
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オナモミ属 Xanthium(蒼耳 cāngěr 屬)には、新世界原産の数種が、世界の温暖域に拡がっている。
X. mongolicum (東北蒼耳・蒙古蒼耳) 『中国本草図録』Ⅸ/4387
オオオナモミ(sensu org.) X. occidentale(X.canadense auct. non Mill.)
メキシコ原産。1929岡山県で発見、今は全国に帰化。
X. orientale
イガオナモミ subsp. italicum(X.italicum, X.strumarium subsp.italicum)
ヨーロッパ原産
オオオナモミ subsp. orientale(X.strumarium var.canadense
auct. non (Mill.)Torr.et A.Gray, X.canadense auct. non Mill.)
トゲオナモミ X. spinosum(刺蒼耳) 南米原産。1934大阪市十三で報告、今は本州各地に帰化。
X. strumarium
オナモミ subsp. sibiricum(X.strumarium var.japonicum, X.strumarium
auct. non L., X.japonicum, X.sibiricum;
蒼耳・虱麻頭・老蒼子・靑棘子)
『中国雑草原色図鑑』275
マルバオナモミ subsp. strumarium(X.inaequilaterum, X.mongolicum;
蒼耳・偏基蒼耳)
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キク科 Asteraceae(菊 jú 科)の植物については、キク科を見よ。 |
訓 |
和名については、メナモミの訓を見よ。
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『本草和名』葈耳に、「和名奈毛美」と。
『倭名類聚抄』葈耳に、「和名奈毛美」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』11 に、「葈耳 ヲナモミ ウマノミミ越前 ナモミ雌雄継名」と。 |
漢名は、とげのある総苞が耳飾の形に似ているところから、蒼耳・卷耳・葈耳・耳璫草などの名がついた。また、その実が羊の体に附着して漢土にもたらされたと伝えられることから、羊帶來という。
なお、漢名の卷耳は、ナデシコ科のミミナグサ(耳菜草) Cerastium fontanum の仲間を指すことがある。 |
説 |
ユーラシアに広く分布。日本には古く帰化したものと考えられている。
「かつてオナモミが生えていたような所は、ほとんどオオオナモミばかりになり、姿が見られなくなっている」(『日本の帰化植物』)。絶滅危惧Ⅱ類。 |
誌 |
中国では、嫩葉・果実・種子(蒼耳子)・全草を 食用・薬用にし、種子からは蒼耳子油を採る。『中薬志Ⅱ』pp.218-221 『全國中草藥匯編 上』pp.442-444 『(修訂) 中葯志』III/380-383 |
『楚辞』離騒に、「薋(し)・菉(りょく)・葹(し)を以て室を盈たすに、判として独り離れて服せず」と。薋はハマビシ・菉はカリヤス・葹はオナモミ、ここでは いずれも悪草である。 |
袖につくめなもみの実に思ひいづ幼かりき貧しかりき (土屋文明『山下水』1948)
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