ふゆあおい (冬葵)
学名 |
Malva verticillata |
日本名 |
フユアオイ |
科名(日本名) |
アオイ科 |
日本語別名 |
アオイ |
漢名 |
野葵(ヤキ,yěkuí) |
科名(漢名) |
錦葵(キンキ,jĭnkuí)科 |
漢語別名 |
葵(キ,kuí)、冬葵(トウキ,dōngkuí)、露葵、冬莧菜(トウカンサイ,dongxiancai)、冬寒菜(トウカンサイ,donghancai)、滑菜(カツサイ,huacai) |
英名 |
Cluster mallow, Chinese mallow, Curled mallow |
2007/06/20 薬用植物園 |
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2007/07/21 薬用植物園 |
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2007/08/13 同上 |
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辨 |
変種にオカノリ var. crispa (M.crispa)があり、食用に供する。 |
ゼニアオイ属 Malva(錦葵 jĭnkuí 屬)の植物については、ゼニアオイ属を見よ。 |
訓 |
アオイの語源説については『日本国語大辞典 第二版』を参照。牧野説は、「あふひハ日ヲ仰グニテ日ニ向フ意ナリ」(『牧野日本植物圖鑑』「ふゆあふひ」条)。
あおいを見よ。 |
説 |
アフリカ北東部・アラビア・インド・ヒマラヤ・漢土黒龍江・遼寧を除くほぼ全土)・シベリアに分布。
日本には平安時代(一説に江戸時代)に渡来した。 |
誌 |
中国では古くから嫩葉を食用とした蔬菜。
早く『詩経』『周礼』に葵として記載される。漢の『尹都尉書』には「種葵」篇が立てられ、北朝・賈思勰(カシキョウ)『斉民要術』では蔬菜の第一に挙げられ、唐・白居易には「烹葵」詩に「緑英にして滑且つ肥」と詠われ、元・王禎『農書』には「百菜之主」と称えられた。
ただし、明末にはすでに食われなくなっていた。李時珍『本草綱目』(ca.1596)に、「古は葵は五菜の主と為すも、今は復た之を食わず」と。
今日では雑草として扱うことが多いが、なお甘粛・江西・湖南・四川・貴州・雲南などでは var.crispa(冬葵)を蔬菜として栽培し、長沙では葵菜(キサイ,kuícài)と呼ぶ。
また、茎の繊維を麻の代用とする。
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『詩経』国風・豳風「七月」に、「七月は葵と菽(しゅく。マメ)とを亨(に)る」と。
『大戴礼』「夏小正」二月に、「菫(きん)を栄えしめ、繁(はん。ハイイロヨモギ)を采る。菫は采(菜)なり。繁は由胡なり。由胡とは、繁母なり。繁は旁勃(ばうぼつ)なり。皆豆実なり。故に之を記す」と。一説に、この菫をフユアオイとする。 |
中国では、フユアオイの根・茎・葉・種子を薬用にする。
また、そのほかナガエアオイ(ハイアオイ) M. pusilla(M.rotundifolia;圓葉錦葵)の果実、イチビ A. theophrasti(A.avicennae;苘麻)の種子を、冬葵子(トウキシ,dŏngkuízĭ)として用いる。『中藥志 II』pp.86-90 『全國中草藥匯編 上』pp.274-275 |
中国における「葵」の象徴機能については、あおいを見よ。
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日本古代における「あふひ」「葵」などについては、あおいを見よ。 |
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