ぎしぎし
学名 |
Rumex japonicus (R.japonicus var.yezoensis, R.yezoensis, R.regelii, r.japonicus
var.sachaliensis, R.crispus var.japonicus) |
日本名 |
ギシギシ |
科名(日本名) |
タデ科 |
日本語別名 |
ウシスイカ、ヘビスイコ、マクレッパ、ウマズッカシ、ウマノスイカシ、ダイオウ、ジゴクノネ、タンポコ、スイギク、ヘビギシギシ、ウマズイコ、イチシ、シノネ、シブクサ、シ |
漢名 |
羊蹄(ヨウテイ,yángtí) |
科名(漢名) |
蓼(リョウ,liăo)科 |
漢語別名 |
蓨(チョウ,tiáo)、當藥(トウヤク,dāngyào)、鬼目(キモク,guĭmù) |
英名 |
Japanese dock |
2007/04/19 薬用植物園 |
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2006/05/06 薬用植物園 |
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2007/06/07 薬用植物園 |
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2006/06/22 薬用植物園 |
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辨 |
ギシギシ属 Rumex(酸模 suānmó 屬)には、世界に約150-200種がある。
スイバ(スカンポ) R. acetosa (酸模,サンボ,suānmó) 『中国雑草原色図鑑』30
R. acetosella
ヒナスイバ subsp. acetosella(小酸模) 旧世界温帯産 『中国本草図録』Ⅸ/4090
ヒメスイバ subsp. pyrenaicus
R. alpestris
タカネスイバ subsp.lapponicus(R.acetosa subsp.lapponicus, R.lapponicus)
北半球の亜寒帯に産
アムールギシギシR. amurensis(黒龍江酸模)
ヌマダイオウ R. aquaticus(水生酸模・土大黄) 歐亞温帯に産、日本には不産
カギミギシギシ R. brownii
R. chalepensis(網果酸模・紅絲酸模・土大黃) 『中国本草図録』Ⅹ/4575
華北・華東・陝甘・新疆から中央&西アジア産
アレチギシギシ R. conglomeratus(密團酸模)
ナガバギシギシ R. crispus (R.crispus subsp.fauriei;皺葉酸模・羊蹄葉)
『中国本草図録』Ⅵ/2562・『中国雑草原色図鑑』31
コギシギシ R. dentatus(齒果酸模) 地中海地方東部~東アジア産 『中国雑草原色図鑑』32
subsp. dentatus 歐洲・北アフリカ産
コギシギシ subsp. subsp. klotzschianus(subsp.nipponicus, R.nipponicus)
ハマコギシギシ subsp. nigricans
カラフトノダイオウ R. gmelinii(毛脈酸模) 『中国本草図録』Ⅵ/2563
北海道・長野県北部・朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・華北・西北・モンゴリア・極東ロシア産
ハネミヒメスイバ R. hastatilus
R. hastatus (戟葉酸模・細葉酸模・川滇土大黄)
『雲南の植物Ⅱ』81・『中国本草図録』Ⅴ/2064・『中国雑草原色図鑑』33
ミゾダイオウ R. hydrolapathum
ヒメイヌスイバ R. hypogaeus
ギシギシ R. japonicus(R.crispus subsp.japonicus;羊蹄) 『中国雑草原色図鑑』31
ノダイオウ R. longifolius(R.domesticus;長葉酸模・直穗酸模) 『中国本草図録』Ⅳ/1603
北海道・本州島根以東など、西歐から極東ロシアまで歐亞冷温帯に産
マダイオウ R. madaio(R.daiwoo;土大黃・紅筋大黃)
コガネギシギシ R. maritimus(R.chinensis;刺酸模)
ハマギシギシ(ハマスイバ) var. maritimus (長刺酸模・連明子・殻菜)
歐亞の温帯・亜寒帯産 『中国本草図録』Ⅵ/2564・『中国雑草原色図鑑』32
コガネギシギシ var. ochotskius(R.ochotskius) 北海道・青森県・千島・樺太産
モウコギシギシ R. marschallianus (單瘤酸模・馬氏酸模・鹽生酸模)
モンゴリア・シベリア・中央アジア・ウクライナ産 『中国雑草原色図鑑』32
トゲナシニセコガネギシギシ R. microcarpus(小果酸模)
遼寧・河北・江蘇・臺灣・廣西・雲貴・ベトナム産
タカネスイバ R. montanus
キブネダイオウ R. nepalensis
キブネダイオウ subsp. andreaeanus(R.daiwoo var.andreaeanus,
R.andreaeanus;尼泊爾酸模・尼泊爾羊蹄・牛兒黄草)
中国西北(南部)・兩湖・四川・貴州・雲南から歐洲(南西部)、及びアフリカに産
『中国本草図録』Ⅷ/3541・『中国雑草原色図鑑』33
コギシギシ R. nipponicus
エゾノギシギシ(ヒロハギシギシ) R. obtusifolius (鈍葉酸模・金不換)
マンシュウギシギシ R. patientia (巴天酸模)
『中国本草図録』Ⅵ/2565・『中国雑草原色図鑑』34
遼寧・吉林・黑龍江・からギリシア・イタリアに産
マンシュウギシギシ var. callosus(洋鐵酸模) 『中国本草図録』Ⅵ/2566
ノハラダイオウ R. × pratensis
ヒョウタンギシギシ R. pulcher
ニセアレチギシギシ R. sanguineus
テガタギシギシ R. scutatus
イヌスイバ R. spinosus
ホソバギシギシ R. stenophyllus(狹葉酸模・窄葉酸模) 『中国本草図録』Ⅳ/1604
遼寧・吉林・黑龍江・極東ロシア・モンゴル・シベリア・中央アジア・歐洲ロシア・東&中歐洲産
ホソバギシギシ var. ussuriensis
モウコスイバ R. thyrsiflorus(直根酸模) 吉林・黒龍江・内外蒙古から歐亞温帯に分布
ニセコガネギシギシ R. trisetifer(長刺酸模)
関東・高知・臺灣・華東・兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南・東南アジア産
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タデ科 Polygonaceaee(蓼 liăo 科)については、タデ科を見よ。 |
訓 |
和名の語源は不明。はじめ京都の方言という。 |
『本草和名』羊蹄に、「和名之乃祢」と。
源順『倭名類聚抄』羊蹄に、「和名之布久佐、一云之」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』羊蹄に、「シ古歌 シブクサ和名鈔、阿州 シノネ和方書 シノネダイコン同上 イチシ古歌 イチシノハナ同上 シノハ南部 シノベ津軽 ギシギシ京 ギシギシダイワウ ノダイワウ シノヒタヒ ウシノシタ シイ備前 ギジギジ讃州 シロギシギシ河州 ダイワウ同上 ウシノハダイワウ仙台 ダイグサ三才図絵 カイルノキツケ泉州 イヌスイバ伯州 シンザイ雲州 ダイワウシンザイ ワダイワウ倶ニ同上 イヌシンザイ備後 スイトウ丹後 スリゴンボウ土州 スリゴンボ豫州 スイゴンボ スイジ倶ニ同上」と。 |
蓚・蓨(チョウ,tiáo)は、ギシギシ(あるいはスイバ)。
蓚の字は、日本ではシュウと読み、蓚酸(しゅうさん,しゅう酸) oxalic acid の語に用いる。しかし、元来の漢語にはこの音はない。しゅう酸
oxalic acid は、漢語では草酸。 |
説 |
北海道・本州・四国・九州・琉球・朝鮮・臺灣・華東・兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南・陝西・華北・遼寧・吉林・黑龍江・千島・樺太に分布。
スイバと異なり、茎や葉に酸味がなく、雌雄両性花をつける。 |
誌 |
中国では、ギシギシ属の植物のうち、次のようなものの根(羊蹄根・牛西西)或は全草(羊蹄)を羊蹄(ヨウテイ,yángtí)と呼び、薬用にする(○印は正品)。『全國中草藥匯編 上』pp.316-318 『(修訂)中葯志 』I/40-49
R. chalepensis(網果酸模・紅絲酸模・土大黃)
〇ナガバギシギシ R. crispus (R.crispus subsp.fauriei;皺葉酸模)
コギシギシ R. dentatus(齒果酸模)
〇ギシギシ R. japonicus(R.crispus subsp.japonicus;羊蹄)
コガネギシギシ R. maritimus(R.chinensis;刺酸模)
〇キブネダイオウ R. nepalensis(尼泊爾酸模・尼泊爾羊蹄・牛兒黄草)
〇マンシュウギシギシ R. patientia (巴天酸模)
ホソバギシギシ R. stenophyllus(狹葉酸模・窄葉酸模)
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鉄媒染で鼠色の染料。 |
『万葉集』に、「いちし」と記される植物は、諸説があるが、一説にギシギシ、またの説にクサイチゴ、エゴノキなど。 |
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