にわうめ (庭梅)

 学名  Cerasus japonica (Prunus japonica)
 和名  ニワウメ
 科名(和)  バラ科
  別名(和)  コウメ、リンショウバイ(林生梅)
 漢名  郁李・薁李(イクリ,yuli)
 科名(漢)  薔薇(ショウビ,qiangwei)科
  別名(漢)  棣(テイ,di)・棠棣(トウテイ,tangdi)・唐棣(トウテイ,tangdi)・赤棣・棠李、鬱(ウツ,yu)、薁(イク,yu)、雀梅・黄梅、金椀
 英名  Japanese bush cherry


2007/03/26 小平市 


 八重ざきのものをニワザクラ var. multiplex と呼ぶが、別種にニワザクラ(ヒトエノニワザクラの八重ざき品) P. glandulosa があるので注意。
 ユスラウメ P. tomemtosa (山櫻桃)とは別種。
 スモモ属(サクラ属) Prunus(梅屬)の植物については、スモモ属を見よ。
 サクラ亜属(櫻桃亞属)〔或はサクラ属 Cerasus〕については、サクラ亜属を見よ。
 桜一般についてはさくらの項を見よ。
   漢名の薁には、二音・二義がある。
  和音おう、ピンイン ao と読む場合は エビヅル
  和音いく、ピンイン yu と読む場合は、ニワウメを意味する。
 深江輔仁『本草和名』(ca.918)に「郁■、一名爵李、一名車下李、一名棣、一名鬱棣、和名宇倍」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』
(1806)32に、郁李は「ニハウメ コウメ播州、消梅と同名」と。
 中国(華北・華東・中南)原産、各地で栽培する。
 日本には江戸時代に渡来。
      果実は赤く熟し、食える。
 中国では、ニワウメ及び P. humilis(C.humilis;歐李)の種子(果実の核)を 郁李仁(いくりにん)と呼び、薬用にする。『中薬志Ⅱ』pp.251-258、歐李は、中国では 東北・河北・内蒙古・陝西・山東・河南・江蘇・四川に自生
 また、地方により、同属の次のような植物の種子を、郁李仁として薬用にする。
   P. japonica var. nakaii (長梗郁李)
   ユスラウメ P. tomemtosa (山櫻桃)
   オヒョウモモの変種 P. triloba var. truncata (截形楡葉梅)
   P. consociifolia (鄂李)
   P. dictyoneura (毛葉歐李)
   P. pedunculata (長柄扁桃)
   P. majestica (滇櫻桃)
 『詩経』国風・豳風「七月」に「六月は鬱と薁とを食らふ」と。
 この鬱はニワウメ、薁はおう ao と読み、エビヅル
 『爾雅』釈木に、「時、英梅。〔雀梅なり。〕〈疏。時、英梅。釈いて曰く、時、一名英梅なりと。郭云く、雀梅と。梅に似て小さき者なり。〉」と。繆啓愉は、雀梅はニワウメだという(『斉民要術校釈』)
 『万葉集』に、

   夏まけて開きたるはねず久方の雨打ちふらば移ろひなむか
      
(8/1485,大伴家持「唐棣花歌一首」)

とあり、唐棣の花を波祢受
(はねず)と訓んでいる。

 はねずは、ニワウメであるという
(ほかに、モクレン・ニワザクラとする説などもある)
 ただし、漢名を唐棣(トウテイ,tangdi)というものは、ザイフリボクの同属異種、Amelanchier sinica である。

 『万葉集』には、ほかに「翼酢
(はねず)色」を詠って、

   山振(やまぶき)のにほへる妹がはねず色の赤裳のすがた夢に見えつつ
      
(11/2786,読人知らず)
   念はじといひてし物をはねず色の変
(うつろ)ひ安き吾が意(こころ)かも
      
(4/657,坂上郎女)
   唐棣花(はねず)色の移ろひ安き情(こころ)なれば年をそき経(ふ)ること(言)は絶えずて
      
(12/3074,読人知らず)
 

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