やぶこうじ (藪柑子) 

学名  Ardisia japonica
日本名  ヤブコウジ
科名(日本名)  ヤブコウジ科
  日本語別名  ヤマタチバナ(山橘)、ジュウリョウ(十両)
漢名  紫金牛(シキンギュウ,zijinniu)
科名(漢名)  紫金牛科
  漢語別名  
英名  Japanese ardisia
2005/07/17 小平市
2006/01/15 同上
2006/01/29  埼玉県長瀞町宝登山 2006/12/14 薬用植物園
2006/12/07 神代植物公園

 ヤブコウジ科 Myrsinaceae(紫金牛科)には、世界の熱帯・亜熱帯を中心に、37属約1300種がある。
   ツノミヒルギ属 Aegiceras(桐花樹屬)
 インド・オーストラリアに2種
     ツノミヒルギ A. corniculatum(桐花樹)
   ヤブコウジ属 Ardisia(紫金牛屬) 
   Embelia(酸藤果屬)
     E. laeta(酸藤果)
     E. longifolia(長葉酸藤果)
     E. oblongifolia(短葉酸藤果)
     E. parviflora(當歸藤・篩箕■
{艸冠に強})
     E. ribes(白花酸藤果)
     E. rubus(網脈葉酸藤果)
     E. subcoriacea(近革葉酸藤果)
   イズセンリョウ属 Maesa(杜莖山屬)

   ツルマンリョウ属 Myrsine(鐵仔屬) 5種
     M. africana(鐵仔・碎米棵)
     M. semiserrata(齒葉鐵仔)
     ツルマンリョウ M. stolonifera(光葉鐵仔)
   Oncostemum
100種
   タイミンタチバナ属 Rapanea(密花樹屬)
 約150種。しばしば Myrsine に含む
     R. faberi(尖葉密花樹)
     R. liearis(鈍葉密花樹)
     シマタイミンタチバナ
(マルバタイミンタチバナ) R. maximowiczii
          (Myrsine maximowiczii, R.okabeana, Manglilla okabeana,
           Manglilla maximopwiczii)
     タイミンタチバナ R. neriifolia(Myrsine seguinii;密花樹)
       var. yunnanensis(R.yunnanensis) 
 ヤブコウジ属 Ardisia(紫金牛屬)には、アフリカ以外の熱帯を中心に、約250種がある。
   A. affinis (波葉紫金牛)
   A. bicolor (紫背紫金牛・紅涼傘・鐵涼傘・葉下紅)『中国本草図録』Ⅶ/3277
   A. brevicaulis (矮莖硃砂根・血黨・活血胎)『中国本草図録』Ⅶ/3278
   A. brunnescens(凹脈紫金牛)
 『中国本草図録』Ⅱ/0750
   A. caudata (峨眉紫金牛・尾葉紫金牛)『中国本草図録』Ⅶ/3279
   シナヤブコウジ A. chinensis(小紫金牛・小獅子)
           琉球・臺灣・中国大陸南部に産。『中国本草図録』Ⅹ/4775
   A. conspersa(散花紫金牛)
 『雲南の植物Ⅲ』217
   A. corymbifera (紫背綠・紫綠西南紫金牛)
 『中国本草図録』Ⅴ/2243
   マンリョウ A. crenata(圓齒紫金牛・硃砂根・大羅傘・紅銅盤)『雲南の植物Ⅲ』217
     var. bicolor(紅涼傘)
 『雲南の植物Ⅲ』217
   カラタチバナ
(シナタチバナ) A. crispa(百两金・八爪金龍・開喉箭) 『雲南の植物Ⅱ』201
     ヤクシマタチバナ var. caducipila
   A. depressa (擬羅傘樹・圓果羅傘・癆病木) 『中国本草図録』Ⅹ/4776
   A. elegans (美麗紫金牛・郎傘木・小羅傘) 『中国本草図録』Ⅹ/4777
   A. faberi (江南紫金牛・月月紅)『中国本草図録』Ⅶ/3280
   A. gigantifolia (大葉紫金牛・走馬胎・走馬風)
 『中国本草図録』Ⅳ/1782
   A. humilis(矮紫金牛・大雨傘)
 『中国本草図録』Ⅰ/253
   ヤブコウジ A. japonica(紫金牛・野枇杷葉・平地木)
     ホソバヤブコウジ var. angusta 
伊豆大島・屋久島・臺灣に産
   A. maclurei (心葉紫金牛・紅雲草) 『中国本草図録』Ⅸ/4287
   A. maculosa (多斑紫金牛・紫綠果根・小羅傘・天靑地紅) 『中国本草図録』Ⅷ/3713
   A. mamillata (紅毛紫金牛・乳毛紫金牛・虎舌紅・紅毛氈)
『中国本草図録』Ⅶ/3281
   A. primulifolia (蓮座葉紫金牛)
   A. punctata (沿海紫金牛・山血丹) 『中国本草図録』Ⅹ/4778
   ツルコウジ A. pusilla(九節龍・地茶・猴接骨・五托蓮・細小紫金牛・毛莖紫金牛・毛靑杠)
          
 『中国本草図録』Ⅰ/0255
   シシアクチ A. quinquegona(羅傘樹)
 南西諸島・臺灣・中国・インドシナに分布。『中国本草図録』Ⅳ/1783
   モクタチバナ A. sieboldii(東南紫金牛)
 日本(小笠原・四国南部・九州)・琉球・臺灣・中国に分布
   A. villosa (卷毛紫金牛・雪下紅)
   A. villosoides(長毛雪下紅)『雲南の植物Ⅲ』217
   A. virens (綠葉紫金牛・紐子果・大羅傘) 『中国本草図録』Ⅹ/4779
   オオツルコウジ A. walkeri
   A. yunnanensis (雲南紫金牛) 
 和名は、藪にある柑子、山にある橘。この場合、柑子・橘は、どちらもカラタチバナ
 柑橘類としての柑子・橘については、柑橘類を見よ。
 センリョウ(千両)・マンリョウ(万両)に対して十両と呼ばれることがある。百両はカラタチバナ。カラタチバナの訓を見よ。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』9(1806)に、「ヤブカウジ ヤブタチバナ サルノメ アカダマノキ江戸 チヤウジヤノクハシ佐州 ヤマタチバナ クサタチバナ加州 ヤマウンジユ肥前 ハナタチバナ筑前」と。
 日本(奥尻島・本州・四国・九州)・朝鮮・臺灣・中国に分布。
 中国では、全株を薬用にする。
 『万葉集』に、

   けのこ
(消残)りのゆき(雪)にあ(合)へて(照)るあしひきの
     やまたちばなをつと
(裹)につ(摘)みこ(来) (20/4471,大伴家持)
   此の雪の消
(け)遺る時にいざ帰(ゆ)かな山橘の実の光(て)るも見む (19/4226,大伴家持)
   紫の糸をそ吾搓る足ひきの山橘を貫かむと念ひて
(7/1340,読人知らず)
   足引の山橘の色に出でよ語らひ継ぎてあふ事もあらむ
(4/669,春日王)
   足引の山橘の色に出でて吾が恋ひなむを人目難みすな
(11/2767,読人知らず)

 『古今集』に、

   あしひきの 山たちはなれ ゆくものの やどりさだめぬ 世にこそ有りけれ
     
(小野滋蔭、『古今和歌集』物名「たちばな」)
   我こひを しのびかねては あし引の 山橘の 色にいでぬべし
 (紀友則)
 
 江戸時代には、観賞用の品種が多く作出されていた。
 『花壇地錦抄』(1695)巻三「実秋色付て見事成るひ」に、「やぶかうじ 草。正月かざりニ用ルたち花也。実あかし」と。 

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