辨 |
グミ科 ELAEAGNACEAE(胡頽子 hútuízĭ 科)には、3属 約40-55種がある。
グミ属 Elaeagnus(胡頽子屬)
シーベリー属 Hippophae(沙棘屬)
Shepherdia 北アメリカに3種
S. argentea(E.Buffalo berry) 果実をジャムにする
S. canadensis
S. rotundifolia
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グミ属 Elaeagnus(胡頽子 hútuízĭ 屬)には、ユーラシア・豪州・北米に約30-90種がある。
E. angustifolia (E.oxycarpa;沙棗・銀柳・紅豆・尖果沙棗)
遼寧・華北・西北・モンゴリア・シベリア・西&中央アジア・東欧に産
『中国本草図録』Ⅲ/1292・Ⅶ/3236
『(修訂) 中葯志』III/420-422,V/72-75 『全國中草藥匯編 上』p.396
ダンゴグミ E. arakiana(E.multiflora var.arakiana)
絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
E. argyi (佘山胡頽子)
E. bockii (長葉胡頽子・猫奶子) 『中国本草図録』Ⅵ/2737
E. conferta (密花胡頽子)
E. difficilis(E.cuprea;巴胡頽子東・銅色葉胡頽子)
クマヤマグミ(キリシマグミ) E. epitricha 絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
E. formosana (臺灣胡頽子)
ツルグミ E. glabra (E.glabra var.ovalifolia;蔓胡頽子・抱君子・桂香柳)
『中国本草図録』Ⅹ/4757
E. gonyanthes (角花胡頽子・吊中子藤)
『雲南の植物Ⅲ』181・『中国本草図録』Ⅷ/3698
E. henryi (宜昌胡頽子・紅鷄踢香) 『中国本草図録』Ⅰ/0221
ウラギンツルグミ E. hypoargentea
E. lanceolata (披針葉胡頽子)
E. loureirii (鷄柏紫藤・燈吊子)
オオバグミ(マルバグミ) E. macrophylla(大葉胡頽子)
E. magna (銀果牛奶子・銀果胡頽子)
アカバグミ(オオバツルグミ) E. × maritima
ハコネグミ E. matsunoana
E. montana
マメグミ var. montana
ツクバグミ(ニッコウナツグミ) var. ovata(E. nikoensis)
E. multiflora
ナツグミ var. multiflora(E.multiflora var.angustifolia;
木半夏・四月子・牛脱) 『中国本草図録』Ⅵ/2738
トウグミ var. hortensis
アリマグミ E. murakamiana
コウヤグミ E. numajiriana
E. oldhamii (福建胡頽子)
ナワシログミ E. pungens (胡頽子) 『中国本草図録』Ⅶ/3237
オガサワラグミ E. rotundata
E. stellipila (星毛胡頽子・馬奶子)『中国本草図録』Ⅹ/4758
カツラギグミ E. takeshitae 絶滅危惧IB類(EN,環境省RedList2020)
タイワンアキグミ(リュウキュウツルグミ) E.thunbergii(E.liukiuensis;
薄葉胡頽子)
E. umbellata
アキグミ var. umbellata(牛奶子・甜棗・麥粒子)
『雲南の植物Ⅱ』168・『中国本草図録』Ⅰ/0222。本草綱目啓蒙32胡頽子条
カラアキグミ var. coreana
マルバアキグミ var. rotundifolia
ヤクシマグミ E. yakushimensis 絶滅危惧IB類(EN,環境省RedList2020)
ナツアサドリ E. yoshinoi
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訓 |
和名は、苗代をかく頃に実が熟することから。
「本種はぐみノ主品ニシテ又ぐいみトモ稱ス、刺狀枝アル樹ニ生ル實故ニぐいみト云ヒ、其略セラレシモノ卽チぐみナリ、ぐいハ刺ノ事ナリ」(『牧野日本植物図鑑』)。 |
『本草和名』胡頽子に、「和名久美」と。
『倭名類聚抄』胡頽子に、「和名久美、一云毛呂奈里」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』胡頽子に、「諸生子(モロナリ)和名鈔 グミ同上 グイミ四国 グユミ阿州 グイビ備前 ゴイミ ゴユミ ゴミ江州 ナハシログミ京 ヤマグミ サツキグミ ハルグミ トラグミ薩州 タハラグミ肥前 タウラグミ同上 カマツカグミ濃州 シヤシヤビ阿州 シヤシヤブノキ土州 ムギシヤシヤブ讃州 サゝビ同上」と。 |
『大和本草』に、「なはしろぐみ」に「山茱萸」の字を宛てた。爾来、日本ではグミを茱萸と書くことが多いが、当らない。漢語の茱萸(シュユ,zhūyú)は別植物である、サンシュユの訓を見よ。 |
説 |
本州(太平洋側)・四国・九州・朝鮮・華東・兩湖・兩廣・貴州に分布。 |
誌 |
中国では、根・葉・果実を胡頽子(コタイシ, hútuízĭ)と呼び薬用にする。 『全国中草葯匯編』上/584-585 『(修訂) 中葯志』V/94-97 |