あい (藍) 

学名  Persicaria tinctoria (=Polygonum tinctorium)
日本名  アイ
科名(日本名)  タデ科
  日本語別名  タデアイ(蓼藍)
漢名  蓼藍(リョウラン,liaolan)
科名(漢名)  蓼科
  漢語別名  藍(ラン,lan)
英名  Chinese indigo
2005/09/18 薬用植物園


2010/10/16 薬用植物園


 日本で藍と呼ばれる植物には、ほかに国産のヤマアイ、また遅れて外国から渡来したカラアイクレナイがある。
 イヌタデ属 Persicaria については、イヌタデ属を見よ。
 深江輔仁『本草和名』(ca.918)藍実に、「和名阿為乃美」と。
 源順『倭名類聚抄』
(ca.934)に、蓼藍は「和名多天阿井」と、藍の澱に「和名阿井之流」と。
 種小名 tinctorius は、「染色用の、染料の」。
 英名 indigo の語源については、タイワンコマツナギを見よ。
 東南アジア原産。
 中国では、古くから染料植物として栽培、今日では各地で半野生。
 日本には、飛鳥時代以前に渡来。
 茎葉に色素インディゴを含み、乾くと黒っぽい藍色になる。
 藍は、「春に播種し、夏7月頃に刈り取った藍草の葉を乾燥させ、室に寝かせて水を加えて醗酵させ、これを乾燥しあるいは搗き固めて蒅(すくも)藍または玉藍として保存する。染液を作るには、蒅藍または玉藍を藍甕へ入れ、アルカリ(灰汁または石灰)、水、および醗酵助剤として麬(ふすま)、砂糖などを加え、40度C位に加熱しておくと発酵作用によって液中に還元酵素ができ、この作用で藍の葉に含まれた青藍が白藍となる。これに布や糸を浸し取出して空気に曝すと白藍が酸化されて青い色が染着する」(新潮世界美術辞典)

 出藍の誉れとは、『荀子』勧学篇に「青はこれを藍より取りて、藍よりも青し」とあるところから、弟子が師よりも優れていることの喩え。
 藍は「酸化によって青い色が発色するので、新しく染めたものを使用し、洗濯したりしていると酸化が進んで青が冴え、"出藍"の美しさが出てくる」
(新潮世界美術辞典)という。
 「藍染めは、藍瓶に浸けるごとに濃くなり、順次、

      瓶覗き
(かめのぞき)→浅葱(あさぎ)→縹(はなだ)→藍(あい)→紺(こん)

などと呼ばれる。なお、日本の印刷業界では、シアン(cyan)のことを藍と呼んでいる」
(Color Guide International)
瓶覗 浅葱色 縹色 藍色 紺色
藍 Cyan   濃紺 Indigo
 藍甕の液の表面に浮く糟を掬い取り、乾かしたものを靑黛と呼び、薬用にし、またまゆ墨として用いた。
 青黛は 絵の具としても用い、このときは花靑(カセイ,huaqing)と呼ぶ。
 中国では、次のような植物を大靑(タイセイ,daqing)と呼び、葉を大靑葉と呼び、色素を乾燥させたものを靑黛(セイタイ,qingdai)と呼び、青黛を作る時に出る沈殿物を藍靛(ランテン,landian)と呼び、果実を藍実と呼び、根を板藍根と呼び、薬用にする。『中薬志』Ⅰpp.291-295・Ⅲ263-271,628-631、『中草薬現代研究』Ⅰp.227
   タイセイ Isatis indigotica(大靑)
   ホソバタイセイ Isatis tinctoria(I.tinctoria var.indigotica;菘藍・草大靑)
   リュウキュウアイ Strobilanthes cusia(S.flaccidifolius,
      Baphicacanthes cusia;馬藍)
   クサギ属のマキバクサギ Clerodendron cyrtophyllum(C.amplius;大靑・路邊靑)
       『中国本草図録』Ⅸ/4314
   アイ
(タデアイ) Polygonum tinctorium(蓼藍・藍)
   タイワンコマツナギ(キアイ・マメアイ・インドアイ・ナンバンアイ) Indigofera tinctoria
      (木藍・木藍・藍靛・小靑・槐靑・野藍枝子・印度藍・馬棘・野槐樹・馬藍・大靑葉)
 『礼記』「月令」五月に、「民に令して藍を艾(か)りて以て染むること毋く、灰を焼くこと毋く、布を暴(さら)すこと毋く、門閭(もんりょ)は閉づること毋く、関市索(もと)むること毋からしむ」と。
 『大戴礼』「夏小正」五月に、「灌たる藍蓼(らんれう。アイとタデ、あるいは二字でアイ)を啓(わか)つ。
〔啓(ひら)くとは、別(わか)つなり。陶して之を疏するなり。灌とは聚(あつ)まり生ずる者なり。時を記すなり。〕」と。



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