とうかいざくら (東海桜)

 学名  Cerasus 'Takenakae'
 和名  サクラ '東海桜'
2006/03/21 神代植物公園      (以下、この株の後の姿です)

2018/03/15 同上
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2023/03/15 同上  

  

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2024/03/27 神代植物公園 

 ケイオウザクラ(啓翁桜)とトウカイザクラ(東海桜)は「よく似ており、時に混同されることもある」(勝木俊雄)という。この二者の関係について、本譜の筆者(嶋田)にはよく理解が届かないところがある。

 勝木俊雄は、ケイオウザクラについて「カンヒザクラカラミザクラの種間雑種と考えられる栽培品種」、「樹が小さく選定にも強いことから、切り花としてよく用いられ」「促成栽培で正月頃にも出荷され」「山形県などを中心に広く生産されている」といい、トウカイザクラについて「カラミザクラ系の雑種と考えられる栽培品種。'啓翁桜'の実生から選抜されたものといわれ」、「敬翁桜」「岳南桜」とも呼ばれ、「'啓翁桜'によく似ており」「一つの栽培品種としてまとめるべきかもしれない」という(勝木俊雄『日本の桜』増補改訂版, 2009, p.116-117)。勝木は後に別のところで「東海桜はマメザクラシナミザクラエドヒガンの雑種」(勝木俊雄『桜』2015, p.100)といい、ケイオウザクラについて「'啓翁桜' Cerasus 'Keio-zakura' Ohwi  マメザクラ×エドヒガン×カラミザクラ」(勝木俊雄「サクラの分類と形態による同定」,『樹木医学研究』21-2, 2017)と記す。
 これに対して大原隆明は、トウカイザクラは「シナミザクラや'コヒガン'、カンヒザクラが関係して生じたと考えられる栽培品種」、「促成栽培に向くため、山形県や富山県などで「敬翁桜(ケイオウザクラ)」または「啓翁桜」の名で早春の切り花として生産されている」(ここまでは勝木とほぼ同)とした上で、「栽培品種としての'ケイオウザクラ'(啓翁桜)はシナミザクラの台木にコヒガンを接いで生じたとされる別物で、一般にはほとんど栽培されていない」(大原隆明『サクラ ハンドブック』(2009),p.36)という。
 サクラ属 Cerasus(櫻 yīng 屬)については、サクラ属を見よ。
  
 「マメザクラとカラミザクラの種間雑種の栽培品種。福岡県で生まれた啓太郎桜の実生を、兵庫県の大和農園が選抜して生まれた。啓翁桜や岳南桜などと名称の混乱が見られる。山形県では切り花として出荷される」(多摩森林科学園「桜の新しい系統保全」)。
 全て同一クローン。 
 「促成栽培に向くため、山形県や富山県などで「敬翁桜(ケイオウザクラ)」または「啓翁桜」の名で早春の切り花として生産されている」(大原隆明)。

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