かりん (花梨) 

学名  Pseudocydonia sinensis (Chaenomeles sinensis, Cydonia sinensis)
日本名  カリン
科名(日本名)  バラ科
  日本語別名  カラナシ、キボケ、カラボケ、アンラクカ(アンラクジュ)
漢名  木瓜(ボクカ,mùguā)
科名(漢名)  薔薇(ショウビ,qiángwēi)科
  漢語別名  榠樝(ベイサ・メイサ,míngzhā)、榠、木李・木李海棠、光皮木瓜
英名  (Chinese) Quince
2006/03/26 薬用植物園
2007/04/06 同上
2006/04/13 東村山市下里団地 (ここにはカリンの街路樹がある)
2024/04/19 薬用植物園 
2006/05/06 同上
2024/06/20 シミック八ヶ岳薬用植物園 
2006/11/04 薬用植物園
2006/11/19 山梨市フルーツパーク
2007/12/26 薬用植物園
 カリン属 Pseudocydonia(木瓜 mùguā 屬) は、1属1種。

  カリン Pseudocydonia sinensis (Chaenomeles sinensis;木瓜・光皮木瓜・榠樝・木李)
   
 バラ科 Rosaceae(薔薇 qiángwēi 科)については、バラ科を見よ。
 「和名ハ此樹ノ木理くりん(花櫚)ニ似タレバ斯ク云フト謂ヘリ」(『牧野日本植物図鑑』)。したがって、花梨は当て字。なお、花櫚はフタバガキ科の植物。
 樝(サ,zhā)・楂(サ,zhā)の字については、クサボケを見よ。
 『中薬志Ⅱ』pp.56-58によれば、本種の名は榠樝であり、木瓜と呼ぶのは誤りという。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』(1806)26榠樝に「クハリン キボケ」、31櫚木に「クハリン」と。
 陝西・山東・江蘇・安徽・湖北・兩廣原産。日本には江戸時代に渡来。
 長野県諏訪地方特産のカリンと称するものは、じつはマルメロ
 果実は酸っぱくて渋く生食はできないので、水煮にしたり砂糖漬けにするなどして食う。
 また、果実・種子・枝葉を薬用にする。ボケの誌を見よ。
 花や果実を鑑賞するために、しばしば庭園に植える。
 木材は硬いので、床柱に用いる。
 『詩経』衛風・木瓜(ぼくか)に「我に投げるに木瓜を以てす」とある木瓜は、これだという。
 『花壇地錦抄』(1695)巻三「辛夷(こぶし)のるひ」に「あんらんじゅ 葉ハもくれんげニ少にて、夏 実あり、形 梨子(なし)のごとし」と、また「梨子(なし)るひ」に「くわりん くわんおんじのごとく」と。

   どしや降りの午後になりつつものをいふことさへもなく木瓜
(ぼけ)の実煮たり
     
(1943,齋藤茂吉『小園』)
 

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