ささげ 

学名  Vigna unguiculata var. unguiculata (V.sinensis, Dolichos sinensis)
日本名  ササゲ
科名(日本名)  マメ科
  日本語別名  
漢名  豇豆(コウトウ,jiāngdòu)
科名(漢名)  豆(トウ,dòu)科
  漢語別名  豆角(トウカク,doujiao)、角豆、飯豆(ハントウ,fandou)、帶豆、裙帶豆(クンタイトウ,qundaidou)、薑豆、長豆
英名  Cow pea, Black-eyed pea

2008/07/21 薬用植物園

2005/08/02 薬用植物園

 東アジアで栽培されている食用のマメについては、まめを見よ。
 ササゲ属 Vigna(豇豆 jiāngdòu 屬)には、主として旧世界の熱帯に約100種がある。

  モスビーン V. aconitifolia(烏頭葉豇豆)
雲南・インド産
  コチョウインゲン V. adenantha
  V. angularis(Phaseolus angularis, Azukia angularis)
    アズキ var. angularis(Azukia angularis;赤豆・赤小豆・紅豆)
    ヤブツルアズキ var. nipponensis(Phaseolus nipponensis,
          Azukia angularis var.nipponensis;日本赤豆)
  サラワクマメ V. hosei
  ナガバハマササゲ V. luteola(V.acuminata;長葉豇豆)
奄美・琉球・臺灣から熱帯産 
  ハマアズキ V. marina(V.lutea;濱豇豆)
小笠原・南西諸島・臺灣から熱帯にかけての海岸産
  ヒナアズキ V. minima
    ヒメツルアズキ var. minima(V.nakashimae, V.gracilicaulis,
          Phaseolus nakashimae, Azukia nakashimae, A.minima;
          山綠豆・賊小豆・狹葉菜豆・細莖豇豆)
          
『中国本草図録』Ⅶ/3185
 九州・朝鮮・漢土(北部・東南部・南部)・東南アジア産
          
絶滅危惧IB類(EN,環境省RedList2020)
    ヒナアズキ var. minor(V.riukiuensis;琉球豇豆)
 琉球・臺灣産
  ケツルアズキ
(ブラックマッペ) V. mungo(V.aureus, Phaseolus mungo, P.aureus;
          Azukia mungo;綠豆;E.Mung bean, Green gram)
インドの古来の作物 
          
ネパール・インド・パキスタン・アフガニスタンに分布、九州・琉球に帰化
  リョクトウ
(ヤエナリ・リョクズ) V. radiata(Azukia radiata, Phaseolus radiatus;綠豆)
          
インド原産、日本には古く漢土から渡来 
    シマアズキ var. sublobata(V.stipulata;三裂葉綠豆)
 臺灣・インドシナ・インド・濠洲産 
  オオヤブツルアズキ V. reflexopilosa(Azukia reflexopilosa,
          Phaseolus reflexopilosus;卷毛豇豆)
 琉球・臺灣・東南アジア・オーストラリア
  バンバラマメ P. subterranea(Voandzeia subterranea) 西アフリカ原産 
  V. trilobata(三裂葉豇豆)
臺灣・雲南・ミャンマー・印度産 
  ツルアズキ
(カニメ) V. umbellata(Azukia umbellata, Phaseolus calcalatus, P.humilis;
          赤小豆・米赤豆・米菜豆・矮菜豆・藿;E.Rice bean)
          江西・兩廣・東南アジア・インド産 『中薬志』Ⅱ/142-147 『全国中草葯匯編』下/308
  ササゲ V. unguiculata(V. sinensis;E.Cow pea)
    ハタササゲ(ヤッコササゲ) var. catjang(V.unguiculata subsp.cylindrica,
           V.catjang, V.sinensis var.catjang;短豇豆・眉豆・飯豆;
           E.Catjung,catjang, Bombay cow pea)
           
直立性。 『中国本草図録』Ⅸ/4205) 
    ジュウロクササゲ
var. sesquipedalis(V.sesquipedalis;長豇豆・豆角) 蔓性 
    ササゲ var. unguiculata(V.sinensis, Dolichos unguiculata;豇豆・眉豆・飯豆)
          
蔓性。アフリカ原産、世界で栽培。 『中国本草図録』Ⅸ/4205
  アカササゲ V. vexillata
    サクヤアカササゲ var. vexillata 
沖縄本島から熱帯に産 絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
    アカササゲ var. tsusimensis(野豇豆) 
          
九州・対馬・臺灣・朝鮮・漢土産 絶滅危惧IB類(EN,環境省RedList2020)
    var. yunnanensis(雲南野豇豆)
    
 マメ科 Leguminosae(Fabaceae;豆 dòu 科・荳科)については、マメ科を見よ。
 「和名ハ捧ゲル意ニテ其莢ノ上向セル者ニ基キシ稱ナリト謂ヘリ」(『牧野日本植物図鑑』)。
 『本草和名』白角豆に、「和名佐々介」と。
 『倭名類聚抄』大角豆に「和名散々介」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』豇豆に、「サゝゲ
和名鈔 大角豆同上 サゝ和方書」と。
 漢名豇豆は、紅色が多いことからとも云う。
 英名 cowpea は、全草を飼料・緑肥として用いることから。
 属名 Vigna は、イタリアの自然科学者ヴィニャ Domenico Vigna(17c.)に因む。
 アフリカ原産、古代インド・東南アジアに伝播。中国では『広雅』に初見。
 日本には、中国を経由して8世紀以前に渡来。
 ヨーロッパには、アレクサンドロス大王の東征により入る。
 若い莢と熟した種子を食用とし、茎葉は飼料・肥料とする。
 中国では、根・葉・果皮・種子を薬用にする。

  豇豆畑
(ささげばた)の雑草(あらくさ)とるとあまつ日の入りたる後に連れられて来つ
    
(1945「疎開漫吟」,齋藤茂吉『小園』)
 


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